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「歴史的な服装」をファッションに、1990年代 クリノリンスカート
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F:立体的なシルエットが印象的なスカートですね。
ベイビーマリー:「ミニ・クリニ」とも呼ばれる、中にワイヤーが入ったアイテムです。膨らみを持たせたシルエットが特徴的ですね。ココ・シャネル(Coco Chanel)が「これは自由じゃない!」とコルセットから女性を解放したという逸話もありますが、その時代の服を後にあえてカジュアルに昇華させるのがヴィヴィアン・ウエストウッドらしいなと思います。20世紀にファッションで革命を起こしたココ・シャネルとヴィヴィアン・ウエストウッド、両者から影響を受けています。素材にこだわり、着心地の良さを追求する精神はFalineに受け継がれています。
人形のようなシルエット、1990年代 ドレス
F:6着目はドレス。「不思議の国のアリス」を彷彿とさせるようなアイテムですね。
ベイビーマリー:これも1990年代のアイテムで、ヴィヴィアン・ウエストウッドでは有名な形のドレスです。袖に溜まりができるふんわりしたシルエットなんですが、色味も相まってお人形みたいで。丈がものすごく長いんですが、15cmくらいのハイヒールを履いて頑張ってロンドンの街を歩いていました。紐がついているので、スカートをたくしあげることで2wayの着方ができるのも特徴ですね。
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サステナビリティの先駆け?1993年 アウター
ベイビーマリー:このアウターは、1993年秋冬コレクションの「アングロマニア・ショー」の中でケイト・モス(Kate Moss)が着用して話題を呼んだアイテムです。このショーも現地で見ていたんですが、ランウェイを歩くケイトに影響を受けてショーピースをルック丸ごと買いました(笑)。
F:存在感のある一着ですね。これはリアルファーでしょうか?
ベイビーマリー:一見本物の毛皮のように見えますけど、実はフェイクファーなんです。当時はサステナブルという言葉が現在のようには浸透していない時代でしたが、ヴィヴィアン・ウエストウッドはこの段階から環境保全に取り組んでいたのかもしれない。このあたりの考え方が「ヴィヴィアン財団」に受け継がれているように思いますね。
ケイト・モスが上裸で着用、1994年 マイクロミニ
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F:最後はマイクロミニ。一般的なマイクロミニと比べても、かなり丈が短いですね。
ベイビーマリー:ケイト・モスが1994年の「Cafe Society」コレクションのランウェイで着用していたショーピースの生地違いです。当時、私は現地でコレクションを観ていたんですが、ケイト・モスが上裸で登場したりと、本当にセンセーショナルなショーでしたね。「Cafe Society」が一番好きなショーと言っても過言ではないほど、私の心に鮮明に焼きつきました。このマイクロミニは、生地違いでいくつも購入して街中を歩いていました。
ベイビーマリーにとっての「ヴィヴィアン・ウエストウッド」とこれから
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F:ご自身にとって、「ヴィヴィアン・ウエストウッド」とは?
ベイビーマリー:「It’s my life」、人生そのものですね。でも、それは私に限った話ではなくて。世界中に、同じ時代を生きた「ヴィヴィアン・ヴィクティム」がたくさんいるんです。ロンドンのクラブハウスでのパーティーでは、ヴィヴィアン・ウエストウッドを着た人たちと服を通じて友人になりました。当時の仲間とはその後もずっと交流があって、住んでいる場所は違えどミラノでショーがあるといえばミラノへ、ニューヨークに新店舗がオープンするといえばニューヨークへ足を運んで再会したり。ヴィヴィアン・ウエストウッドを通して様々な出会いなり、旅なりを経験させてもらいました。私の場合はブランドへの情熱が高じてお店をやらせてもらうことになり、今に至ります。ヴィヴィアン・ウエストウッドがなかったら今の私はいない。21歳の時に見た一枚の写真が、私の人生を変えました。
先日古い友人が、1980年代、1990年代をヴィヴィアン・ウエストウッドと共に生きた私たちのことを「ヴィヴィアンの申し子」と言ってくれて。すごく光栄なことだと思ったので、今後は次の世代に魅力を伝える役目を果たしていけたらいいですね。そうすることで、ヴィヴィアン・ウエストウッドという人物は永遠に生き続けると信じています。
(聞き手:村田太一)
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