CINOH 2022年春夏コレクション
Image by: CINOH
デザイナー茅野誉之が手掛ける「チノ(CINOH)」が、2022年春夏コレクションをオンラインで発表した。今季のテーマは「Flower Children」。横には「"武器より花を"そんな優しく平和的なメッセージを今シーズンは届けたいと思いコレクションを作成しました」というメッセージが添えられている。1960年代後半~70年代に、ヒッピーの若者たちのスローガンでもあったこの言葉をエレガントでシャープに表現した。
クロシェ、花柄、ベルボトム…70年代の要素をエレガントに
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映像の舞台となったのは、海辺を臨む丘のような場所。ファーストルックでは、袖や裾にフリンジを残したカギ編みのプルオーバーに、微かに裾が広がるスリット入りのベルボトムを合わせたコーディネートが登場した。そこに続くのは、草花のモチーフをのせたワイドパンツやロングドレス、淡いグラデーションが美しいタイダイ風のシャツやスカートなど。どれもヒッピーファッションを象徴するコーディネートやディテールだが、事前にテーマを聞いていなければ気付かないほど、さりげなく、ソフトに落とし込まれている。
中盤には、花柄の編み地を直線や幾何学模様で配したシャツやドレスなども登場。60年代後半~70年代のエッセンスを「チノ」のフィルターを通して、クリーンに発展させた。
テーラーリングに込めたデザイン性
毎シーズン、定評のあるシャツやジャケットなどは、落ち感のあるしなやかな素材やノーカラーのディテールなどで、よりリラックスした雰囲気だ。一見シンプルだが、ウエストを微かに絞るシルエットや長めのカフス、動きのあるテープベルト、さりげなく入れたタックやプリーツなどによって、デザインを差別化。オリジナルで作ることが多いという素材との相乗効果で、美しいシルエットを保つ。
映像のラストでは、ブランドの強みを改めて打ち出すかのように、テーラーリングの技術が光るモノトーンのアイテムをコーディネート。ブラウスと同色で施したスカーフやワイドベルト風の装飾でも、あくまでスマートにテーマ性や遊び心を散りばめた。
大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。WWDジャパンやFashion Newsの編集・記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、ファッションビル、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションを軸にライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。
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