2021SS COLLECTION
国内で活躍するブランドの最新・最鋭アイテムを紹介する連載。第11弾は西岡遙が手掛ける「ワイオーエヌ(Y.O.N.)」。2021年春夏のテーマは「TAUPE」で、トープグレーのテーラードジャケットを中心にコレクションを構成しています。テーラリングに定評のあるワイオーエヌの新作から、デザイナーのこだわりを紐解きながら、シーズンを先取りして"今決めたい"最新で最鋭のアイテムを3点紹介します。
Y.O.N.
文化服装学院出身の西岡遙が手掛けるメンズブランド。「好きなものを好きな方法で」をコンセプトに、得意とするテーラリングに現代の服飾の技術を加えてアイテムを製作。2017年秋冬シーズンに「キャッチボールアンドサンズ(Catchball&Sons)」から現在の「ワイオーエヌ」にブランド名を変更し、「2017年度 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」ではプロ部門に選出された。
ADVERTISING
>>記事内の新作アイテムは予約購入サイト「TWO:REVERSE(ツーリバース)」でプレオーダー受付中
#1 FLARE SLEEVE AKHA JACKET
FASHIONSNAP(以下、F):2021年春夏コレクションのテーマは「TAUPE」で、トープグレーという色から着想を得たということですが。
西岡:最初は「庭」をテーマでやろうと思っていたんです。それはコロナで自粛が続く中、外に出て自然に触れたいなという思いからで。ただ「庭」という土着的なイメージは、ブランドに合わないなと考えたんですよね。最近は色を縛ってコレクションを作っているということもあって、気になっていたトープグレーという色から「TAUPE」にしました。調べていくと「TAUPE」はフランス語でモグラという意味で、エレガントな色なのにネイチャー感があるというところがブランドとマッチしているなと思ったんです。
F:なぜ色を縛ってアイテムを作るようにしているんですか?
西岡:「キャッチボールアンドサンズ」の時はテーマに伏線を持たせたりしていましたが、それが制約になって自由なクリエイションができなくなってしまったんですよ(笑)。あと、色で縛って統一感のあるテーマにした方が、MD視点でコレクションを作りやすいというのもあります。
F:このジャケットはそのトープグレーカラーを採用したものになりますね。
西岡:最初はオリジナルで生地を作ろうかなと思っていたんですが、伊CANONICO社のスーツ地に出会い一目惚れして。オリジナルで作ると染色がうまくいかないことが多いということもありますし、これはイメージにぴったりの色だったので即採用を決めました。結構久しぶりにインポートの生地でジャケットを作りましたね。
F:生地は平織なんですね。
西岡:綾織のほうがメンズっぽくて好きなんですが、今回はどちらかというとドレッシーな雰囲気にしたくて。シルエットもウエストのシェイプやベルスリーブなど割とエッジがきいた、メンズでは珍しいセクシーさを感じさせる形に仕上げました。今まではボックスシルエットばかりだったので、ジャケットのシルエット表現は新しい取り組みの一つですね。
F:シルエットでセクシーさを追求した背景は?
西岡:オーバーサイズはもういいかなという感覚があって、だからと言ってタイトも違うなと。それで行き着いた形がこのシルエットなんです。
F:袖の切り替えが特徴的です。
西岡:切り替えや装飾パーツはタイの少数山岳民族の民族衣装から影響を受けています。本来は原色で切り替えられているんですが、シーズンテーマに沿って同色系の生地で接ぎ合わせました。
>>FLARE SLEEVE AKHA JACKETの予約はこちらのサイトへ
#2 SPRING KNIT CARDIGAN
F:続いてはデザインを削ぎ落としたシンプルなカーディガンです。
西岡:テーラードが欲しくても高くて買えない人のために、うちのイメージを簡略化して、でもシーズンの雰囲気を出したアイテムを作りたくて。なのでフロントラインなどジャケットのディティールを取り入れたカーディガンになります。
F:ニット地ですがシルエットが綺麗ですね。
西岡:こちらもウエストがシェイプしていて、先ほどのジャケットも前合わせを深めに作っているんですが、そのイメージでカーディガンの方もセミダブルのような形にしました。ウエストのシェイプは2段階に調整ができ、気分によってシルエットを変えることができます。シルエットを出すために、素材には高い伸縮性・形状記憶性がある特殊なバネ状の分子構造を用いたニット素材を使用しています。
F:ジャケットにもついていますが、珍しいボタンの形ですね。
西岡:イメージしたのは半分に切ったときのトリュフの形なんです(笑)。単純に美しかったからというのもあるんですが、トリュフと言えば高級感。そこがいいなと思って作りはしたものの、この話をすると結構な確率でバイヤーの方に笑われてしまって(笑)。
F:ワイオーエヌでは高級感を大事にしている?
西岡:そうですね。ただカーディガンも3万円以下にしたりと、今回全体的に少し価格を抑えています。もっと若い世代の人にも着てもらいたいと考えたためです。
>>SPRING KNIT CARDIGANの予約はこちらのサイトへ
#3 TENCEL PRINTED S/S JACKET
F:シャツのように見えますが、名称はジャケットなんですね。
西岡:これもジャケットをベースに作りました。襟はテーラードカラー、ただ袖もテーラードにしてしまうとバランスが悪いので、シャツまでではないですけどカマ底を浅くしています。
F:素材には独特のハリ感がありますね。
西岡:木材パルプを原料とした環境への不可が少ないテンセル素材です。オリジナルで樹脂加工が施されているので、プリント面と非プリント面の硬さの違いで起きるパキパキとした風合いが特徴で。生地屋さんが試したい技術があると言って教えてくれたもので、面白いなと思いオリジナルで作りました。
F:これまでのコレクションでは半分以上のテキスタイルをオリジナルで作っていましたよね?
西岡:そうですね。でも今回はこのジャケットとカットソーだけです。もちろん好きな柄を入れたければオリジナルで作る必要がありますが、そもそも日本の生地は優れていますから。
F:このジャケットはどんな服と合うと思いますか?
西岡:中はTシャツ、下はパンツならなんでもあうと思いますよ。個人的には同色が気分なので、うちのパンツじゃなくてもいいんですけど全身白とか同色であわせたらカッコいいと思います。同色コーデにはまっているせいか、ルック撮影の時もスタイリストさんに「同色でお願いします」とオーダーしちゃうほどで(笑)。それが今の気分なんですよね。
>>TENCEL PRINTED S/S JACKETの予約はこちらのサイトへ
■その他、予約購入サイト「TWO:REVERSE」ではY.O.N. 2021 SS 厳選アイテムのプレオーダーを受付中!(9月30日まで)>>Y.O.N.のアイテム一覧ページへ
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【今決めたい、最新・最鋭アイテム】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境