Image by: Daphne Mohajer va Pesaran
美術家であり、東京藝術大学先端芸術表現科で准教授を務める西尾美也氏と、資生堂の企業文化誌「花椿」の元編集者、林央子氏が登壇するレクチャーイベント「拡張するファッション」が8月26日に開催される。会場は浦安市文化会館で、8月24日まで参加申し込みを受け付けている。
同イベントは、2022年度に始動した千葉県浦安市と東京藝術大学が連携・協力して行うアートプロジェクト「浦安藝大」内の企画として開催。浦安藝大は、市民と共に地域や社会の課題を解決するきっかけづくりとしてのアートを実践し、個人がアートに向き合い生まれた疑問や考えを共有することで、楽しみながら学びあう場の創造を目指す。今年度は高齢化や防災、潜在する地域課題に新しいアプローチを行うプログラムや、多様な価値観を認め共生できる社会を推進する海外交流プログラム、街中での展示、シンポジウムなどを実施する。
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「拡張するファッション」は、2011年に出版された林氏の同名著書内で提示された概念。最新の流行を発信するシステムであり、人々を消費行動に導く経済のためのツールとしての“ファッション”に批判的なデザイナー、アーティストのファッションを軸に従来の服飾デザインとは異なるものづくりや表現方法を探る姿を紹介することで、ファッションを起点に多様な領域について語ることができるとしている。2014年には水戸芸術館で展覧会として表現され、今回はその概念を新たに「演習」というアートプロジェクトとして展開する。林氏が登壇する8月26日のイベントを皮切りに今後も、京都の山村で服作りを行う「イアイ(iai)」の居相大輝や、「ビオトープ(BIOTOPE)」の田中優大と田中杏奈などをゲスト講師に招き、レクチャーやワークショップの実施を予定している。
今回のレクチャーでは、“対話としてのファッション”という視点から、高齢化や孤立の問題について考察。ファッションに関する市民参加型プロジェクトについての多様な事例や、西尾氏や林氏をはじめイアイやビオトープ、スーザン・チャンチオロ(Susan Cianciolo)、山下陽光など様々なアーティストの活動を紹介するという。
同プロジェクトを推進する西尾氏は「演習という形式を用いたアートプロジェクトとして、藝大での“ファッション教育”のあり方を実践的に探究することも目的にしています」と、藝大生以外にも広く開かれた環境でのファッション教育の実践に意欲を見せ、「拡張するファッションを新たに演習というアートプロジェクトとして展開させていただけることに、とてもわくわくしています」とコメントしている。
◾️浦安アートプロジェクト「浦安藝大」 レクチャー「拡張するファッション」
日時:2023年8月26日(土) 14:00〜16:00
会場:浦安市文化会館 中会議室
所在地:千葉県浦安市猫実1-1-2
浦安藝大公式サイト
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