ボッテガ・ヴェネタ 2023年サマーコレクション
Image by: BOTTEGA VENETA
マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)が手掛ける「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」が9月24日、ミラノで2023年サマーコレクションを発表。イタリアの建築家でありデザイナーであるガエタノ・ぺッシェ(Gaetano Pesce)によるセットデザインと、その風景の中で動き回るキャラクターのコントラストを表現した。
ガエタノ・ぺッシェが手掛けた会場の椅子も販売
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会場は樹脂製のフロアと、手描きのドローイングがあしらわれたチェアでカラフルに彩られていた。ガエタノがデザインした「Come Stai?(イタリア語で「元気ですか?」の意味)」と名付けられたこのチェアは400脚のエディションとして、11月30日~12月4日に開催される「デザイン・マイアミ」にて展示・販売される。「この空間は多様性へのトリビュート。私たちは一人ひとり異なっている。誰もがオリジナルであることが、私のデザインにおけるテーマの一つだ」とガエタノは語る。
何の変哲もないTシャツとデニムに見えるけれど
オープニングを飾ったフランネルシャツやTシャツ、デニムといったアイテムは、一見オーソドックスなカジュアルウェアに見えるが、実はすべてヌバック素材に柄がプリントされたレザー製。実際に着用した人にしか分からない、マチューならではの贅沢な仕掛けとなっていた。また、ケイト・モス(Kate Moss)やマリアカルラ・ボスコーノ (Mariacarla Boscono)といったベテランモデルが登場したのも印象的。世代を超えたキャストがエフォートレスな美を体現した。
職人たちのクラフトマンシップに支えられたウェアは、ユーティリティとエレガンスを見事に融合させている。レザー使いやブークレニットでの表現、ファンネルネックでウエストに膨らみのあるテイラードのジャケットやコート、刺繍などボッテガ・ヴェネタらしい美学を感じさせた。
バッグ一つじゃ満足できない
アクセサリーで目を引いたのは、バッグの複数持ち。ショルダーバッグとトートバッグを合わせて持つスタイリングは、今すぐにでも真似できそうだ。また、持ち手までも紙の質感に似せたレザーのショッパーもユニーク。先シーズン登場した「カリメロ」バッグや彫刻的な形のハードウェアがハンドルとなった「Sardine」バッグのほか、今シーズンはフィッシャーマンネットや魚を保管するバケツからインスパイアされたラウンドバッグなど、個性豊かな小物が装いにアクセントを加えていた。
代名詞のイントレチャートは、前ディレクターのダニエル・リー(Daniel Lee)期のパテッドシリーズなどの立体的なデザインと比べると、網目が細めで平面的なデザインが多く、エレガントな印象が強い。
華麗なフリンジドレスがラストを飾る
可憐な花の装飾を施した「シャンデリア」ドレスは、コットンクレープガーゼの繊細なエンブロイダリーによって仕上げられたもの。また、コレクションの終盤には、最後にはガエタノの作品とカラーマッチさせた鮮やかな重量感たっぷりのフリンジドレスが登場。巧みなテクニックに裏付けされた、華やかなルックが観客を魅了した。
会場には、サウンドトラックを手掛けたアフロドイチェ(Afrodeutsche)や菊地凛子、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー(Rosie Huntington-Whiteley)、ソランジュ(Solange Knowles)、エリカ・バドゥ(Erykah Badu)など豪華ゲストが駆けつけた。
菊地凛子
■ボッテガ・ヴェネタ:公式サイト
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