2021-22年秋冬コレクションのフィナーレ
Image by: CHANEL
「シャネル(CHANEL)」が2021-22年秋冬プレタポルテコレクションをデジタル形式で発表した。素材やボリューム、会場やインスピレーションまでコントラストを意識させるコレクションとなっている。
■グラン・パレからコージーな老舗クラブへ
ADVERTISING
がらんとしたパリの街をモデルたちが歩き、屋外でランウェイが始まるのかと思いきや、扉の中に......。ショーフィルムが撮影された場所は、パリ・サンジェルマン地区で1960年代から続く伝説的なクラブ「カステル」。多くのアーティストやシンガーなどの著名人も好んで訪れた場所だという。クリエイティブディレクターのヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)が、シャネルのホームである改装中のグラン・パレを離れ、この場所を選んだのは、ボリューミーな冬のアイテムを敢えてコンパクトな空間で見せることでコントラストを表現したかったから。プライベート感が溢れるコージーな空間で、モデルたちが自分たちで着替えを行い、メイクアップをしてショーを行う姿はまるでガールズナイトのようで、このアイデアはカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)との過去の会話からヒントを得たものだという。
会場ではモデルが螺旋階段を降りて、部屋と部屋の間を行き来したり、コートをクロークに置きながらウォーキング。写真家デュオのイネス&ヴィノード(Inez&Vinoodh)が手掛けたフィルムでは、バックステージの様子はモノクロで映し出される一方、ウォーキングの場面は一転カラーに変わり、まるで過去から現在を行き来しているようにも見える。
■ボリュームや素材で生まれるコントラスト
冒頭のルックは厚地のツイードコートの中に薄手の透ける素材を合わせたり、ロングコートの中にホットパンツを合わせるなど、「厚×薄」「重×軽」「長×短」といったボリュームや素材によって生み出されるコントラストが顕著に表れている。
ボリュームのあるアウターの下にキャミソールドレスやグリッタードレス、タイトでカラフルなミニスカートなどを着込んだ様子は、この状況下で多くの人が忘れかけているパーティームードに満ちている。
■スキーリゾート×パリジャンシック
「私が愛してやまないスキーリゾートの雰囲気と、1970年代から今に続くクールなパリジャンシックから影響を受け、調和させたコレクション」とヴィルジニーが説明するように、今シーズンのテーマでもあるスキーリゾートの要素はパファージャケットやノルウェージャンセーター、ビブパンツ(サロペット)、ビーニーといったアイテムに反映されている。スキーリゾート(郊外)とパリジャン(市内)もまた、対照的なインスピレーションだ。
■ ボリューミーなムーンブーツとセンシュアルに輝くアクセサリー
コレクション全体で最も目を引くのは、足元にボリュームを与えるフェイクファーのムーンブーツ。シリアスなツイードのかっちりしたルックと敢えて合わせることで、崩しアイテムとしてコレクション全体を通して存在感を見せた。
また、それぞれのスタイルにメゾンのエッセンスを加えるアクセサリーの数々。幾重にも重ねたネックレスやロングピアスと合体したようなきらびやかで繊細なカチューシャ、パールのサスペンダーやセンシュアルなガーターリング、ネックレスのように首から掛けられるミノディエールなど。
最後にヴィルジニーは、90年代にシャネルのショーでも活躍し、昨年末この世を去ったステラ・テナント(Stella Tennant)に言及。ステラの魅力を懐かしみ、コレクションルックにも通ずる亡きアイコンの着こなしに思いを馳せた。
■ショーの始まりを待つアンバサダーたち
ショーが始まるまでのカウントダウンには各国のブランドアンバサダーたちがデジタル上で集結。イネス&ヴィノードがリモートで撮影した小松菜奈、BLACKPINKのジェニー、G-DRAGON、アンドラ・デイ(Andra Day)、ヴィクトリア・ソン(Victoria Song)、カロリーヌ・ド・メグレ(Caroline de Maigret)などがショーの配信を待機している姿は、ライブ配信の冒頭やSNSなどで公開された。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【注目コレクション】の過去記事
TAGS
記事のタグ
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境