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【トップに聞く 特別編 vol.3】2024年の振り返りと2025年の展望は? ファッション&ビューティ大手27社にアンケート

【トップに聞く 特別編 vol.3】2024年の振り返りと2025年の展望は? ファッション&ビューティ大手27社にアンケート

 FASHIONSNAPの新春恒例企画、経営展望を発信する「トップに聞く」。今年は例年と趣向を変え、アンケート形式で実施。刻一刻と移り変わる経済状況の中で、更なる成長戦略を描く各社の展望は? コロナを経て経済活動が完全に戻り、訪日外国人で賑わった2024年の振り返りとともに、ファッション&ビューティ領域の大手27社のトップに聞きました。最終回となるvol.3は、2025年の景況や業績を伸ばすための重点施策、喫緊の課題などについて。

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アンケートご協力企業(五十音順)
アーバンリサーチ 竹村圭祐社長/I-ne 大西洋平社長/アイスタイル 遠藤宗社長/AOKI 森裕隆社長/アダストリア 木村治社長/SK-II 西田文彦事業代表/オンワード 保元道宣社長/花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏/クラランス 小山順子社長/コーセー 小林一俊社長/三陽商会 大江伸治社長/資生堂 藤原憲太郎社長CEO/ジュン 佐々木進社長/ジンズホールディングス 田中仁社長/ストライプインターナショナル 川部将士社長/デサント 小関秀一社長/TOKYO BASE 谷正人代表/BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント/ベイクルーズ 杉村茂CEO/ポーラ 小林琢磨社長/ミズノ 水野明人社長/yutori 片石貴展社長/ユナイテッドアローズ 松崎善則社長/ロクシタンジャポン 木島潤子社長/日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長/ワークマン 小濱英之社長/ワールド 鈴木信輝社長

質問15:2025年の景況をどうみていますか?

アーバンリサーチ 竹村圭祐社長

 賃上げやインバウンドなど、全体的には悪くないんじゃないかと期待しています。お客さまは、欲しければ価格にこだわらず買うし、そうでなければ安くても買わない傾向をコロナ以降顕著に感じており、しっかりとお客さまに気に入ってもらえる商品を提案できるかが鍵になると考えています。また大阪に関しては、万博によるトラフィックの増大にも期待しています。

I-ne 大西洋平社長

 中国市場の不透明感から、東南アジアへビジネスシフトが進むと考えます。拡大するヘアケア市場は、2025年も引き続き高い伸張率になると予想しますが、中でも、中・高価格帯アイテムの台頭が顕著になると思います。

アイスタイル 遠藤宗社長

 美容・化粧品業界に関しては、日本の状況は2024年に引き続き好調に推移するとみる。

AOKI 森裕隆社長

 プラスとマイナス要因が共存しており予測は困難ですが、インバウンド・サステナブル商品の開発・ECの成長により、アパレル市場は微増するものと予測しております。

アダストリア 木村治社長

 不透明な部分も多いが、成長の余地ありと捉えている。為替動向には引き続き、注意を払っている。さらに円安に振れた場合でも、オペレーション改善を続け、商品に付加価値をつけ、それに見合った上代で収益を確保していく方針に変わりはない。競合については、今まで以上に勝ち組と負け組に二極化していくと考えている。将来的に業界再編の動きもあるとみており、それはアダストリアにとってのチャンスとも捉えている。

SK-II 西田文彦事業代表

 この1年の市場はコロナ後の需要拡大が一巡し、成長が鈍化しています。この点には健全な危機意識を持っており、これまで以上に真剣に市場の活性化策を考え、果敢にチャレンジしなければならないと考えています。 一方で、成熟市場の可能性は無限大であると2024年の取り組みを通して確信したからこそ、引き続き2025年はプレステージスキンケアのみならずベースライン含め全体の客数を伸長させていきたいです。

オンワード 保元道宣社長

 2024年は、雇用・所得環境が改善するなど、景気の緩やかな回復傾向が見られました。一方で、世界各地で紛争の長期化、エネルギー価格や原材料価格の高騰等の影響により、依然として先行きが不透明な状況が続いており、アパレル業界においても、生活防衛意識のさらなる高まりによる消費者の節約志向が懸念されます。

花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏

 世界経済は、欧州や中東の地政学リスクや大国間の国際的な緊張によって回復が妨げられています。また、インフレの長期化と金融引き締めが消費や投資の回復を鈍らせています。日本では物価高が続く中で賃上げの動きが広がり、内需の回復が経済成長のカギとなっており、景況は依然として不透明な状況にあるとみています。

クラランス 小山順子代社長

 2025年の日本マクロ経済は、底堅く成長していくとみている。

コーセー 小林一俊社長

 今年度の日本市場は堅調に伸長すると予測していますが、昨年も震災や豪雨などにも見舞われ、また今後の少子高齢化社会を考えれば、楽観視できる状況にはないと捉えています。また、世界に目を向けても、紛争や気候変動による自然災害などが発生し、世界経済の不透明感はぬぐうことができません。だからこそ、心までも豊かにできる化粧品が果たす役割は重要なものと捉えています。「Your Lifelong Beauty Partner」として、美を通じて世界に寄り添い、一人ひとりの生涯を彩っていきます。

三陽商会 大江伸治社長

 横ばい。

資生堂 藤原憲太郎社長CEO

 グローバル全体で、市場の不安定な状況は今後も続くと想定しており、当社も成長を楽観視せず厳しい状況を踏まえた計画としている。

ジュン 佐々木進社長

 物価高騰、世界情勢不安、災害不安などの不安要素の高まりが、消費に大きな影響を与えると考える。

ジンズホールディングス 田中仁社長

 物流の分野では「2025年問題」と呼ばれる人手不足や物流費の高騰が予測され、小売業にも影響を与えると思います。また、グローバル市場ではデジタル技術や環境規制の進展により、新たな競争環境が生まれると見ています。こうした市況や構造変化に柔軟に対応し、ジンズが成長の機会に変えていくことが重要だと考えます。2025年はジンズにとってグローバル加速を実現していく非常に重要な年だと考えています。

ストライプインターナショナル 川部将士社長

 国内は、ますますアパレルに対する支出は減っていくと思う。その中で、淘汰される企業もある。しっかりとお客さまのニーズを捉え、価値の提供を行なっていく。

デサント 小関秀一社長

 引き続き、為替や物価高の影響で国内での消費の伸びは期待できないが、
インバウンドについては一定の消費が継続するだろう。

TOKYO BASE 谷正人代表

 インバウンドはさらに増え、東京や大阪中心部は盛り上がっていく一方、そうでない地域は引き続き、少子高齢化、人口減にともない厳しくなっていく。ダブルスタンダードが当面続くだろう。

BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント

 化粧品業界のトレンドは引続き大手<中小の構図が続くと考えます。スピード感ある商品開発やトレンド変化に対応した構造改革ができる会社が生き残っていく。

ポーラ 小林琢磨社長

 堅調に推移すると思っております。

ミズノ 水野明人社長

 予測が難しい時代になった。

yutori 片石貴展社長

 消費の二極化。プチプラだけでなく「質の良いもの」「ブランド力」を求める傾向が強まる一方で、コストパフォーマンスを重視する層の存在感も高まる。各ブランドで適切な価格設定を行うとともに、一部ブランドでは海外展開の強化などブランド力を高める戦略をはかり、事業部ごとに最適なアプローチを進める予定です。

ユナイテッドアローズ 松崎善則社長

 横ばいと予測しています。円安、物価高の影響が継続することが予想されます。米国がトランプ氏による新政権になることで輸入関税が増え、米中問題の影響度合いも大きくなるでしょう。一方、引き続き株高傾向で富裕層向けの消費意欲は高い上、インバウンドによる経済効果もあると考えます。

ロクシタンジャポン 木島潤子社長

 昨今の日本の円安と物価高で、お客さまのモノ選びの基準は一層シビアになり、本当に必要なものを吟味する、製品の背景にあるブランドの価値観を見極めるなど、深くこだわって買い物をするといった傾向はさらに強くなると思います。ロクシタンが1976年の創設から当たり前としてきたサステナビリティ活動とモノづくりの精神は、そんなお客さまにこそ選んでいただけるものだと感じています。まだまだ伝えきれていないロクシタンの伝統や革新などのブランドの本質を、これからのリブランディングを通してお届けしていきたいと考えています。

日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長

 コスメ市場は継続的に成長しており、当社も市場成長率を上回る業績を引き続き達成できるよう尽力してまいります。

ワークマン 小濱英之社長

 景況感は依然として厳しく、特に為替変動や物価高が家計や企業に大きな負担を与えていると感じています。原材料コストの上昇や輸送費の増加が続くなかで、消費者の購買意欲には慎重さが見られます。

ワールド 鈴木信輝社長

「悪化する」と見ている。物価上昇、そのほか先行き不透明な状況が継続する見込みの為。

質問16:業績を伸ばすための鍵や、重点施策は?

アーバンリサーチ 竹村圭祐社長

 社員の生産性向上とブランド価値の強化をメインで考えています。

I-ne 大西洋平社長

 ヘアケアは堅調に伸ばしながら、美容家電、スキンケアを急成長させる/東南アジアを中心にグローバル市場への種まきは引き続き実施。/M&Aも視野に入れ、調査を進める。

アイスタイル 遠藤宗社長

 春にローンチを予定している、データトリブンなブランド向けマーケティング支援サービスの拡大と、リテール事業の成長。

AOKI 森裕隆社長

 2025年の重点課題は3点です。①お客さまや時代のニーズに沿った商品の開発とマーケティングMIX、②サステナブルな取り組み強化、③店舗および本部の業務効率化とお客さま満足度向上に向けたDXの推進

アダストリア 木村治社長

 「グローバルワーク」を筆頭とするマルチブランドのSPA型事業を成長の基盤としつつ、「アンドエスティ」をグループ全体の成長のエンジンと位置付け、ファッションを軸とするプラットフォーム構築を進めます。さらにB2B新規事業を加速し、収益モデルを変えていきます。今春、「グローバルワーク」旗艦店を銀座に、OMO店舗の旗艦店 and ST 【TOKYO】を原宿にグランドオープンします。

SK-II 西田文彦事業代表

 プレステージスキンケア全体の客数を伸長させていきたい。引き続き、SK-IIの根幹であるピテラTMエッセンスを軸に、加えて今までSK-IIが蓄積してきたサイエンスと、クラフトマンシップを集約した製品を複数発売予定。特に春には、ブライトニングシリーズを刷新する。既存のお客さまはもちろん、新しいお客さまにも手に取っていただける、話題性、優位性に自信作なので、大いに期待している。 

オンワード 保元道宣社長

 中長期的な持続的成長に向け特に重視しているのが、ECの拡大、M&Aの有効活用、効率的な海外事業展開の3点です。2025年、私たちは「世界に、愛を着せる。」というメッセージを掲げ、さらなる挑戦に取り組んでまいります。このメッセージには、ファッションは世界の人々の心をつなぎ、世の中に愛と笑顔を広げる可能性を持っている、という信念が込められています。

花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏

 パーパスドリブンを軸とする“強いブランドづくり”とグローバル化の加速。そして、それを下支えする花王グループの総合力を活かした化粧品事業の効率性をさらに高めていくこと。

クラランス 小山順子代社長

 2025年はクラランス日本上陸40周年。また、ダブル セーラムが誕生して40周年となります。新製品やリニューアル製品の発売も予定。情熱と思いやりを持って結果にこだわる企業として、社内外のメンバー一丸となって取り組んでいきたいと考えております。

コーセー 小林一俊社長

 日本での盤石な事業基盤の構築、より一層現地のお客さまに寄り添った「脱・自前」によるグローバル戦略の取り組みの推進、「強い企業」に変革するための積極的な成長投資、経営効率の向上を進めていきます。

三陽商会 大江伸治社長

 次期中期経営計画での更なる飛躍に向け、重点課題として「商品力」と「販売力」の抜本強化に取り組む。

資生堂 藤原憲太郎社長CEO

 「ブランド力の基盤強化」と「高収益構造の確立」の2つを柱とし、変化が激しい市場環境であっても安定的な利益拡大を実現するレジリエントな事業構造を構築する。今後2年はブランドの選択と集中に取り組む。売上高1000億円を超える規模の 「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ(Clé de Peau Beauté)」、「ナーズ(NARS)」を今後の「コア3ブランド」、次の売上高1000億円ブランド候補として、「アネッサ(ANESSA)」、「ナルシソ ロドリゲス(narciso rodriguez)」、「イッセイ ミヤケ パルファム(ISSEY MIYAKE PARFUMS)」、「エリクシール(ELIXIR)」、「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」を、「ネクスト5ブランド」と位置づけ、当社が持つ研究・技術に立脚したブランド価値の先鋭化、ヒーロープロダクトに集中したマーケティング強化を行う。カテゴリーとしては、サンケアとフレグランスを戦略的に強化する。

ジュン 佐々木進社長

 構造改革/企画力、営業力、販促力などの基礎体力の強化。

ジンズホールディングス 田中仁社長

 グローバル進出のさらなる拡大。

ストライプインターナショナル 川部将士社長

 前年と変わらず、よりよい商品、よりよい購買体験を追求し続けること。また企業として、より効率的な効果的な仕組みを改善し続けること。

デサント 小関秀一社長

 自社工場や研究開発拠点を生かした、当社にしかできない商品づくりと、「デサント」ブランドの直営店を中心としたDTCビジネスの強化。

TOKYO BASE 谷正人代表

 新業態の開発と成長、海外含む新規エリアへの出店、それに伴う社員の育成。

BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント

 ニッチなカテゴリーにも積極参入することと、美にまつわる化粧品まわりの商材も含めたトータル展開。

ポーラ 小林琢磨代表取締役社長

 顧客接点拡大:一人ひとりのお住まいの地域や生活行動、価値観に合わせて、より顧客の利便性を高める/大都市圏にランドマークとなるサロンを新たにオープン。新サロンモデル専用のエステサービスを導入し、パーソナルな美容体験で顧客とのエンゲージメントをさらに向上/ポーラのトップに位置付ける旗艦店「ポーラ ギンザ」をリニューアル。最上級の体験を届けるため、3月末に改装のためクローズ・今秋オープン予定/化粧品専門店出店(2025年末までに30店舗に出店<24年末時点で9店舗>)/他社との提携によるオンライン出店を拡大、現状の下記ECサイトに加え、オンライン出店を加速(公式Amazon、ZOZOCOSME:前年比 113.4%<24年1月~9月>、アットコスメショッピング(計画比 175.5%<2024年8月30日オープン~9月>) 

 ポーラ プレミアム パスのマーケティングへの活用をさらに加速:よりパーソナライズされた顧客体験の提供によって、 継続的にポーラをご愛顧いただける関係性づくりを促進。

ミズノ 水野明人社長

 国内:基盤である競技スポーツにおいて、商品力・営業力・ブランド力をさらに高め、そのブランド力を最大活用して、戦略ドメインであるワーク、スポーツサービス、スポーツスタイル、新規事業での成長を図る/チームビジネス拡大と営業DXによる生産性向上

 海外:ゴルフ、ランニングに加え、サッカーを新たな成長カテゴリーとして強化/タイ、マレーシア、NZ、ブラジル、ベトナムに現法設立、直接的に関与し成長スピードアップ/中国、ブラジル市場では現地パートナーと連携を深め、さらなる成長を図る

 共通:イノベーションセンター"ME"を拠点に、高付加価値商品・サービスの開発をスピード感を持って進める。また共創やイノベーション創出への取組を強化し、新領域にもチャレンジ/自社ECチャネル強化とそれによる利益率の向上。

yutori 片石貴展社長

 業績を伸ばす鍵は、新たな事業部の売上を伸ばすこと。特に韓国事業部やコスメ事業部の展開を軌道に乗せることが重要と考えています。また、yutori社内の各ブランド、各事業部が自立した運営体制を確立できるよう、組織の強化を進めていきます。

ユナイテッドアローズ 松崎善則社長

 新規ブランドの立ち上げと既存事業の成長拡大。新規顧客とリピート客を増やすことをベースに、新ブランドの販促施策をしっかりとしていくことが鍵かと思います。

ロクシタンジャポン 木島潤子社長

 リブランディングではロクシタンの生まれ故郷であるオートプロヴァンスに根付く上質感を製品デザインや店舗デザインにも積極的に採用し、さらに高品質なブランドイメージを構築していきます。また、刷新された新たなブランドイメージをしっかりと新ターゲットの皆さんに認知してもらえるよう、イベントをはじめとする“ブランドを体験する場”を積極的に提供していきたいと考えています。また、製品軸では薬用アンチヘアロスセラムに引き続き、ヘアケア・スキンケアにもさらに注力すべく、昨年一部の店舗に導入した肌・頭皮測定器を全店レベルでの導入に拡大予定です。パーソナライズされたカウンセリングに基づいた製品提案をすることで、ATVのアップや来店頻度の向上というポジティブな結果が出ており、今後のケア物によるビジネスの牽引につながると信じています。

日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長

DX、CXなど業績を伸ばすための鍵は多岐に渡ります。

ワークマン 小濱英之社長

 業績を伸ばすための鍵は、引き続き客層の拡大に注力することです。ワークマン、ワークマンPlus店は「ワーク強靭化」、#ワークマン女子店は「快適普段着(大人カジュアル)」を政策コンセプトとして進めていきます。コアユーザーであるプロ職人向けには新たな機能性を追加しデザインをリニューアルすることで強靭化を図ります。#ワークマン女子店では日常で着られるアパレルにも注力することで一般のお客さまの獲得を目指します。

ワールド 鈴木信輝社長

 昨年、特に下期から種をまいた施策を形にしていく。グループの3事業「ブランド」「デジタル」「プラットフォーム」それぞれを伸ばす。
ブランド事業:変化するお客さまのニーズや気候に対応するMDの再構築。
デジタル事業:「BtoBソリューション」「BtoCネオエコノミー」双方の成長加速。また好調な二次流通の更なる拡大。「ラグタグ」初となる海外出店の成功。
プラットフォーム事業:ワールドグループが培ってきたさまざまなノウハウと仕組みを活用した、プラットフォームの外部企業へのオープン化の更なる推進のほか、2月に連結子会社になる三菱商事ファッションにより、BtoB事業を徹底強化する。

質問17:「改革」しなければならない喫緊の課題は?

アーバンリサーチ 竹村圭祐社長

  ブランド価値の強化です。社員が本当にかわいい、かっこいいと思える商品でないとお客さまには響かないと思っています。企画から販売段階まで、そこを徹底していきます。そのために、社員全員の日々の仕事のやり方の見直しに重点的に取り組みます。特にマネジメント層が、もっと自由に動き回り、よりスピーディに状況に対応していけるようにしたいと考えています。

AOKI 森裕隆社長

 スーツに比重をおいたビジネスモデルから、カジュアル・レディース等を含めた「LIFE&WORK STYLE」への進化(スーツ専門店からの脱却)。

アダストリア 木村治社長

 国内の人口減少や過疎化、人出不足などが、アパレル業界にも大きな影響を与えるなか、アダストリアグループの事業構造を、5年から10年位で大きく変えていく必要があると、経営全体で話しています。また、コスト管理と効率化、特に物流と調達の強化が急務だと考えています。これにより、全体の生産性を向上させ、持続可能な成長を目指します。生産も含めたバリューチェーンを持っていることを活用し、引き続き、お客さまに選んでいただける高付加価値な商品を展開していきます。

SK-II 西田文彦事業代表

 SK-IIの製品の優位性は伝わっており、「いつか使ってみたい」という購入意欲も非常に高いということがわかっている。一方で、ちょっと敷居が高い、価格帯が合わないなどで躊躇する方も多い。価格に対する便益や付加価値をますます分かりやすく、今のお客さまが触れているタッチポイントでSK-IIらしいやり方でお伝えしていく。また美容部員「スキン エキスパート」が、しっかりとお客さまごとのお悩みにお答えして、お客さまの後押しをできるようなカウンセリング力を身につける。 

オンワード 保元道宣社長

 多様化するマーケットや気候変動に対応した商品・サービスの提供が重要であると考えます。

花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏

 グローバル成長ブランドに位置付ける6ブランドのさらなる成長とロイヤリティーブランドの強化に加え、花王グループの総合力を活かして化粧品事業の効率性をさらに高めていくこと。

クラランス 小山順子社長

 クラランスは、フランス、ヨーロッパにおいてNo.1のスキンケアブランドであるが、日本での認知度はまだ低い。より多くのお客さまにクラランスの素晴らしい製品を知っていただきたいと感じている。

コーセー 小林一俊社長

 グローバル戦略における自前主義からの脱却、稼ぐ力の向上。

三陽商会 大江伸治社長

 「商品力」と「販売力」の抜本強化。

資生堂 藤原憲太郎社長CEO

 持続的成長を実現するため、リージョン毎に事業基盤の再構築を行っていく。

ジュン 佐々木進社長

 企画力、営業力、販促力などの基礎体力の強化。

ジンズホールディングス 田中仁社長

 グローバル進出のさらなる拡大を推し進めるために、これまで各国に最適化してしまっていたあらゆる点において、グローバル全体で一本化を進めてまいります。

ストライプインターナショナル 川部将士社長

 よりよい購買体験の追求。

デサント 小関秀一社長

 気候変動に見合った品揃えに調整すること。

TOKYO BASE 谷正人代表

 2024年に新経営体制に伴い、改革済み。

BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント

 AI導入による業務の飛躍的な効率化。

ポーラ 小林琢磨社長

 ポーラ独自の高いブランドエクイティを活かした​顧客数、LTVや売上の拡大。

ミズノ 水野明人社長

 課題は複数ある。

yutori 片石貴展社長

 オフィス環境の整備です。アパレル企業としてブランド数が増加する中、オフィス内の環境が乱れがちで、働きやすさや秩序が保たれていない状況があります。きれいに整ったオフィス環境を維持することで、より効率的な業務遂行につなげたいと考えています。

ユナイテッドアローズ 松崎善則社長

 商品生産のさらなる安定化に向けた中国以外の、主にASEAN地域における生産背景の構築。成長拡大に向けた人材確保と投資策。子会社のコーエンと海外事業の収益向上です。

ロクシタンジャポン 木島潤子代社長

 ブランドエレベーションを進めていくにあたり、これまでとやり方を変えていく必要があります。そのためにまずは全社員でヴィジョンを共有し、達成に向けて一人ひとりがこれまでのやり方に縛られず「当たり前を打破する」というマインドとチャレンジ精神を持つことが重要だと感じています。

日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長

 お客さまの要望に沿ったCXに注力し続けることです。

ワークマン 小濱英之社長

 喫緊の課題は、優秀な人材の確保です。労働市場が厳しさを増す中で、働きやすい職場環境の整備をすることで優秀な人材に選ばれる企業を目指します。

ワールド 鈴木信輝社長

 プラットフォーム事業の更なる売上拡大に向けた営業体制強化とブランド事業の変化対応の徹底。端境期における売上成長の踏み込んだ改善など。

質問18:印象に残った業界関連ニュースは?

AOKI 森裕隆社長

 「パジャマスーツR」が日本ネーミングアワード2024で優秀賞(部門2:アパレル・化粧品・雑貨など)を受賞。

アダストリア 木村治社長

 「M&A関連ニュース」。業界再編を感じます。

SK-II 西田文彦事業代表

 お客さまの美容/肌への関心、そして知識レベルも年々あがっていると感じる。美容医療もより身近になっており、お悩みの内容に合わせスキンケアと美容医療を掛け合わせる人も増えている。選択肢が豊富になる中で、スキンケア商品への期待値が高くなっており、化粧品にはより高い効果実感、体験を求められていると感じている。一方で、長く名品といわれる製品を提供しつづけているブランドへの安心感や信頼感を感じるというのも聞かれるようになった。これはまさにSK-IIの強みであり、我々が大切にしているお客さま起点のブランド体験と、店頭体験の両方を進化させ、提供していくことが一層求められていると確信している。 

オンワード 保元道宣社長

 暑く長い夏によって、ファッションを根本から考えさせられた1年でした。

花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏

 物価上昇と高付加価値化。原料費、固定費の高騰と同時に、生活者も更に高機能、高品質、パーソナライズ化された製品を求める傾向が強まり、化粧品市場自体が成長している。これは大きな転機とチャンスだと捉えています。

クラランス 小山順子代社長

 中国の景気減退により、トラベルリテール(免税店限定)や中国市場、インバウンドの売上に依存していたブランドは打撃を受けている。やはり基本に立ち返り、一人ひとりのお客さまに向き合い、丁寧な接客を積み重ねていくことが重要であると感じている。

コーセー 小林一俊社長

 コロナ禍が明け、日本市場が復活したこと。

三陽商会 大江伸治社長

 ワールド、三菱商事ファッションの子会社化 /オンワード樫山のWEGO子会社化。

ストライプインターナショナル 川部将士社長

 円安。

デサント 小関秀一社長

 “長い夏”や猛暑、暖冬といった気候変動。

TOKYO BASE 谷正人代表

 ファーストリテイリング3兆円突破、ドン・キホーテ2兆円突破。

BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント

 J-beautyの弱体化とK-Beautyの長期隆盛に関する記事多数。

yutori 片石貴展社長

 特になし。

ユナイテッドアローズ 松崎善則社長

 さまざまなブランド、企業、繊維系商社の再編です。

ロクシタンジャポン 木島潤子社長

 ロレアルのイソップ買収/コーセーのパンピューリ買収。大手化粧品企業がウェルネスビューティを掲げるブランドを買収していることからも、お客さまのウェルビーイングのニーズが高まっているのを実感します。コンペティティブになることも予想されますが、ロクシタンが提供している本質的な価値はまさにそこなので、今進めているリブランディングはまさに好機であると捉えています。

日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長

 インバウンド観光客が2019年を超えて過去最高記録を更新したことです。日本の国全体としてのブランド力を評価する国際的な調査結果も多く、日本の美の力、ジャパン・ビューティが再評価される年となったことを嬉しく思いました。

ワークマン 小濱英之社長

 印象に残った業界関連ニュースは、ユニクロ新宿店の開業です。国内外から注目を集めるこの店舗は同じアパレル業界として大いに刺激を受けました。

質問19:日本の政治に物申したいこと

アイスタイル 遠藤宗社長

 ともに日本を元気に!

アダストリア 木村治社長

「人口は国力」
海外出張に行くと、国力が落ちている事を感じます。弱い円に関しては、円換算すると買い物もできない。先日はインド出張に行きましたが、人口のエナジーパワーを感じました。

クラランス 小山順子代社長

 迅速な判断、決定、かじ取りをして行かないと、日本の少子化は歯止めなく進んでいく。より日本の経済発展のために、政府主導で特にデジタル人材の育成に取り組んでほしい。

ジュン 佐々木進社長

 日本の政治には期待しておりません。

TOKYO BASE 谷正人代表

 特になし。

BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント

 諸外国に負けない世界で勝てる日本にするためのバックアップと、利権まみれの複雑化した規制の簡素化。

ミズノ 水野明人社長

 スポーツ庁に対する国家予算をもっと増やしたらどうかと考えます。

yutori 片石貴展社長

 特になし。

ユナイテッドアローズ 松崎善則社長

 丁寧に誠実にお願いします(笑)。

ワークマン 小濱英之社長

 少子化対策をお願いしたいです。


■トップに聞く 特別編(全3回)
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