ブロスバイワコールメンの「ムレからの解放」
Image by: FASHIONSNAP
モノ選びの達人を目指し、ファッションの定番をリサーチする連載「ファッションギークへの道」。第5弾のテーマは、真夏の必需品である機能性インナー。ビジネスシーンはもちろん、普段着を着るときのマストアイテムであるメンズ向けの夏用インナーをブランドごとに徹底比較! 着心地やサイズ感をFASHIONSNAP独自の視点で検証していきます。第3回は、ワコールが手掛けるメンズアンダーウェアブランド「ブロス バイ ワコールメン(BROS by WACOAL MEN)」のドライインナー「ムレからの解放」をレビューします。
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夏のインナー選びで押さえておくべき機能
インナーについて触れる前に、まず押さえておきたいのが、機能性の違い。一言で「機能性インナー」と言っても、その種類は多岐にわたります。猛暑の中では、汗による蒸れや臭いはもちろん、紫外線も気になるところ。特に気になるポイントを解消してくれるインナーと出会うためにも、改めて押さえておきたい機能性の違いをおさらいしましょう。
接触冷感
ほとんどの夏用インナーに搭載されているとも言える、接触冷感機能は、文字通り肌に触れるとひんやりと感じられる機能のことを指します。熱伝導性に優れた素材による機能で、肌に触れると体温を素早く吸収することで、快適な着心地を保つことができます。
ちなみに、接触冷感の度合いを測る値に「Q-max(最大熱吸収速度)」と呼ばれるものがあります。この値が大きければ大きいほど、冷感が感じられると言われており、目安は低いもので0.1〜高いもので0.4。購入の際、商品に記載がある場合には参考にしてみてください。
接触冷感機能を持つ素材・・・ナイロン、リネン、シルク、レーヨン、キュプラなど
吸水速乾
1日中着用するインナーには欠かせない機能が、吸水速乾性。特にインナーでは、「吸水速乾」または「吸汗速乾」という機能表示をよく見かけると思います。吸水速乾性を重視する場合には、ポリエステルなどの合成繊維を選ぶのがおすすめ。一般的に「吸水速乾素材」とは、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維に、糸や織り・編みに吸水性を高めるための特殊な加工を施した素材を指します。
吸汗速乾機能を持つ素材・・・ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維
UVカット
日焼けの元となる紫外線対策に必要なのがUVカット機能。光の透過具合によってUVカット率は異なり、その透過率は生地の厚みや密度によって大きく異なります。加えて、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維の中には、フルダル糸と呼ばれる酸化チタンを含有したUVカットに効果的な糸があり、紫外線を防止しやすくなります。ちなみに、天然繊維にUVカット加工を施したものは、紫外線吸収剤が後加工で付着させたものがほとんどなので、洗濯によって効果が薄れてしまう恐れがあるため要注意です。
UVカット機能を持つ素材・・・フルダル糸を使用したポリエステル、ナイロンなどの合成繊維
抗菌防臭
最も重要とも言えるのが、汗の臭いの元となる菌の増殖を防ぐ抗菌防臭機能。汗は、繊維に触れてから乾くまでの間に臭いが発生すると言われているため、素材ごとに臭いの発生度合いが異なります。ポリエステルやナイロンといった合成繊維は、加工によって機能性を付与しやすいため、抗菌防臭の機能を持っていることが多いです。
抗菌防臭機能を持つ素材・・・ポリエステルやナイロンなどの合成繊維(※素材ごとに異なるため、必ずしも抗菌防臭機能を持っているわけではありません)
ワコールメンの夏の定番インナーを徹底レビュー
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今回検証するのは、ブロスバイワコールメンが夏の定番として展開するドライインナー「メンズシャツ」。「ムレからの解放」という名の通り、吸放湿性(衣服内の湿度を快適に保つ性能)を備えたドライタッチのインナーです。ポリエステルとキュプラの混紡素材で、吸汗速乾性により汗によるベタつきを防ぎ、通気性を向上。臭いの元となる菌の増殖を抑える抗菌防臭機能も備えています。
着心地
通気性を向上させるため、メッシュのような素材になっていることから、シャカシャカとした硬さのある着心地が特徴。コットンなどの天然素材の柔らかい肌触りよりも、生地感から機能性を実感したいという人におすすめです。
サイズ感
今回検証したインナーは、M〜LLの3サイズ展開。身長170cmの編集部員がMサイズを着てみると、体のラインに沿ったタイトなシルエットになりました。体にピタッとフィットするので、ゆとりを持ってきたいという人にはLかLLサイズを推奨します。
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詳しいサイズ表はこちら。
◆トップスごとの襟元の見え感をチェック!
毎日着るインナーに求める条件は人それぞれ。ビジネスシーンはもちろん、休日にも併用できるのが理想ですよね。そこで、丸襟のTシャツからYシャツ、開襟シャツを着たときの襟元の見え方をチェック! 普段の服装に合わせる時の指標にしてみてくださいね。
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YシャツやクルーネックTシャツの場合には、襟の見え感は気になりませんでした。開襟シャツと組み合わせると、襟がわずかにチラ見えするので、襟が深く開いたシャツと組み合わせる場合には、色合わせなど注意が必要です。
透け感は★★(やや透ける)。1枚で着用すると透け感が気になりました。白だと透け感が気になるという場合には、グレーと白の中間のようなカラー「アイスグレー」を選ぶのもおすすめです。
◆透け感をFASHIONSNAP独自の判断で3段階にわけて評価!
★ 透ける
★★ やや透ける
★★★ 全く透けない
価格
ワコールメンのインナーは2200円〜で、今回検証した9ブランドを全て比較しても平均的な価格帯です。高い機能性を備えながら、リーズナブルなのが嬉しいですね。
【連載:ファッションギークへの道】
■夏用インナー編
vol.1「ユニクロ」
vol.2「無印良品」
vol.3「ブロスバイワコールメン」
vol.4「グンゼ」
vol.5「ワークマン」
vol.6「しまむら」
vol.7「ゴーヘンプ」
vol.8「ミズノ」
vol.9「モンベル」
■リカバリーサンダル編
vol.1「ウーフォス」
vol.2「キーン」
vol.3「テンシャル」
vol.4「サロモン」
voi.5「テリック」
vol.6「リグ フットウェア」
vol.7「ザ・ノース・フェイス」
vol.8「キナー」
vol.9「ホカ」
vol.10「コロンビア」
vol.11「ダナー」
■白T編
vol.1「Hanes Red Tag」
vol.2「FRUIT OF THE LOOM」
vol.3「UNIQLO」
vol.4「RED KAP」
vol.5「PRADA」
vol.6「anvil」
vol.7「無印良品」
vol.8「Hanes Blue Tag」
vol.9「SUNSPEL」
vol.10「Champion」
vol.11「Supreme × Hanes」
vol.12「FilMelange」
vol.13「Healthknit」
vol.14「JIL SANDER」
vol.15「Hanes BEEFY」
vol.16「ANATOMICA」
vol.17「GILDAN」
vol.18「COMME des GARÇONS SHIRT」
vol.19「ACNE STUDIOS」
vol.20「HEAVY WEIGHT COLLECTIONS」
vol.21「United Athle」
vol.22「Hanes Gold Tag」
vol.23「VALENTINO」
vol.24「Carhartt」
vol.25「COTTON STAFF」
vol.26「visvim」
vol.27「Hanes T-SHIRTS Japan Fit」
vol.28「CROSS STITCH」
vol.29「Printstar」
vol.30「ONEITA」
■白シャツ編
vol.1「INDIVIDUALIZED SHIRTS」
vol.2「無印良品」
vol.3「MARGARET HOWELL」
vol.4「N.HOOLYWOOD」
vol.5「THOM BROWNE」
vol.6「A.P.C.」
vol.7「ENGINEERED GARMENTS WORKADAY」
vol.8「PAUL SMITH」
vol.9「Gap」
vol.10「BEAMS PLUS」
vol.11「TOMORROWLAND」
vol.12「JIL SANDER」
vol.13「Polo Ralph Lauren」
vol.14「SOPHNET.」
vol.15「THE」
vol.16「SCYE BASICS」
vol.17「KICS DOCUMENT」
vol.18「UNIQLO」
vol.19「digawel4」
vol.20「GUCCI」
vol.21「visvim」
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