

エレッセが1980年代に生み出した象徴的なアイテムが「ウィンドアップス」。それまでニット素材のトレーニングウェアが主流だったのに対し、「ウインドブレーカー」と「ウォームアップ」を組み合わせたトラックジャケットとパンツ=ウィンドアップスは、薄手の布帛素材で街中でも使えるアイテムとして流行した。テニスブームやスキーブームがその流行に拍車をかけ、トップアスリートによる着用も話題を集めた。スポーツウェアとしての機能性だけでなく、タウンウェアとしての利便性・トレンド感を兼ねそろえたウィンドアップスは、街着としての地位を確立、エレッセのアイコンとなった。
時代を超えて受け継がれるスタイルに、現代のエッセンスが加わった最新のウィンドアップスがこの秋登場する。
エレッセの中でもストリートカジュアルウェアを展開するライン「エレッセ ヘリテージ(ellesse HERITAGE)」と、国内外で注目を集めるメンズブランド「ジエダ(JieDa)」とのコラボレーションが実現。「Dummy Concept, Dummy World. “全てが偽りの世界 何もない世界(宇宙)”」をテーマに、未知な存在である宇宙に対してデザイナーの藤田宏行が抱くイメージを、無重力空間を想起させる浮遊感のある素材やシルエットで表現した。
左胸や背面に配置した大きなポケットが特徴のスタンドカラーのミリタリージャケット。脱いだ際には襟元とポケットを繋ぐテープを腕に通して背負うことも可能。同じナイロン素材を使用したパラシュートパンツと合わせるとセットアップに。
光沢感のあるナイロン素材が適度なハリを与え、シルエットをキープするコート。ミリタリーコートの上に着脱可能なベストを配置しており、ウエストの紐を調整することでシルエットを変化させることも可能。ベストのテープにはコラボレーションロゴ「ellesse × JieDa」をあしらっている。
ストリート、モードの垣根を破り、流行にとらわれないスタイルを提案している藤田宏行が手掛ける「ジエダ(JieDa)」。2019年3月に行われた初のファッションショーでは、"平成最後の東京コレクション"と銘打ちレイブカルチャーを現代風にアレンジし東コレのトリを飾った。そのショーでも発表されたスポーツブランド「エレッセ(ellesse)」とのコラボレーションアイテムが順次販売を開始している。「BOAシステム」を採用したスニーカーにミリタリージャケット、コートなど3年越しの思いが結実し生まれた全10型のアイテムに込められた思いとは?ジエダのアイデンティティ、クリエイティビティの源泉を紐解く。
ファッション誌の1週間コーデ企画に出させて頂いたりしていましたね。関西のセレクトショップで約10年働いて、その後セレクトショップ「キクノブ(KIKUNOBU)」をオープンさせ、同時にオリジナルブランドとして始めたのが「ジエダ(JieDa)」です。僕は服飾学校を出ていないので、今だに自分をデザイナーだと思えなくて(笑)。専門的な知識を学んできたデザイナーさんに会うとドキドキします。
責任感と言いますか、コレクションブランドとしてあらゆる面で妥協せず、オリジナリティをどう出していけるかということをより一層意識するようになりました。ジエダとはこういうものだと、ブランドの色を強く出していく必要があると認識できたというか。
作りたいものを作っているだけなんですよね(笑)。自分ではシルエットに特徴があるのかなと思っていますが。あと実はトレンドも意識していて。肌感覚ではありますが、「次はこういうアイテムが"くる"んじゃないか」と考えながらコレクションを製作しています。
UKテイストは気になっています。今週末から中東に行くんですが、中東とヨーロッパをミックスしたものを作りたいなと考えています。
仲の良いスタイリストさんがエレッセのシューズデザインをしている方を紹介してくださったのがきっかけです。最初はスニーカーだけだったんですが、ウェアも作ることになって。昔から好きなブランドだったので、決まったときはとても嬉しかったです。
やはりロゴが印象的ですよね。80〜90年代のクラシックスポーツのような雰囲気が好きで、正規店、古着屋でよく買っていました。実は3年くらい前にあのロゴがすごく新鮮に見えたときがあって、コラボロゴの帽子を作りたいと思っていたことがあったんです。その時は繋がりもなく実現しませんでしたが、今回こうして3年の時を経てご一緒でき光栄に思っています。
エレッセはレトロスポーツというイメージが強いと思っていたので、違うアプローチでデザインできればと思い「宇宙」を想起しました。ファッションの世界では90年代から2000年代に移行する過程で、「ナイキ」の「エアズームフライト」など宇宙船のフォルムのようなデザインの靴が増えたという歴史があって。ウェアでもクラバーみたいなスタイルが人気の時代で、それを2019年版に置き換えました。ジエダらしさとエレッセらしさを組み合わせるのには苦労しましたが、ジエダのコレクションテーマともリンクさせて作ることはできたんじゃないかなと。
想像以上のモノができましたし、作る過程も本当に楽しかったです。これまでジエダでは機能よりデザインに重きを置いてきましたが、ミリタリーコートのベストが取り外せるようにしたり、スポーツブランドならではの製法を取り入れたり、こだわりの生地を使ったりと今回はエレッセの力を借りて普段できていない機能面にも力を入れました。本当にモノが良いので、このシーズンだけじゃなく長く着てもらいたいです。
イタリア製の生地を使って作ったミリタリーコートやジャケットです。従来のナイロンと違って、光沢がありウェットな質感も良くて気に入ってます。
Tシャツは肩線を左右非対称にしていますね。基本ビッグシルエットなので、意識して作ってはいないですが女性の方も着られると思います。
以前から注目はしていて、是非使いたいと思っていました。着脱がスムースで快適ですし、何よりデザインも良いですよね。実はジエダでスニーカーを作るのは今回が初めてで。「ヘリテージ ベネチアーナ」をベースに作っていて、メッシュをスエードにしてテニスシューズをスケートシューズのようなデザインにアップデートしました。
性別に関係なく自由に着て貰えれば、ただそれだけです。
ストレスフリーであること。登山などアクティブなシーンでも、その服を着用することでどれだけ日常に近い状態でいられるかどうか。今回はそこをおさえつつも、着てテンションが上がるものをという意識を持ちながら作りました。
うちの店だけかもしれませんが、細身体型の方が増えているんですよ。それこそワンサイズくらい小さくなっているので、最近はその辺りを意識しながらディレクションしています。
ここ数年、ブランドの入れ替わりが激しいなと感じていて。人と同じことをしててもダメで、やはりオリジナリティが求められるんじゃないかなと。そこでどう差別化していけるかが鍵な気がしています。
海外の取り扱い店舗を増やすことが目標ですね。パリで展示会を行っていますがまだまだなので、今後も注力していきたいと考えています。
海外でショーをしたいと考えています。パリ、もしくはミラノでできれば最高ですね。個人的な目標はどこでも仕事できるようにしたくて。海外や地方に住みながら服作りができるよう、今基盤を整えている最中です。
時代を超えて受け継がれるトラディショナルなアイテムに敬意を払ったモノづくりをベースに、ストリートの自由な発想とモードのクリエイティブな感性を取り入れ、日本独自のミックス感覚でスタイル提案をしている。