「ファッションセンターしまむら」オンラインストア開設予告ページより
しまむらが9月28日の今日、2021年2月期第2四半期(2020年2月21日〜8月20日)の決算説明会を開催し、かねてより開設準備を進めていたオンラインストアについて詳細を発表した。「ファッションセンターしまむら」初の直営オンラインストアを10月1日正午にプレオープンし、7日10時にグランドオープンする。
同社は初のEC事業として、2018年にゾゾタウン(ZOZOTOWN)に出店したが、割引や値下げの施策がブランドの方針と異なるという理由から、わずか1年足らずで撤退。その代わりに、店舗に商品を取り寄せることができる同社独自のアプリ「しまコレ」への投資を強化してきた。ダウンロード数は2019年1月の提供開始から今年5月末までの約1年半で100万件を突破。2020年2月期は売上高9億5000万円を計上した。同サービスはEC開設に伴い今月12日に終了している。
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しまむらでは不採算店舗の整理を進めており、EC事業を強化することで売上を確保する狙いがある。ファッションセンターしまむらのECでは、店頭取扱商品の約10分の1程度にあたる1500〜2000点を展開し、毎週約50点の新作を投下する予定。オリジナルブランドを中心に、EC限定アイテムも販売する。商品の受取方法は自宅への配送と希望店舗での受け取りが選択可能。しまコレでの決済は店頭での支払いのみだったが、ECでは自宅配送の場合はクレジット決済ができるようになる。
直営ECでは先行販売や予約販売を行うことで商品の反響をデータ化し、店頭在庫に活かすという。人気が高いアイテムや色柄は追加生産をかけて店頭入荷に備えて売り切れによる機会ロスを削減。不評だった場合は在庫数を調整して余剰在庫の減少に努める。2021年2月期の下期は直営ECの売上目標を10億円とし、上期のEC事業とあわせて約20億円の売上を見込む。また、2022年下期を目処に顧客から要望の声があがっている「アベイル」でECを導入する予定で、その後「バースデイ」など他ブランドでもEC開設に取り組み、EC事業の売上を将来的に全体の5%まで割合を拡大させる計画だ。
今四半期の業績は、売上高が2542億5300万円(前年同期比3.8%減)、営業利益が159億7600万円(同11.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は105億2500万円(同9.5%増)と減収増益だった。新型コロナウイルスの流行により、水着や浴衣など季節商品で一部需要が消失したが、機能性素材を使ったPB「ファイバードライ(FIBERDRY)」の肌着や寝具のほか、ルームウェア等が売上を牽引した。またサプライヤーの協力のもと、短期生産サイクルによる在庫管理を徹底し、値下げを抑制したことから利益率が向上。下期は在庫管理の適正化に加え、上期に人気だったヘルス&リラクシング向け商品を強化するなどで堅調な売上を維持できるとして通期業績予想を上方修正した。売上高は前回予想の5192億6000万円から94億300万円引き上げ、5286億6300万円を見込み、営業利益は308億8900万円(予想から74億8300万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は192億600万円(同43億3800万円増)とそれぞれ修正している。
■しまむらオンラインストア
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