マスク生活により肌荒れが気になる人が増え、これまで以上にスキンケアに配合されている成分に注目が集まっています。成分を起点にスキンケアを見ると、国ごとに独自のトレンドや美容法があり、新しい発見があります。今回はスキンケア大国である韓国と化粧品消費大国の中国の”美容成分トレンド”を紹介します。
【韓国】人気の「レチノール」と代替成分として話題の「バクチオール」
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レチノール配合商品がさまざまに発売されている韓国。レチノールはエイジングケアや肌のターンオーバーを整えるなどの効果が期待できるものの、副反応もあるため、低い濃度から肌を慣らすのが鉄則。「アイオペ(IOPE)」の「レチノール エキスパート」シリーズは、濃度別の3種を用意し、肌状態や適応期間に応じたセレクトができます。「イニスフリー(Innisfree)」の「レチノール シカ リペア セラム」は、毎日使える低刺激処方で注目を浴び、発売後すぐに完売した店舗が続出。
またレチノール代替成分として日本でも注目が高まっているバクチオールも登場しています。熱や光に弱いレチノールと異なり朝使用できること、敏感肌や乾燥肌でも使用しやすい成分です。「マモンド(Mamonde)」からは2成分を配合した低刺激クリーム「バクチオール レチノール クリーム」が人気を集めています。
【韓国】ネクスト“シカ“?「ドクダミ」と「ヨモギ」
肌のトラブルケアで定番化したシカ(CICA)成分。その次なる存在と言われるのが「ドクダミ」と「ヨモギ」です。どちらも古くから親しまれている成分ですが、韓国では鎮静系ケアとしてリバイバル中。
韓国の成分解析アプリ「ファへ」でアワードを獲得した「オールナチュラル(allNATURAL) マスクパックDK」は、ドクダミエキス配合の種類が人気。刺激を減らしてカバーするというコンセプトの「23イヤーズオールド(23years old) ダーマシン コンシーラー」にもドクダミエキスが配合されています。韓国ヘルス&ビューティストア・オリーブヤング(OLIVE YOUNG)のプライベートブランド「ブリンググリーン(BRING GREEN)」の「カワラヨモギ カーミングウォータークリーム」は、みずみずしい質感で肌を整えてくれます。
【韓国】マッコリも!独自視点の「米由来成分」
米由来成分は韓国ならではの解釈で商品化されています。「アバウトミー(ABOUT ME)」は主に米を原料とする韓国のお酒、マッコリに注目。マッコリ由来の発酵成分で保湿する「米マッコリ スキン ソフトナー」は、とろっとしたテクスチャーで、た見た目までマッコリのよう。「ハンユル(HANYUL)の「レッドライス エッセンシャル スキンソフナー」はヨジュ産玄米を2度発酵させることで、保湿成分の含有量を高めています。「グーダル(goodal)」は植物原料であるところを活かし、ヴィーガンスキンケアのメイン成分に。ライスミルクとアクアセラミドを配合した「ヴィーガンライスミルク保湿クリーム」はやさしい使い心地です。
【韓国】「ケア日焼け止め」に配合の美容成分
スティックやクッションなど幅広い日焼け止め製品を発明する韓国ですが、今年は鎮静や保湿などの美容成分を配合した日焼け止めが多数。「メディヒール(MEDIHEAL)」は刺激性を軽減した「ティーツリースーディングサンクリーム(SPF50、 PA++++)」を発売。「エチュード(ETUDE)」は韓国の有名美容家、ディレクターパイとコラボ。「スンジョン ディレクターズ ミネラルUV」はパンテノールやマデカソサイドなど人気成分を配合しています。「エイジトゥエニーズ(AGE 20's)」の「スキンフィット水分サンクリーム」は8種ヒアルロン酸コンプレックスなど美容成分を70%含有し、スキンケアのようにしっとり密着する使用感もポイント。
【中国】朝と夜で違う“成分美容法
中国では化粧品の成分に着目する消費者が増え、情報交換が盛んに行われています。中でも定番の”成分美容法”が「早C晩A」です。「朝はビタミンC、夜はビタミンA(レチノール)を使用する」という意味で、抗酸化作用を持ち、紫外線ダメージを軽減するビタミンCを朝に使用し、熱や光に弱いレチノールをは夜に塗るというもの。
この2つの人気成分を取り入れたアイテムはセット売りされることも多く、「毕生之研(PETERSON'S LAB)」は両成分をそれぞれ用いた朝用・夜用エッセンスを1本にまとめました。「珀莱雅(PROYA)」はビタミンCを配合した「ダブルアンチエッセンス」とビタミンA配合の「ルビーエッセンス」、2つの看板商品をセット販売。また最近では、ビタミンBの一種であるニコチンアミドを加えた「早C晩A+B」も広まっています。
【中国】外側からも「漢方」でケアする
健康や安全性への関心の高まりにともない、中国でなじみ深い植物成分、漢方が再注目されています。漢方スキンケアブランドとして中国で有名な「佰草集(HERBORIST)」のスター製品「太极·赋活微精华源生液」は2相式のエッセンスで、油相に白牡丹、水相に鳥薬という漢方の抽出物を使用し、健やかな肌に導きます。「東辺野獣」は抗酸化物質を含む霊芝(レイシ)を使用したエイジングケアオイルを販売。「谷雨」は甘草根抽出物グラブリジンをキー成分に、肌の黄ぐすみや乾燥をケアする「光甘草光感修护精华水」が人気に。
【中国】「クリーンビューティ」不要な成分排除
肌への安全性を求める人が増え、何が含まれているかと同様に“何が含まれていないか”にも注目が集まるようになっています。国産クリーンビューティブランドが多数登場しており、代表格の「蘭(LAN)」は国際的な安全基準とされるEWG0-2(安全)成分を用い、動物実験をしない、環境配慮型パッケージなど肌と環境に配慮しています。同じくクリーンビューティブランドの「花皙蔻(My Cloris Land)」のハイビスカスシリーズのエマルジョンはこれまでに100万個を売るヒット商品で、商品の90%以上が天然由来成分となっています。また、欧米のクリーンビューティブランド「ドランクエレファント」「RENスキンケア」なども人気。
【中国】植物由来成分のオイルアイテムが話題
漢方を筆頭に植物由来成分も人気上昇中。特に植物由来のオイルが一気に広まりました。スキンケアブランド「林清軒」は、肌を柔らげ潤いを与えるカメリアオイルが代表製品で、甘草根抽出物やツボクサ抽出物など植物由来のエイジングケア成分を配合しています。「PMPM」の「ローズスクワラン スージングリペアエッセンシャルオイル」は夏も使いやすいサッパリとした質感で、ベタつきが苦手な中国女子から支持を得ました。クレンジングオイルが人気の「逐本」は、アプリコット種子油やヒマワリ種子油など植物由来のスキンケアオイルを用い、肌タイプや化粧の濃さに応じた4種を展開しています。
青山学院大学文学部卒業。産経新聞社サンケイスポーツ編集局記者職を経て、「WWD BEAUTY」記者として中国や欧米などの海外美容市場やビューティテック、スタートアップなどを中心に取材。2020年4月に独立し、現在は美容業界情報を中心に若者トレンドや中国市場に関する記事を執筆。
(編集:平原麻菜実)
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