クリック一つで世界中の書籍を取り寄せられる便利な時代。データがはじき出す「オススメの本」もいいけれど、創造性が掻き立てられる空間で感性に響く一冊を選びたい。そんな方に向けて「旅先でふらっと立ち寄りたいアートな本屋」をテーマにお送りする不定期連載『世界の本屋さん』。ローカルに愛され、旅行客も楽しめるわざわざ足を運んででも行きたいおしゃれな本屋を紹介します。第一回は北欧スウェーデンの首都・ストックホルムのブックストア「konst-ig」。



店名はスウェーデン語で「奇妙な、一風変わった」という意味を持つ「konstig」に由来。ちなみに「konst」はアートという意味も持ち合わせ、日本語では「コンスティグ」と発音します。

オーナーは、もともとアートブックの店舗を経営していたというシャーロットさんとヘレンさん。1994年に創業し、今年で24年目を迎えます。「世界各国、そしてスカンジナビアのアートやフォトグラフィー、建築やデザイン、ファッション関連の書籍を集めたプラットフォームをストックホルムに作ること」をコンセプトに、さまざまなカテゴリーの本がさまざまな言語でそろいます。 店内は、陳列や照明の当て方などセンスの良さを感じさせる空間です。



店舗はスウェーデン国内に3店舗あったそうですが、現在はストックホルム・セーデルマルム地区のSoFo(ニューヨークなどのSoHoを真似たアーティストやブティックなどが連なる地区)の1店舗とECサイトを運営しています。オーナーの1人、ヘレンさんによるとスウェーデンでは、大手チェーンやECサイトなどの台頭でインディペンデントな本屋は昔に比べ激減してしまったそうです。しかし「konst-ig」は、アートブックに特化したスウェーデン国内では数少ない「ニッチ」な本屋として、地元や海外にも根強いファンがいるのだとか。

英語の書籍がほとんどですが、中にはスウェーデン語やフランス語、ドイツ語なども。北欧はデザインの分野で有名ですが、店内はノルディックデザインに関連した本が豊富。そのほか、タイポグラフィのラインナップも充実しています。部屋にも飾れるポスターやポストカードはお土産にも良さそうですね。



ファッションのカテゴリーには、昨年ベルギー・アントワープのファッションミュージアムで開催された「Margiela: The Hermès Years」展やニューヨークのメトロポリタン美術館で行われた「川久保玲 / コム デ ギャルソン展 間の技(Rei Kawakubo /COMME des GARÇONS: Art of the In-Between)」展の図録などが並んでいます。


中には日本の書籍もありますが「日本の本をもっと取り寄せたいけど、ディストリビューションがややこしくて買い付けが難しいのよね」とヘレンさん。

近隣にはデザイン関連のオフィスやスタジオも多く、建築関係やデザイナーなどのプロフェッショナルなお客さんが多いそう。同じ通りにはスウェーデンのファッションブランド「アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)」の店舗もあり、この地区に店舗を構えたのもアクネがオープンしたのが理由の一つでもあったそうです。アクネのディレクターもよく来店するとのこと。


冬は日照時間が短いため早い時間帯に辺りが暗くなるストックホルム。店内は北欧らしい温かみのある光に包まれ、静寂の中で心地の良い時間が流れていました。店舗はアクネをはじめレインウエアブランド「」や「」、セレクトショップや古着屋、カフェなどが連なるエリアに位置するので、ストックホルムを訪れたらショッピングの合間に立ち寄ってみては。
■konst-ig
住所:Åsögatan124
116 24 Stockholm
営業時間:月ー金 11:00〜18:30
土 11:00〜17:00
日 12:00〜16:00
公式サイト
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