FASHIONSNAPの新春恒例企画、経営展望を発信する「トップに聞く」。今年は例年と趣向を変え、アンケート形式で実施。刻一刻と移り変わる経済状況の中で、更なる成長戦略を描く各社の展望は? コロナを経て経済活動が完全に戻り、訪日外国人で賑わった2024年の振り返りとともに、ファッション&ビューティ領域の大手27社のトップに聞きました。vol.1は、2024年の業績やヒットアイテム、価格改定などについて。
目次
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アンケートご協力企業(五十音順)
アーバンリサーチ 竹村圭祐社長/I-ne 大西洋平社長/アイスタイル 遠藤宗社長/AOKI 森裕隆社長/アダストリア 木村治社長/SK-II 西田文彦事業代表/オンワード 保元道宣社長/花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏/クラランス 小山順子社長/コーセー 小林一俊社長/三陽商会 大江伸治社長/資生堂 藤原憲太郎社長CEO/ジュン 佐々木進社長/ジンズホールディングス 田中仁社長/ストライプインターナショナル 川部将士社長/デサント 小関秀一社長/TOKYO BASE 谷正人代表/BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント/ベイクルーズ 杉村茂CEO/ポーラ 小林琢磨社長/ミズノ 水野明人社長/yutori 片石貴展社長/ユナイテッドアローズ 松崎善則社長/ロクシタンジャポン 木島潤子社長/日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長/ワークマン 小濱英之社長/ワールド 鈴木信輝社長
質問1:2024年を振り返り、一言で表すと?
アーバンリサーチ 竹村圭祐社長
社長交代から1年経ち、ようやくスタート地点に立てた。
I-ne 大西洋平社長
「決断」
たくさん決断しました。1つはスキンケアブランド「トゥヴェール(TOUT VERT)」の100億円規模のM&A。地政学的リスクにより中国から撤退し、他へのリソース集中を決断した年でした。
アイスタイル 遠藤宗社長
好調でした。
AOKI 森裕隆社長
「ビジネスカジュアル・レディースの成長」。
アダストリア 木村治社長
"暑かった秋"。
SK-II 西田文彦事業代表
(LXP)金継ぎ。
オンワード 保元道宣社長
お客さまのニーズに真摯に向き合い、ブランドの成長やOMO推進を通じて、着実な進歩を遂げることができた1年。
花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏
希望の光。
人々の外出機会、化粧品の使用機会増加など、COVID-19の影響から戻すべきものは戻せましたが、一方、コロナ禍で変化した購買の質や行動への新たな課題が浮き彫りになりました。
クラランス 小山順子社長
「伝統と革新」(伝統=ブランド創業70周年、革新=人気製品「ダブル セーラム」、「フィックス メイクアップ」、「ボディ フィット」のリニューアル)
クラランスを支える、スキンケア、メイクアップ、ボディケアの3軸を代表するアイコニックな製品が、創業70年の記念すべき年にリニューアルし、新発売となりました。
コーセー 小林一俊社長
中国市場や免税事業の不振を好調な日本市場の売上でカバーした1年でした。一方で利益については課題が残っており、新しい成長の種に投資していくためにも「稼ぐ力」に磨きをかけていきます。日本でしっかりと稼ぎ、世界に投資する良い循環を生み出していきたいと考えています。
三陽商会 大江伸治社長
リベンジ消費の反動、天候要因、円安などにより比較的厳しい1年だった。
ジュン 佐々木進社長
苦難と躍進。
・「SUPER LUXURY」か「LOWEST PRICE」かという消費者の二極化がさらに進行。
・「サロン アダム エ ロペ(SALON adam et ropé)」、「ビオトープ(BIOTOP)」、「サタデーズ ニューヨークシティ(SATURDAYS NEW YORK CITY)」など、お客さまの期待を超える「良いもの」の需要に応えている事業が好調。新たな取り組みとして、ジュンならではのカルチャーの発信につながるNetflixとの協業や、モントーク跡地に開業した新業態「V.A.」も好調であった。
・一方、「ロペピクニック(ROPÉ PICNIC)」、「ビス(VIS)」などのカジュアルブランドは低調。
ジンズホールディングス 田中仁社長
店舗スタッフを中心に社員一丸となることで、過去最高益・最高売上を達成しました。
ストライプインターナショナル 川部将士社長
グッドサプライズ!
ストライプホールディンスは、2024年9月に新しい提供価値を策定。「グッドサプライズ創造業」としてお客さまに価値を届けていく。
デサント 小関秀一社長
ブランディング強化に向けて種まきができた1年。
TOKYO BASE 谷正人代表
新生TOKYOBASEスタート。
BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント
大躍進。
ベイクルーズ 杉村茂CEO
会社としては増収で業績としては決して悪くはないが、極めて高い目標を設定しているため、クリアはしていない。その高い目標を超えるには1つの取組みでは越えられないし、反省点も複数にある。
ポーラ 小林琢磨社長
飛躍の可能性。
ミズノ 水野明人社長
オリンピックが開催され、日本選手団の活躍がありスポーツが明るい話題を提供してくれた1年だった。すぐに売上に結びつくことはないが、サポートチームや、選手の活躍でブランドが露出することで、ブランド価値向上につながる。赤外線防透け生地『ドライエアロフローラピッド』など、我々の商品優秀性をアピールする最高の舞台となった。
yutori 片石貴展社長
上場からちょうど1年が経ちましたが、まさに「種まき」ができた1年だったと思います。
ユナイテッドアローズ 松崎善則社長
「コンテ(conte)」、「ATTISESSION(アティセッション)」、「ユナイテッドアローズ ビューティ(UNITED ARROWS BEAUTY)」などの新規事業がスタートし、顧客の幅を広げることができた1年でした。
ロクシタンジャポン 木島潤子社長
2024年は「飛躍に向けた準備期」であったと捉えています。薬用育毛美容液アンチヘアロスセラムをはじめとするヘアケア、またスキンケアにフォーカスし中長期的な売り上げの足元を固めたほか、2026年にブランド50周年を迎えるにあたり、ブランド生誕の地オートプロヴァンスに根付く物質的ではない本質的なラグジュアリーを前面に打ち出すリブランディングに取り組み始めました。来年の50周年だけでなく、更なる50年先さえも見据えたブランド価値向上の基盤づくりのための1年となりました。
日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長
Japan shines(日本は輝かしい成果を収めました)。
ワークマン 小濱英之社長
「粘」(粘り強さ)
2024年を振り返ると、「粘り強さ」を実感する1年となりました。猛暑の影響で春夏製品を順調に消化し、台風の多発で雨関連商品も好調に推移しました。一方、円安や物価高など厳しい外部環境にも直面しましたが、価格の見直しや商品改廃などの施策を粘り強く実施することで売上を確保。海外仕入れに関わる利益を前年水準に維持することができました。また、秋冬製品の生産調整によって全社在庫の適正化を進めるなど、効率的な運営体制も整備いたしました。
この「粘り強さ」は、外的要因に影響されることなく、計画を柔軟に見直しながら堅実に成果を上げた証です。困難に直面しながらも、一歩一歩確実に前進を遂げたこの姿勢を次年度以降も大切にし、さらなる成長へとつなげていきます。
ワールド 鈴木信輝社長
ワールドグループの次なる成長を見据え種まきを行った1年。
質問2:業績に大きく影響した、最も手応えのあった取り組みは?
アーバンリサーチ 竹村圭祐社長
夏物を鮮度を保ちながら供給することで、無駄な値引きを防ぎながら、秋までしっかりと販売できたことです。
I-ne 大西洋平社長
「ヨル(YOLU)」の新バリエーションやボディ系の展開、リニューアルした「ボタニスト(BOTANIST)」などヘアケアの取り組み、中高価格帯を打ち出した美容家電、スキンケアブランド「リンクフェード(WrinkFade)」を医薬部外品としてリニューアルしたことなどです。
アイスタイル 遠藤宗社長
リテール事業の成長がドライバーになった。浦和美園・博多・札幌・金沢と、新店舗の出店および既存店舗の拡張リニューアルが続いたが、どれも好調に推移している。また、全社を挙げて取り組んでいる「@cosme BEAUTY DAY」や「@cosme SPECIAL WEEK」といったEC・店舗の大型イベントがともに成功したことも大きい。特に12月1~3日に開催した「BEAUTY DAY」は6年目にして、EC・店舗を合わせた流通総額が30億円を超える規模にまで拡大した。こうしたリテール事業の成長は、ユーザー行動を蓄積した「@cosme」のデータベースの充実にもつながっていくため、今後力をいれていくユーザーデータを活用したブランド向けのソリューション事業の成長にも良い影響を与えていくと考えている。
AOKI 森裕隆社長
・見ためスーツ、着心地パジャマの「パジャマスーツR」。
・カジュアルが好調に推移しています。
・働く女性のための高機能レディースブランド「ミワク(MeWORK)」の立ち上げにより、新規客層の獲得に成功しました。
・疲労回復ウェア「リカバリーケアプラス」をWEB限定販売から全店店舗販売へと拡大しました。
アダストリア 木村治社長
2024年にサービス開始から10周年を迎えた自社ECモール「and ST」の強化が業績に寄与しています。昨年、株式会社アンドエスティを立ち上げ、アダストリアから独立させることで、これまで以上に他社商品の取扱いをオープンに進めています。現在の流通総額は360億円、会員数は1920万人を突破。2030年には流通総額1000億円を目指します。
①「スタッフボード」
店舗スタッフが自分のコーディネートを投稿する人気コンテンツ「スタッフボード」。参加スタッフは約4000人、SNSの総フォロワーは1150万人、毎日約2500件以上の新しいスタイリングが投稿され、EC売上の30%がスタッフボード経由です。
②「オープン化」
アダストリア以外の企業にも「and ST」に参画していただく「オープン化」も順調です。直近では20社25ブランドが新たに加わりました。これらの取り組みによって顧客基盤が強化され、売上の安定が図られました。
SK-II 西田文彦事業代表
日本のプレステージスキンケア市場は、世帯浸透率が一桁台で、依然としてまだまだ成長の余地がある。SK-IIは、客数を増やし、市場成長に導くことを最も重要視している中で、商品と店頭体験の価値を高め、独自成分ピテラTMに根差した基幹製品を育てていくということに取り組んできた。2024年はスキンケア市場拡大のけん引を目指し、スーパープレステージライン「SK-II LXP金継ぎ」の投入という大きな一手を打った。日本橋三越本館の外壁と1Fを金継ぎでジャックする、という過去最大級のローンチイベント、カウンター改装、カウンセリングの進化、専用催事用什器の変革などに取り組み、商品力、コミュニケーション、店頭体験の3つがまさに「金継ぎ」のように連動。国内のお客さまを広く獲得することができ、インバウンドの需要も取り込むことができた。
オンワード 保元道宣社長
「クリック&トライ」サービスを導入したOMO型店舗の拡大が大きく業績に寄与しました。
花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏
「ケイト(KATE)」のリップモンスターの継続伸長、「ソフィーナiP」リブランディング、「カネボウ(KANEBO)」の新たなフラッグシップとなる美容液の発売、「キュレル(Curél)」の新たな使用習慣提案パウダーバームなど、スター商品育成に向けた取り組みや、「センサイ(SENSAI)」の北欧チャレンジ・日本・中国・TRの一体運営は、特に手ごたえがあった。また、ケイト、カネボウの海外KOL招致イベントや「モルトン ブラウン(MOLTON BROWN)」のインドネシア進出、キュレルの欧州本格展開開始など、海外展開の強化にも注力した1年だった。
クラランス 小山順子社長
クラランスを代表する美容液「ダブル セーラム」のリニューアル発売。1985年の発売以来40年間、常に先進のサイエンスで進化し続ける「ダブル セーラム」が、エピジェネティクス理論と植物バイオテック研究による革新的なテクノロジーを搭載して、8月に第9世代へとリニューアルを果たした。
また、「ダブル セーラム ADC」の発売を記念し、クラランス初のブランド ミューズに俳優の吉高由里子さんを起用。全方位エイジングケアを叶える、“タイムトラベル美容液”として話題になり、数々のベストコスメアワードも受賞。リニューアル前と比較し、発売直後から売り上げは2倍に伸長した。
コーセー 小林一俊社長
「薬用 雪肌精」や「ワン バイ コーセー(ONE BY KOSÉ)」の「セラムヴェール」のリニューアルが成功を収めるとともに、「コスメデコルテ(DECORTÉ)」の「リポソーム アドバンスト リペアセラム」や、「メイク キープ ミスト」が依然好調に推移するなど、ロングセラーアイテムの育成が図れました。結果、日本市場ではコロナ禍前の実績を大きく上回ることができました。
三陽商会 大江伸治社長
「粗利率の改善」「販管費のコントロール」「インベントリーコントロール」「財務改革」について一定の成果。
資生堂 藤原憲太郎社長CEO
日本では中心となるコアブランドがけん引し、好調を継続した。また、構造改革が奏功し、収益性と生産性の両面で着実に成果が出たことから、資生堂グループ全体の収益を支えることができた。
コアブランドとヒーロープロダクトに絞った育成が功を奏している。美容液でメイクする新発想の「ファンデ美容液」では、ブランド「SHISEIDO」と「マキアージュ(MAQuillAGE)」の2つのブランドから商品を発売しており、それぞれが大ヒットにつながった。「エリクシール(ELIXIR)」では、春に発売した「エリクシール デーケアレボリューション トーンアップ SP+ aa」から始まり、秋の新製品、倍速美容液「ザ・セラム」の好発進につながっている。
ジュン 佐々木進社長
ビオトープ
・お客様の期待を超える「良いもの」への需要に応えられている弊社事業の代表格。
事業単体で見ると、毎月予算比120~130%で推移しており好調。2025年は神戸、札幌での新規出店が決定。
ジンズホールディングス 田中仁社長
国内においてはオプションレンズ装着率を強化したことです。特に季節性商品は需要増も相まってメガネ一式の単価の押上につながりました。
ストライプインターナショナル 川部将士社長
「アース ミュージック&エコロジー(earth music & ecology)」が25周年を迎え、リブランディングを実施。それにより20代新規客の来店が増えた。
デサント 小関秀一社長
「デサント(DESCENTE)」ブランドのブランディング強化
・通年売れる人気商品の創出
・DTC強化
・定価販売
TOKYO BASE 谷正人代表
ECにおける恒常的なクーポンやタイムセール施策の完全停止により、粗利益率、営業利益率をUP。ブランド価値も健全化。
BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント
マスメディア&SNS販促強化によるブランド認知度向上。
ポーラ 小林琢磨社長
店舗、ECなど国内すべてのチャネルを共通で体験できるよう、顧客IDを統合した「ポーラ プレミアム パス」の登録者数の拡大と、活用推進。2023年6月~2024年9月の1年半弱で登録者数が100万人を超えた。ポーラ プレミアム パスにより、どのチャネルで購入いただいても1人のお客さまとして認識し、一人ひとりに合ったサービス提供が可能。ECのみで購入していたお客さまでも、同じIDでポーラのショップの肌分析やエステ予約が可能。さらに、ECで注文し、店頭で受け取る「Shop de Pick」を2024年11月に導入。チャネルをまたいだ購入体験が可能となっている。
2024年実績としては、ポーラ プレミアムパス登録者の方が、非登録者よりも、顧客平均単価や継続率が軒並み高いことがわかり、顧客体験価値の拡大につながっている。
ミズノ 水野明人社長
グローバルで考えるとフットボールビジネスが好調。スポーツスタイル(スニーカー)もグローバルで2桁成長を継続している。
yutori 片石貴展社長
yutori社のポートフォリオにおけるウィメンズ領域の拡大。
「ハーリップトゥ(Her lip to)」等のM&Aによる売上の大幅な増加や、20代女性をターゲットとしたウィメンズブランド「gull」の立ち上げが成功したことが、ウィメンズ領域における重要な成果になりました。
ユナイテッドアローズ 松崎善則社長
気温に対応した適切な商品供給です。猛暑、酷暑の夏が長期化する中、シーズンレスアイテムやファッション性が高いものを提案し、アイテムの拡充を図ることができました。
ロクシタンジャポン 木島潤子社長
売上という視点で言うと、前述の薬用アンチヘアロスセラムの成長が一番です。製品のポジショニングを薬用育毛美容液とし、育毛剤を前向きな美容製品としたことや、ターゲットを絞り込んだメディア運用によって大きく成長を遂げ、ブランドを牽引するベストセラーへと成長させることが出来ました。
また、ロクシタンでは創設当初より積極的にCSRに取り組んできましたが、昨年のローカルでの活動ではより多くの方にブランドの活動に賛同してもらえるよう、さまざまな取り組みを行ってきました。例えば、ロクシタンのサステナビリティ活動について知っていただき、興味を持った活動に投票してもらう事でロクシタンがお客さまに代わって関連の活動に寄付をするという、毎年6月に実施している「ロクシタン サステナビリティ月間」では、初めてSDG活動を行う大学学生団体のコミュニティを運営しているミラサス様との取り組みを行いました。ロクシタンの活動への理解を促すだけでなく、実際にどのようなアクションを取ればより多くの方に知っていただき投票を促すことが出来るのか、実際にアイディアを出し合い非常に有意義なコラボとなりました。また、海洋プラスチックごみを減らすために、プラスチックごみを燃料として世界一周を目指す「プラスチックオデッセイ」をロクシタンではサポートしているのですが、彼らとNPO法人グリーンバード様と共に学生を中心とするボランティアの皆さんと環境について改めて学びながら沖縄のごみ拾いも実施しました。サステナビリティへの高い意識を持つ未来ある若者が、ロクシタンの真髄とも呼べるCSRの取り組みに共感し積極的に参画してくださったことは、我々ブランドにとっても力強く、明るい未来を感じさせてくれました。
日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長
プラダ ビューティのローンチです。
ワークマン 小濱英之社長
2024年は新規OPENが37店舗、SB(スクラップアンドビルド)は17店舗、閉店23店舗と積極的な出店ができました。今年も継続して出店を強化していきます。
秋冬に開催した新製品発表会では、メディア関係者の来場者数が過去最高を記録し、大きな注目を集めました。特に、来店動機の喚起において大きな効果を発揮し、店舗での実売にも好影響でした。今後もこうした成果を基に、お客さまに商品の魅力を直接感じていただけるような機会を積極的に設ける予定です。
ワールド 鈴木信輝社長
ワールドならではの幅広い「事業ポートフォリオ戦略」で、互いの「つながり」により新たな価値創造を育んだ。プラットフォーム事業においては、成長性・収益性の両面を追求でき、デジタル事業ではサーキュラーエコノミーの集中で、総じて高い成長・利益を達成した。
質問3:反省点を1つあげるなら?
アーバンリサーチ 竹村圭祐社長
予想以上の高温だったこともあるが、秋物をしっかりと提案できなかったことです。
アイスタイル 遠藤宗社長
反省ということではないが、@cosmeのプラットフォーム内でのユーザー体験にはまだまだ進化の余地があると考えている。2024年は、生成AIを活用してクチコミの要約を表示する機能の追加などにトライできたが、2025年はもっとアップデートしていきたい。
AOKI 森裕隆社長
人件費増加による販管費増加分をカバーできるほどの売上総利益を確保できませんでした。
アダストリア 木村治社長
昨年10月、11月の想定を超える暑さへの対応です。天候不順への対応は季節MDの見直しをはじめ、各ブランドでしっかり進めていたものの、結果的には晩夏への対応が十分とはいえず、10月は今期ではじめて前年を下回る売上になりました。
アダストリアは30以上のマルチブランドのデータがあることが強みなので、今回の結果をしっかり分析し、来期に向けた準備を開始しています。
SK-II 西田文彦事業代表
SK-IIの製品の優位性は伝わっており、いつか使ってみたいという購入意欲も非常に高いということがわかっている。一方で、ちょっと“敷居が高い”、価格帯が合わないなどで躊躇する方が多くいる。エントリー的な価格帯で魅力的な製品を提供することが必須であると認識している。2025年春には、SK-IIのすそ野を広げていけるような製品のリニューアルを予定しているので、期待してほしい。
オンワード 保元道宣社長
気候変動対策に取り組んでいましたが、暑く長い夏は想定以上でした。どのような状況下でも楽しめるファッションを追求していきます。
花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏
中国市場の回復に対するアクション。市場規模として表面上は戻りつつあるが、外資系企業には厳しい状況が続き、早期の戦略見直しが必要となった。
コーセー 小林一俊社長
グローバル展開にスピードを出し切れませんでした。例えば、万国共通で展開できる商品の開発を進めたがゆえに時間を要したり、その国と地域の文化や嗜好性、信条に合致できる商品をなかなか生み出しきれなかったことがありました。結果、その市場攻略に時間がかかってしまったと捉えています。今後は“地域への最適化”をコアな考え方とし、現地起点のマーケティング・モノづくりやM&A、提携など、「脱・自前」による取り組みを積極的に進めていきます。
三陽商会 大江伸治社長
前年のリベンジ消費の反動や繰越品在庫減少に伴うセール売上不振、天候要因などにより売上目標未達。
ジュン 佐々木進社長
モデレートブランドの変革が遅れたこと。
ジンズホールディングス 田中仁社長
これまで以上に強化すべきことは、グローバルにおける連携です。昨年を「第二創業」と掲げ、グローバル化を加速するため、ヘッドクォーターと各国の連携強化を図りました。ただ、真のグローバルブランドになるためには、まだ連携の強化において取り組むべきことが多数あるため今年も注力してまいります。
ストライプインターナショナル 川部将士社長
季節変動への対応不足。長い夏、暑い秋は、予測をして準備はしていたが、消費マインドの変化まで十分に織り込めなかった。商品だけでなく、売り場や販促を見直していく。
デサント 小関秀一社長
中期経営計画で目標としていたDTC比率55%に対しての未達。
TOKYO BASE 谷正人代表
年間で見て中国事業の黒字化が遅れたこと。
BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント
メイクブランドへの注力が足りなかった。
ポーラ 小林琢磨社長
高いブランドエクイティや業界・市場からの評価が、顧客数やLTV、売上に結びつかなかったこと。
ミズノ 水野明人社長
欧州のランニングシューズ売上が減少したこと。ただし収益性は改善した。
yutori 片石貴展社長
若手クリエイティブディレクターの新規採用が少なかったことです。M&Aの強化や新規事業への取り組みに注力した結果、新規ブランドの増加には成功しましたが、若手クリエイティブディレクターの採用が少なかったことで、社内での新規ブランド立ち上げスピードがやや鈍化したと考えています。
来期は採用プロジェクトをさらに強化し、若手人材の採用に積極的に取り組んでいきたいと思います。
ユナイテッドアローズ 松崎善則社長
反省点は多々ありますが、中でも「コーエン(coen)」の業績を飛躍的に改善させることができなかったことが一番です。当社が「ニュートレンドマーケット」と位置付ける市場の中で競合他社よりも付加価値提供ができなかったことに反省が残ります。商品開発力にもっと磨きをかけ、コーエンでなくてはならない存在にしなくてはなりません。
ロクシタンジャポン 木島潤子社長
ギフトの領域拡大をやりきれなかったので、今年は強化していきたいと考えています。ロクシタンのハンドクリームはギフトとして根強い人気があり、メッセージ入りやご当地限定ハンドクリームなどの発売も行ってきました。その一方で、ハンドクリームギフトが定番化し新鮮味を感じられない方がでてきているのも事実です。そんな方たちに向けて新しいギフトの提案を積極的に仕掛けていきます。
日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長
当社製品に関するカスタマーエクスペリエンス改善が必要です。
ワークマン 小濱英之社長
9月・10月に気温が高かった影響で秋冬製品の販売が思うように伸びなかったことです。気候変動への適応力をさらに高め、需要予測をより精緻に行う必要があると痛感しています。今年に向けては、予測可能な範囲で季節ごとの需要の変動をきちんと捉え、商品のラインナップを考えていきたい。
ワールド 鈴木信輝社長
ブランド事業においては、対応できているブランドもあるものの、全般を通して気候変動に対応するMDの再構築が課題。
質問4:2024年の一番のヒット商品(ヒットブランド)は?
アーバンリサーチ 竹村圭祐社長
新規開発の「デー(dDdDdDd)」は予想以上に好調でした。当初の狙い通り、日本人のみならず 欧米系の人たちにも好調に受け入れられています。
I-ne 大西洋平社長
ヘアケアブランド「YOLU」が2桁成長(新バリエーションDeep、ボディケアアイテムが好調)。美容家電「サロニア(SALONIA)」が好調。
アイスタイル 遠藤宗社長
@cosme TOKYOでは、売上個数では韓国発「ナンバーズイン(numbuzin)」の「5番 白玉グルタチオンCふりかけマスク」、売上金額では「クレ・ド・ポーボーテ(Clé de Peau Beauté)」の「ヴォワールコレクチュールn」が2024年のヒットでした。また、韓国発「フィー(Fwee)」は新しいブランドながら店頭での注目度が非常に高く、大躍進しました。
AOKI 森裕隆社長
疲労回復ウェア「リカバリーケアプラス®(RECOVERY CARE+)」は2022年の発売以降好調に推移しております。2023年まではWEB限定で展開しておりましたが、2024年より店舗展開も開始。AOKIの新しい柱となるほど成長しています。
アダストリア 木村治社長
引き続き、主力ブランドの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が好調です。“まちがいない服”のコンセプトの下、ウツクシルエットやメルティニットなど、訴求ポイントが明確な商品が継続的に売れています。雑貨も取り扱う「ラコレ(LAKOLE)」も売り上げを伸ばしており、対前年で2桁成長を達成。Made in Japanの美濃焼シリーズの和食器などが好調です。
SK-II 西田文彦事業代表
9月にローンチした、最高峰エイジングケアライン、LXP 金継ぎ。 商品力、コミュニケーション、店頭体験の掛け合わせで大きな反響を獲得できた。メディアでも高い評価を得ることができ、現時点でベストコスメを58賞獲得。 初年度スーパープレステージ市場での存在感を示すことができたので、引き続き市場をけん引していくドライバーとして育成していく。
オンワード 保元道宣社長
各ブランドで成功事例も多く一概には言えませんが、ファッション関連事業では「23区」「アンフィーロ(UNFILO)」「カシヤマ(KASHIYAMA)」、ウェルネス関連事業ではバレエ用品の「チャコット(Chacott)」、ペット用品の「クリエイティブヨーコ」が伸長しました。
花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏
「カネボウ ルージュスターヴァイブラント」、「キュレル 潤浸保湿 パウダーバーム」、ケイトのリップモンスターなど。ブランドで言えば、センサイは前年比2割増の売上を達成。
クラランス 小山順子代社長
「ダブル セーラム ADC」。発売直後から売り上げが2倍に。クラランスを代表する、誕生から40年を迎える第9世代のエイジングケア美容液「ダブル セーラム」が先進の植物バイオテック研究をもとにリニューアルし新発売。2024年一番のヒット製品となりました。
コーセー 小林一俊社長
1985年に誕生した薬用 雪肌精を刷新し、2024年3月1日に発売した「薬用雪肌精 ブライトニング エッセンスローション」です。美白&肌荒れ防止の機能性と使い心地のよさで多くのお客さまから支持を集め、累計出荷本数は100万本を突破しました。
三陽商会 大江伸治社長
「ブラックレーベル・クレストブリッジ(BLACK LABEL CRESTBRIDGE)」のシャドークレストブリッジチェックカラミジャケット。
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Image by: 三陽商会
資生堂 藤原憲太郎社長CEO
「ファンデ美容液」である「SHISEIDO エッセンス スキングロウ ファンデーション」は発売から8ヶ月で累計出荷数50万個を突破。「エリクシール」では、「エリクシール デーケアレボリューション トーンアップ SP+ aa」が発売3週間で累計出荷数 27.5 万個を突破した。倍速美容液「ザ・セラム」 も、11月中旬時点で出荷数が68万個に達するなど好調に推移した。
ジュン 佐々木進社長
「サロン アダム エ ロペ」(ブランド全体として好調)。
※参考:他社、IPコラボのヒット商品
・オードリーヘップバーンコラボ
・MLBとのコラボレーションアイテム
・Netflix「地面師」Tシャツ
ジンズホールディングス 田中仁社長
強度近視の方を中心に多く寄せられるお悩みを軽減する「目が小さくならないメガネ」です。近視の視力矯正用レンズは度数が強くなるほど、「メガネをかけた時に目が小さく見える」「レンズの厚みが目立つ」「メガネ(レンズ)が重くなる」といったお悩みがあり、これらを軽減できるデザインに徹底的にこだわりました。
ストライプインターナショナル 川部将士社長
・ヒット商品:「アメリカンホリック(AMERICAN HOLIC)」の「UVカット+接触冷感カットプルオーバー」
・ヒットブランド:アース ミュージック&エコロジー
デサント 小関秀一社長
デサントのシェルジャケット「クレアス」。「水沢ダウン」に次ぐアイテムとして展開してきていたが、数年前から年々売れ行きが伸びている。入荷すると、すぐに売り切れてしまう商品に成長。機能性の追求はもちろん、PRや店頭での訴求にも注力し、ブランドの売り上げをけん引するアイテムに。
TOKYO BASE 谷正人代表
新業態「コンズ(CONZ)」が順調なスタート。CITY TOKYOのリブランディング成功。
BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント
「乾燥さん」。
ベイクルーズ 杉村茂CEO
「ドゥーズィエム クラス(Deuxième Classe)」、「AP ストゥディオ(AP STUDIO)」など、当社内で高価格帯となるマーケットのブランドや、「JOURNAL STANDARD relume」、「LETALON」などのターゲットを広く設定しているブランドは1年を通して好調に推移。
ポーラ 小林琢磨社長
美白美容液「ホワイトショット フェイシャルセラム」(医薬部外品)。「真皮落ちメラニン」に着目。真皮にまで落ちるメラニンを先手ケアできる全顔の美白美容液。メラニンの生成を抑えてシミ・ソバカスを防ぐ。肌荒れを防ぐほか、紫外線によるダメージをケアし、日やけ後のほてりを防ぐ、乾燥してくすんだ印象の肌にうるおいを与え、ツヤのある柔らかな肌に整えるなど、美白・美肌を目指す。
ミズノ 水野明人社長
ミズノスポーツスタイルシューズ。
yutori 片石貴展社長
2024年最もヒットしたブランドは「ナインティナインティ(9090)」です。これまでストリート事業部全体ではロゴアイテムが中心でしたが、春夏(SS)ではデニムをはじめとしたボトムス商品の構成比を増やしたことで、カットソーの需要が低迷した今春夏でもヒット商品を生み出すことができました。また、秋冬(AW)シーズンでは「9090」に加え、各ブランドでスウェットセットアップなどのアイテムが好調に推移し、ロゴアイテムが引き続き売り上げを牽引しました。さらに、インバウンド需要が回復したことで、店舗の売り上げは当初の見込みを大幅に上回る結果となりました。
今年は海外展開や出店を積極的に進め、ロゴやグラフィックの価値を長く維持する施策を強化していきます。
ユナイテッドアローズ 松崎善則社長
「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS green label relaxing)の「結論シリーズ」です。MEGUMIさんを起用したプロモーションをテレビCMやWEB広告等で行い、そこで提案した時代性商材とうまくリンクさせることができました。
ロクシタンジャポン 木島潤子代社長
8月に発売したダメージケアの「インテンシヴリペア」シリーズ。これまでロクシタンのヘアケアのベストセラーであった「ファイブハーブス リペアリング」シリーズの進化版として登場し、ナチュラリティを高めながらも髪へのリペア効果をアップさせ、さらにカラーリングの褪色抑制も叶えたことで、多くの方の悩みにこたえる製品として登場しました。シリーズの中でも特にヒットしたのはヘアオイル。夜に仕込めば翌朝ナイトキャップを被ったようなサラつや髪になれるとSNSでも話題となり、美容誌・女性誌でも多数のベストコスメを受賞。美容賢者の方からも高い評価をいただきました。新客獲得率もリピート率も高く、今年もヘアケアの主軸製品として注力していきます。
日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長
「ランコム(LANCÔME)」の「ジェネフィック アルティメセラム」です。
ワークマン 小濱英之社長
特殊断熱シートと吸光発熱断熱材を組み合わせ、外部環境を無効化する断熱素材「XShelterシリーズ」です。気候変動による外部環境の変化に対応したウェアとなっており、強みである「機能性」をさらに磨き、一層の差別化を図ることができました。
ワールド 鈴木信輝社長
「ラグタグ(RAGTAG)」や「ラクサス(Laxus)」といったサーキュラー事業の持続的な成長が業績をけん引。
ブランド事業においても、ワールドならではの幅広いポートフォリオで「成長性と収益性」のバランスが取れた持続的成長を追求。MD施策が奏功している「ドレステリア(DRESSTERIOR)」は継続して改善傾向のほか、直近では「オぺーク ドット クリップ(OPAQUE.CLIP)」や「グローブ(GLOVE)」「インデックス(index)」、新規ブランドとして「ギャレスト(GALLEST)」や「オブリオ(AUBRIOT)」、ジュエリーブランド「ココシュニック(COCOSHNIK)」も好調。
質問5:今年、価格改定の予定はありますか?
アーバンリサーチ 竹村圭祐社長
大幅な値上げや値下げは予定していません。
AOKI 森裕隆社長
産地調整や仕様の工夫などによる商品コストの低減、セールの見直しなどは行うものの、原価高騰が継続予想であり、一部商品では価格改定も検討する予定です。
アダストリア 木村治社長
来期の為替やコスト高なども注視したうえで決めていきます。現時点で具体的なお話は出来ませんが、ブランドごとに価格戦略を練っており、品質と価格の見直しの方針は引き続き、変わりません。
SK-II 西田文彦事業代表
今後の予測についてはお答えしかねます。SK-IIでは、定期的に各国における価格戦略の見直しを実施しています。インフレーションやその他の経済的要因等を考慮しながら、各国にて必要に応じて調整をしていきます。尚、SK-IIの店頭価格や、どのようなプロモーションを実施するかは、SK-II製品を販売する小売店さまによって最終決定されます。
オンワード 保元道宣社長
高付加価値商品へのニーズの高まりもあり、納得していただける価格と品質のバランスは常に追及していきます。
花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏
改良や新発売のタイミングで高付加価値な商品提案を行い、それに合わせた適正な価格設定にすることはある。
クラランス 小山順子社長
2025年1月15日に価格改定実施(値上げ)。
コーセー 小林一俊社長
原料高騰などの現況を鑑み、前例にとらわれず適切に対応していきます。
三陽商会 大江伸治社長
大きな価格改定(値上げ/値下げ)の予定なし。
資生堂 藤原憲太郎社長CEO
価格の見直しは今後も継続して取り組んでいく。
ジュン 佐々木進社長
値上げと値下げの両方予定あり。
・一部モデレートブランドにおいて、より価格競争力のあるエントリープライス商材を投入。
・中価格以上のブランドは、より高い価格帯の商材も展開。
ジンズホールディングス 田中仁社長
現在予定しておりません。
ストライプインターナショナル 川部将士社長
なし。原価やさまざまな費用は上がっているが、企業努力を重ね買いやすい価格を維持していきたい。
デサント 小関秀一社長
一律値上げ、値下げということではなく、それぞれの商品の付加価値を高め価値に見合った価格に設定する。
TOKYO BASE 谷正人代表
特になし。
BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント
純粋な価格改定は無し。
ベイクルーズ 杉村茂CEO
価格を決めるのはアパレルの権利だと考えている。社員はもちろん、素材や縫製工場など、店頭に商品が並ぶまでには多くの人が関わる。それらの仕事の対価が商品価格だと考えれば、値引きばかりする状況は働く人たちの対価を削っているのと変わらないことになる。定価という考え方は我々の業態にはない。
ポーラ 小林琢磨社長
現在のところ、予定はございません。
ミズノ 水野明人社長
予定はあります。
yutori 片石貴展社長
検討中です。
ユナイテッドアローズ 松崎善則社長
円安、原材料費や物流費高騰などの影響を受けて、高価格帯のトレンドマーケットで展開する「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS)」などで全体的に数%値上げする見込みです。1点1点を見極め、ファッションの高揚感が十分にあること、品質を担保したものであることが前提です。
ロクシタンジャポン 木島潤子代社長
未定です。
ワークマン 小濱英之社長
現状値下げは難しい状況ですが、常に「業界最安値」を意識した価格設定を行っていきます。2024年は円安の進行に伴い、一部商品の価格を見直し、収益を確保することができました。今後も為替動向を注視し、適切に判断しながら対応していきます。また、商品改廃や一部商品の価格改定を行うことで、収益の安定化を図る予定です。お客さまにご負担をかけないよう配慮しつつ、持続可能な価格維持に努めてまいります。
ワールド 鈴木信輝社長
ブランド事業のポートフォリオも幅広いため、一律に値上げ・値下げという対応ではなく、状況に応じてブランド、商品毎に対応予定。
質問6:物流問題について見解は?
アーバンリサーチ 竹村圭祐社長
じわじわとコストが上昇している事は実感しています。一方、自社内でも(結果的にではあるが)無駄な商品の動きというのは多いです。それらをより合理的にすることで運送会社のみならず、 自社スタッフの業務軽減(生産性向上)にもつながると考えています。
アイスタイル 遠藤宗社長
特にコロナ禍以降、通販・EC業界が発展、浸透してきた中で、運送会社・EC事業者共に即日配送はじめ、利便性の向上やその維持のために色々と努力は重ねてきていると思います。そういった中で、物流問題をどう解決していくのかと考えてみると、今後は私自身も含めたユーザーサイドも「急ぎでない商品は、ゆっくり配送でも良い」といったような理解や協力も必要になってくるのではないかと感じています。
AOKI 森裕隆社長
人件費・燃料の高騰に伴う物流全般のコスト上昇、運送業界の人手不足が課題と感じていま す。今後のEC成長に伴い、宅配までのリードタイムが伸びてしまう可能性も懸念しております。
アダストリア 木村治社長
2024年問題や労働人口の減少といったさまざまな課題がありますが、自社で物流機能をもつ特色を活かして持続可能なロジスティクスの構築を目指しています。将来的にアンドエスティ流通総額1000億円、グローバルワーク売上高1000億円に向けた物流ネットワークの再構築と機械化を進めており、茨城西EC物流センターでは2022年にAGV(無人搬送ロボット)を導入して1日の出荷キャパシティを3万4000件まで拡大しました。
SK-II 西田文彦事業代表
P&Gグループとして、物流問題は業界全体の大きな課題と認識している。SK-IIでは、日本のお客さまに継続的に最高の製品と体験を提供すべく、デジタル化などを通じサプライチェーンの最適化に取り組んでいる。
オンワード 保元道宣社長
物流業者との取り組みにより大きな影響は出ていませんが、業界全体で取り組んでいく必要があると考えています。
花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏
消費人口の減少に伴い、市場が変化していく中で、労働力不足、コストインフレが続くとともにドライバー不足と働き方改革に伴う、物流効率化法の改正も施行されていく。小売業の上位集中が進行する中で、小売業やメーカー間の同業異業種の共同物流が進むなど、物流を取り巻く環境は大きく変化しており、花王としては、こうした変化に対応した持続可能な物流体制への変革が必要と考えている。
クラランス 小山順子代表取締役社長
物流2024年問題の影響で配送の融通性低下、働き方改革や最低賃金の上昇と連動した運賃上昇などのコスト増の影響を懸念。影響を最小限に食い止めるよう、自社内の業務効率を改善して対応。
コーセー 小林一俊社長
時間外労働の上限規制により2024年年末にはその影響が想定されたため、年初より作業時間の削減やトラック以外の物流網への切り替えなどを行い、遅滞なく配送することができました。ただし、物流コストは高水準が続くと見込まれていますので、引き続き、対策を講じていきます。
三陽商会 大江伸治社長
取引先からの値上げ要請はあるものの、在庫削減、共同配送などのコストマネジメントを実施している。
資生堂 藤原憲太郎社長CEO
現時点では懸念はないと考えている。
ジュン 佐々木進社長
現状事業に対する大きな影響はないが、物流コストの上昇は問題視している。
ジンズホールディングス 田中仁社長
人件費や物流費の高騰など、事業を行っていく環境としてコスト上昇圧力は中長期的にも続いていくと考えます。また、輸出入に関わる規制や関税等も考慮しながら、ビジネスをダイナミックに経営していく重要性が高まっています。その中で私たちが大切にしていきたいのは、ステークホルダーとWin-Winの関係を構築しながら、長期的視点で持続可能な物流体制を確立することです。具体的には、物流コストを抑制しつつ効率を最大化するために、グローバルサプライチェーンの最適化、パートナ-シップの強化、テクノロジーの活用を進めていきます。
ストライプインターナショナル 川部将士社長
1社では抗うことができない課題だととらえており、企業努力として、CO2排出量の削減やコスト削減に向けて業務の見直しを継続的に行っていく。
デサント 小関秀一社長
想定以上に早い時期に影響が出てきたという印象。前もって対応はしている。
TOKYO BASE 谷正人代表
これまで当たり前にやってきた物流費や現場作業負担になる。店舗間移動の頻度を大幅に見直す。
BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント
荷積み・荷下ろし作業軽減のためのパレット運用、発送日の集約化によるトラック数の削減により運用は効率化できているが、今後の更なる人手不足のためにも物流拠点の分散も検討し対応しています。
ベイクルーズ 杉村茂CEO
小売りを生業とする上で物流は生命線であり、労働力不足、ドライバー不足等でお客様にモノが届けられなくなる事は大きな懸念。状況に応じて柔軟に対応すべき問題だと考えている。
<倉庫> 拠点を拡張させることなく、最小のスペースで最大の能力を発揮できる倉庫へ進化させる。倉庫の天井高を活かした自動化を推進し労働力不足に対応。
<配送> 既に構築済みの自社専用の店舗配送網(首都圏、関西圏、名古屋)に加え、更なる導入地域拡大、他社との協同配送等も検討。ECはヤマト運輸と連携し置き配の導入も進めていく。 “無駄にモノを作らない、持たない、運ばない”仕組みをより突き詰める。
ポーラ 小林琢磨代表取締役社長
物流コストアップにつながる可能性があるとみています。
ミズノ 水野明人社長
<国内> 2024年問題や人件費高騰による物流コスト上昇(運賃、倉庫作業料など)。
<グローバル> 紅海での輸送日数増大、港湾スト(北米東海岸、ブラジル、イタリアなど)による混乱。
yutori 片石貴展社長
適切な需要予測および在庫管理の課題に対しては、新たなデータ管理システムを社内に導入し、消化率の予測精度を向上させることで、全社的に課題解決を図る予定です。海外展開に伴うサプライチェーン構築や越境ECの運営は複雑な側面を伴いますが、最適な方法を模索しつつ、着実に推進していきたいと考えています。
ユナイテッドアローズ 松崎善則社長
以前からの懸念事項が顕在化してきました。課題はドライバーさんの不足、物流倉庫のスタッフ確保の課題、それに伴う運搬コストの上昇です。商品の適切な値上げ、物流に対するデジタル投資、配送時間のリードタイムの長期化を推進していくことが必要です。
ロクシタンジャポン 木島潤子社長
昨年、2024年問題は話題となりましたが、実際のところは取引している物流会社さまのご尽力もあり、多少の物流コストのアップはありましたが、そこまで大きな影響はなかったと感じています。
日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長
ロレアルグループとして、2030年までに製品輸送に関わる温室効果ガスの排出量を2016年比で平均50%削減すべく、輸送手段や輸送ルート、輸送方法の見直しと実行を進めております。
ワークマン 小濱英之社長
物流問題についてですが、現在、効率的な物流体制の構築に力を入れています。2027年には岡山県に新たな物流センターを建設する予定です。これにより、商品の配送効率が向上し、配送車の負担も軽減されることが期待されます。また店舗への配送も安定し、製品供給体制の強化が図られます。これにより迅速かつ安定的な配送を実現し、サービス向上に寄与していく予定です。今後も物流の最適化を進め、お客さまや加盟店に対する更なる貢献を目指してまいります。
ワールド 鈴木信輝社長
以前より倉庫、システム面を見直しているが、以降も効率的な物流システムの構築やデジタル化を進めることで柔軟に対応し、顧客満足度を向上させていく。
質問7:中国景気の見方と、その影響についてどのように捉えていますか?
アーバンリサーチ 竹村圭祐社長
直接的な販売方面への影響は大きくないと考えていますが、生産方面の影響は中国における景気動向やアメリカの大統領交代による影響など、何かしら起こると考えていて、それには注視しています。
I-ne 大西洋平社長
さまざまな要因を鑑み、中国市場からは一旦、撤退を決定しました。
アイスタイル 遠藤宗社長
景気うんぬんというよりも、中国国内全体を見た際に、マーケットが多様化していると感じている。その中で、改めてお客さま一人ひとりに向き合い、多様化したニーズにどう応えていくのかが大事だと考えている。
AOKI 森裕隆社長
トランプ政権の実行施策が世界情勢に大きな影響を与えると予測されます。特に中国については成長鈍化予測であり、その影響は日本国内にも及ぶ可能性があると懸念しております。
アダストリア 木村治社長
中国景気については引き続き注意深くみています。消費動向は決して強いといえませんが、 EC拡大などにより、全四半期は売上・利益ともに計画を上回りました。昨年12月に「niko and…」南京西路店を「and STORE」として複合ブランドを扱う店舗にリオープンし、現在、お客さまの反応をみている状況です。
SK-II 西田文彦事業代表
訪日外国人の需要を引き続き取り込んでいく。1.中国にとどまらず、さまざまな国のお客さまに対しての接客力の底上げ、2.日本ならではの体験重視のショッピング体験の提供を強化していく。インバウンドのお客さまのニーズを捉えた製品にも挑戦していき、ここでしか買えない、日本特有の季節性を感じるものを作る。製品展開、販売員の販売スキルの底上げ、イントリップメディアへの訴求などが重要だと考えている。
※グローバルレベルでの中国市場動向については、お答えする立場にないため回答を控えさせていただきます。
オンワード 保元道宣社長
中国景気は停滞傾向ですが、オーダーメイドの生産拠点があり、フル稼働の状況です。販売は現地の文化や慣習を理解しているパートナー企業に担当いただくビジネスモデルを構築しています。
花王執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品社長 内山智子氏
中国の化粧品市場の成長は鈍化傾向にある。低価格帯は堅調だが、プレステージブランドは苦戦。一方で、中国国内が国潮傾向にある中で、日系をはじめとする海外ブランドが特に苦戦を強いられている。
クラランス 小山順子社長
中国の景気は減速すると見ているが、その影響は限定的である。引き続き、日本におけるインバウンド需要は増加していくと捉えている。中国の景気後退期にあっても、クラランスはブランドとその製品力により、引き続き中国でも多くの顧客のみなさまからのご支持を得てビジネスを堅持し、引き続き成長を見込んでいる。
コーセー 小林一俊社長
個人消費の低迷や中国ブランド台頭による競争激化など、中華人市場は今後も難しい局面が続くと見込んでいますが、当社にとって重要かつ大きなマーケットであることに変わりはありません。既存ブランドにおいては、ブランド価値を棄損しないよう過度な競争からは脱却し、販売戦略を見直します。他方、当社グループに新たに加わったピューリ社のホリスティックウェルネスブランド「パンピューリ(PAÑPURI)」は、中国の富裕層のお客さまからも絶大な人気を博しており、市場攻略の新たな矢として機能させていきます。
三陽商会 大江伸治社長
中国景気の回復遅れがインバウンド消費に影響している。
資生堂 藤原憲太郎社長CEO
市場規模などの可能性を考慮すると、当社にとって引き続き重要市場であることに変わりはない。ただし、市場の成熟化や節約思考の高まりもあることから、短期的にはマイナス成長と考えている。
ジュン 佐々木進社長
現状弊社事業に対する影響はないと捉えている。
ジンズホールディングス 田中仁社長
変化の激しい市場ですが、中国での展開においては質への転換期だと捉え、出店エリアの選定や赤字店舗の閉鎖を早急に行い、いち早く成長加速のフェーズに向けた出店をしていきたいと考えています。またこれまでは各国それぞれのマーケットで市場開拓を行ってきましたが、グローバルでの商品投入やノウハウの連携を強めることで、中国市場でのブランド構築を目指していきます。
ストライプインターナショナル 川部将士社長
予測できない事が多いので、発生都度状況を見極めて対応していく。
デサント 小関秀一社長
中国経済は停滞気味だが、「デサント」ブランドの販売状況を見る限り富裕層においては景気の影響はあまり見られない。
TOKYO BASE 谷正人代表
景気は決していいとは言えないが、店舗数も1桁店舗数なので、内部要因で何とでもなる。むしろ、このまま家賃が下がることを願う。
BCL 大村 和重カンパニーエグゼクティブ プレジデント
中国景気は短いタームで良くなるとは考えておらず、越境ECでの取り組みを強化することと、売上マイナス分は好調な欧米でカバー。今後はアジア圏でローカライズした商品も投入。
ポーラ 小林琢磨社長
中国に関しては、残念ながら引き続き厳しい経営環境を見越しており、不採算店については退店を計画に盛り込んでおります。一方、NextChinaに関してはASEANで事業伸長を果たしていきたいと考えています。
ミズノ 水野明人社長
景気の先行きが不透明というところで、しばらくこの状況が続くのではないかと考慮し、ECや直営店の売上に今後影響してくると考える。
yutori 片石貴展社長
中国はアパレル業界にとって主要な生産拠点ですが、賃金の上昇や環境規制の強化により、製造コストの増加が今後さらに深刻な課題になると考えています。一部では、中国以外の生産拠点を拡大する可能性も検討しており、その際には柔軟なコスト見直しを迅速に行える体制を整えたいと考えています。
ユナイテッドアローズ 松崎善則社長
富裕層といわれる不動産保有層は落ち着きが見られており、中国バブルは終焉を迎えたと考えます。一方で、中間層が増加し私たちのビジネス展開の可能性は広がっています。これを好機と捉え、2025年1月に中国本土としては初となる直営店を上海に出店する予定です。
ロクシタンジャポン 木島潤子社長
グローバルで展開するブランドのためインバウンドの影響は国産ブランドに比べるとそこまで大きくはないのですが、インバウンドが増えるにしたがってその影響はだんだんと大きくなってきています。特に中国の方を中心に、現地のベストセラーや、エリア・店舗限定(東京、大阪、京都)で展開しているご当地ハンドクリームに人気が集まっています。
日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長
当社は日本法人のため、中国事業に関する回答は差し控えます。
ワークマン 小濱英之社長
中国市場の動向を引き続き注視し、予測不可能な要因に対して柔軟に対応できる体制を整えることが、今後の重要な課題であると認識しております。
ワールド 鈴木信輝社長
現時点で不透明感があるものの、国際的な影響も大きいため、動向を注視しつつ柔軟に対応することが重要と捉える。生産機能においては、地政学的リスクも鑑みて東南アジアを中心にリスク分散を図る。
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