Image by: FASHIONSNAP
2022年12月、デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)が81歳で死去した。これを受け、大の「ヴィヴィアン・コレクター」として知られるベイビーマリー(Babymary)が、急遽「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の私物コレクションを北青山の「ミス ファリーン(Miss Faline)」で展示した。21歳でヴィヴィアン・ウエストウッドに出会い、同ブランドの正規取扱店として名古屋にセレクトショップ「ファリーン(Faline)」を出店した同氏。「ヴィヴィアン・ウエストウッドは私の人生そのもの」と語る彼女に、展示アイテムの中から選りすぐった珠玉のコレクションを紹介してもらった。
目次
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伝統のパイレーツ柄を備えた、1981年 ボンテージパンツ
Image by: FASHIONSNAP
FASHIONSNAP(以下、F):1着目はボンテージパンツ。特徴的な総柄が目を引くアイテムですね。
ベイビーマリー:1981年に発表された「パイレーツ」コレクションのボンテージパンツです。パイレーツ柄(もしくはスクイグル柄)と呼ばれる、現在ヴィヴィアン・ウエストウッドのアイコンとなっている模様を備えています。年代物なのでかなり使用感がありますが...。下の写真では、当時一緒にいたゲイのスペイン人が私のものを着用しています(笑)。
ヴィヴィアン・ウエストウッドに没頭するきっかけに、1990年代 クラウンハット
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ベイビーマリー:これは私がヴィヴィアン・ウエストウッドに没頭するきっかけになったアイテム。女王様の王冠をモチーフにしたクラウンハットです。21歳の時、当時のミューズ セーラ・ストックブリッジ(Sara Stockbridge)がベルベットのクリノリンやコルセットにこのクラウンを合わせて、ロッキンホースを履いている写真に衝撃を受けて。ワールズエンド(Worlds End/ヴィヴィアン・ウエストウッドがロンドン・キングズロードに構えた店舗)に買いに行きました。あそこから私の「ヴィヴィアン・ウエストウッド・ストーリー」が始まったように思います。
F:伝統的であり、今尚前衛的でもあるアイテムですね。
ベイビーマリー:ヴィヴィアン・ウエストウッドのアイテムは全てがアヴァンギャルドでしたね。このクラウンも男女問わず着用できるデザイン。今思えば、世間にユニセックスの波がやってくる前からヴィヴィアンはユニセックスを取り入れていたんだと思います。マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)が彼女の訃報に際して自身のインスタグラムに「あなたはいつも、誰よりも早かった」と綴っていましたが、まさにそうだなと。
ヴィヴィアンの母も着用、1990年代 ラブジャケット
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F:中島美嘉さんが映画「NANA」の劇中で着用したことでも話題になったラブジャケットですね。
ベイビーマリー:ブランドのアイコンの一つとも言える一着ですよね。ラペル部分がハートの形になっているのが一番の特徴ですが、ヴィヴィアンのお母様が別のラブジャケットを着用している写真もすごく素敵なんです。中でもゴジラジャケットという別名もあるこのモデルは、ハートの周りにフリルがついていて可愛いのでとても気に入っています。
スカートの下に装着しておしりを強調、1990年代 バッスル
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ベイビーマリー:これは「バッスル」と呼ばれるおしりの部分をふくらませる下着です。ヴィクトリア朝時代(1837〜1901年)の前半から中盤にかけて、膨らんだおしりが女性の成熟度を表すとされていた時期に流行したアイテムですが、そこから着想を得てヴィヴィアン・ウエストウッドが発表しました。おしり部分に装着して上からスカートを履くことで、当時のシルエットを再現できます。先ほど紹介した「マイクロミニ」や「ボンテージパンツ」などと並んで歴史的価値のあるアイテムだと思いますね。
F:クッションかと思いましたがファッションアイテムなんですね。どちらで購入を?
ベイビーマリー:これは名古屋の私のお店(Faline)で1990年代に取り扱っていたんです。元々はヴィヴィアン・ウエストウッドの正規取扱店として始めたので。
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