京都の元離宮二条城で7月13日夜、デザイナー小泉智貴が手掛ける「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」2022年コレクションのショーが開催された。ランウェイとなったのは敷地内の清流園。池を囲むようにして美しいドレスの花が咲いた。
■夜の二条城でランウェイショー
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トモ コイズミによる国内のランウェイショーは、2019年10月に東京で開催されて以来2回目。今回は、ファッションディレクターの三浦大知からの声掛けをきっかけに、日本の資源や文化、精神性を見直し継承するという小泉の意思のもと、京都の老舗企業などから多くの協力を得て実現したという。
招待状にはブランドの象徴的なフリルがあしらわれており、当日は約100人の招待客が様々なカラーのフリルを手に二条城の東大手門をくぐった。雨上がりの三日月と提灯の明かりに照らされた砂利道を進んで清流園へ。池の周りにクリアチェアが置かれ、ゆったりとした音楽と蛙の鳴き声がこだまする。
■日本の伝統をドレスに
ショーの始まりを告げたのは、能の囃子方。続いて白と赤の獅子が現れ、豪壮華麗な「石橋」の舞がオープニングを飾った。
神聖なムードに包まれた庭園に登場したファーストルックは、白地に朱赤が混じったフリルドレス。フィットしたボディとボリュームのあるフリルのコントラストが優美なプロポーションを生み出している。続くスタイルもフィット&フレアをベースとしながら多様なシルエットで、帯を用いたり日本人形のようなメイクなど和洋折衷。ペットボトルのリサイクル素材を用いているというフリルの色は、単色からマルチカラーへと変化していった。
Image by TOMO KOIZUMI
今回の特徴は、丹後ちりめんのデッドストックや、服部織物の西陣織など、小泉が京都の工房を巡り伝統工芸に触れる中で出会った生地。またドレスを彩る横振り刺繍は、神社仏閣の装飾などがインスピレーションとなった。何百年と受け継がれてきた伝統への敬意と憧れを、既成概念に捉われないトモ コイズミならではのアプローチで表現し、手仕事がドレスの美しさを引き立てている。なお、ショーピースは無駄のないオーダーメイドで提供するという。
Image by TOMO KOIZUMI
■希望と祈りを込めて
ショーのフィナーレは、池を囲むようにして全モデルが立ち、庭園に色とりどりの花が咲く夢のような世界が広がった。今回のコレクションに込められたのは「希望」や「祈り」。ブランドを立ち上げてから10周年を迎えた今もなお「ピュアな気持ちで服を作りたい」という小泉は、「心の救いになるような、より美しいもの」への思いが増し続けているという。
Image by TOMO KOIZUMI
来場ゲスト Image by TOMO KOIZUMI
安達祐実
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