正解発表
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正解は、選択肢①がZOZOの損益計算書でした!
両者のビジネスモデルとは?
まずは、両者がどのように利益を生み出しているのかを解説していきます。
ZOZOのビジネスモデル
ZOZOのメインのビジネスモデルは受託販売です。受託販売とは、ブランドメーカーから預かった商品をZOZOが代わりに販売するモデルです。ECサイトを提供することで、外部のメーカーから販売手数料を受け取ります。外部のメーカーにとっては、ゾゾタウンを利用することで、魅力的な場で自社商品を販売することができるメリットがあります。
手数料の金額は、商品の販売金額(取扱高)に手数料率を乗じた金額となり、手数料の金額がそのままZOZOの売上となります。したがって、ZOZOは原則、売上原価が発生しないビジネスモデルとなります。
メルカリのビジネスモデル
メルカリでは中古品の売買を手軽にできるマーケットプレイスを提供し、アプリ上で取引の開始から購入までをサポートすることで、取引に応じた手数料を利用者から受け取っています。手数料の金額は販売額の10%で一律固定されています。なお、売上原価にはエンジニアの人件費や配送料などが含まれています。
両者のビジネスモデルの共通点と相違点
ZOZOとメルカリはどちらもECプラットフォームを運営している点で共通していますが、取引に応じて得られる手数料がそれぞれ異なります。ZOZOは約30%(公式では非開示のため、数字資料から概算ベースで算出)であるのに対して、メルカリは10%です。
では、なぜ手数料率がこれほど違うのでしょうか?
手数料率が異なる理由
同じECプラットフォームを運営しているにもかかわらず手数料率が異なる理由について解説していきます。
ゾゾタウン事業は在庫管理と物流費の負担まで行うプラットフォームです。つまり、手数料率が高い理由はこの部分の負担分が反映されているためです。
【補足】ZOZOが物流まで行う理由
ZOZOが物流にまで手を広げる理由は、業界構造の特徴にあります。アパレル業界は季節変動や流行があるため在庫管理を行うことが困難です。そのため、ZOZOは物流まで抱えることで在庫管理をコントロールしているのです。
一方でメルカリではフリマアプリという特性上、出品者と購入者が在庫管理と配送料を負担しており、ZOZOに比べると物流負担が少ないのが特徴。したがって、手数料率もZOZOよりも低くなっています。
手数料率の違いから表れるコスト構造の違い
それでは、手数料率の違いが決算書にどのように表れるかを解説します。
ZOZOは在庫管理を行っているECプラットフォームであるため、販管費に物流関連の費用が多く計上されています。一方、商品を預かるのみに留まる受託販売モデルを採用しており、売上原価はほとんどありません。また、貸借対照表には、物流設備などが有形固定資産に計上されていることが決算書から読み取れます。
※ZOZOの2023年3月期有価証券報告書を元に作成。
Image by Funda
メルカリは、損益計算書を見ると、物流を持っていないため物流関連の費用がありません。販管費の中身は、プラットフォーム利用者を増やすために費やしている広告宣伝費が大半を占めています。メルカリのようなCtoCプラットフォームは利用者が増えれば増えるほど魅力的な場所になります。そのため、利用者を増やすために先行投資として広告宣伝費が多額に計上されているのです。
また、ビジネスモデルの特徴は貸借対照表にも表れます。メルカリは取引が完了するまで一時的に顧客から代金を預かるため、資産の大部分が現金で構成されています。それに伴って、預り金も流動負債に多額に計上されています。
※メルカリの2023年6月期有価証券報告書を元に作成。
Image by Funda
まとめ
- ゾゾタウンではブランドメーカーから預かった商品を代わりに販売。商品の販売金額(取扱高)に手数料率を乗じた金額がそのままZOZOの売上となるため、原則、売上原価が発生しないビジネスモデル。
- メルカリは販売額の金額に応じた手数料を受け取っている。手数料率は販売額に対して一律10%。
- ゾゾタウンは在庫管理と物流費の負担まで行っており、販管費に物流関連の費用を多く計上。これらのコストが発生するため、手数料率を高く設定している。
- メルカリは物流を持っていないため物流関連の費用はないが、利用者が事業の要となるため集客を目的とした広告宣伝に投資を行っており、販管費に反映されている。
■Funda:公式サイト
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