
ヨウジヤマモト 2025年秋冬コレクションのルック
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
3月7日、「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」は2025年秋冬コレクションをパリで発表した。会場は、いつもの通りパリ市庁舎(Hôtel de Ville)。今回もその豪奢極まるホールに、白く光を反射する一本のランウェイがひかれていた。

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白いカーテンの奥から、フード付きのプルオーバーにコートを重ね、花弁のように膨らむグレーのスカートを合わせたルックがゆっくりと姿を現す。(ヨウジヤマモトにしては)カジュアルで若々しいこのファーストルックには、1月に発表された「ヨウジヤマモト プールオム(Yohji Yamamoto POUR HOMME)」の余韻がかすかに漂っていた。メンズと同じく、山崎ハコのフォークソングが流れていたことも、そのムードを引き継いでいる証拠だ。
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続く黒いウェア群も、軽量な素材を使用しているわけではないのに、どこか軽やかに映る。コードが落書きのように服の上を走り回り、幾何学柄のレザーが無造作にパッチワークされる。黒い生地は縦横無尽に身体を這い、結ばれ、漆黒の布地にはスミレのような花模様が咲く。造形は時に大胆でありながら、細部に繊細な意匠が光る。ネップツイードやレザーの扱いにも、新鮮なアプローチが見て取れた。

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なんと、山本里美が手がける「リミ フゥ(LIMI feu)」のルックも登場した。シンプルなガーゼのワンピースやボディス、アームカバーは、現代のファッショントレンドをさりげなく反映しながらも、ヨウジヤマモトのコレクションとは異なる緊張感を生む。














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ショーの終盤、モデルたちは歩みを止めると、静かにコートを脱ぎ、裏返す。すると、内側からスミレ色のキルティングが現れ、それを隣のモデルに着せ合った。こちらもまた1月のオムのショーであった、リバーシブルのウェアをモデル同士が交換する演出を思い出させた。今回、そこに山本親子のルックが混じっているとあれば、よりハートウォーミングでもある。




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いま、「ヨウジヤマモト」からしか得られない優雅な気品がある。それは、潤沢な生地使いや高級さに由来するわけではなく、むしろ、「余裕」と呼ぶのがふさわしいものだ。時代の荒波を経て、なお自身を貫き続ける、山本耀司だけが放つことのできる柔らかな表現。その象徴とも言えるのが、最後に登場したエレガントなコートの連なりだった。
堅牢なデザインが主流となる昨今のファッションシーンにおいて、山本耀司のしなやかで自由な発想は際立っている。そしてショーの終幕、吉田拓郎の楽曲をカバーし、「永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ」と歌う彼は、やはり変わらずロマンチックだった。
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