水が生み出し、水によって栄えた街、水都・大阪。今も昔も人々が交差する大阪の地で、水の都をテーマに「RIMOWA Store 心斎橋」が新たな装いでオープンした。女優 安藤サクラが巡る、見慣れているけどいつもと違う大阪の街。スーツケースを引きながら思い起こされるのは、この街の記憶と「リモワ（RIMOWA）」との不思議な巡り合わせ。

　東京で生まれ育った安藤サクラにとって大阪は、撮影を通して思い入れが強くなっていった街。今でも定期的に訪れ、戻ってくるとその当時の思い出が作品とともに蘇る。

　大阪は本当に私にとってすごく特別な街です。2018年、NHK連続テレビ小説「まんぷく」の撮影のために娘が1歳の時に1年間暮らしていたことがあります。人柄も、食も大阪独特の文化があると思っていて。 だからこそ、「あ、戻ってきたな」「ただいま」っていう気持ちになります。ちょうど3年前の今頃、大阪を舞台にした映画「BAD LANDS バッド・ランズ」を撮影していて、今日撮影したエリアがまさに舞台となっている映画だったので、暮らしていた頃から一層思い出が深くなっているように感じます。

 　そんな思い入れのある大阪で、穏やかな師走のある日、水の都にちなみ、水面の光を背に水上バスで撮影を行った。

　今年は本当に色々な国に行かせていただきました。今日の撮影もですが、不思議と水が近くにある場所ばかりに行っていた気がします。フランスのマルセイユや最近では中国・杭州にある世界遺産の西湖や、タヒチも。タヒチは今までに体感したことのない感覚で刺激的で、すごく印象に残っています。タイミングがあればタヒチは思い出になる前にもう一度行きたい。あの土地にいることで、自分が強くなれるような気がしたんです。

　撮影や海外でのイベント出席など女優業に移動と旅はつきもの。安藤にとってもリモワは移動時の強い味方だ。スーツケースというパーソナルな空間だからこそ、何度も荷造りをするなかで新たな発見や自分だけの使い方がアップデートされていく。

　最初のリモワは結婚した時に家族で海外旅行に行く際に購入しました。今もメンテナンスしながら使っていて、それが夫のリモワになり。10年ほど前には母を海外の映画祭に連れて行った時にネイビーのリモワをプレゼントしました。あと、数年前に自分用にもう一つ。

　撮影だから言うわけではなく、リモワを持つようになってから本当に荷造りが楽しくなったんです。最近ゲットしたのが四角い「トランク」というモデルで、その子がすごくいい仕事をするんです。ズボラな私との相性が良くて。

　あと、間の仕切り*があるじゃないですか。海外に行く時にはそのポケットに海苔を入れます。海苔をあの場所に入れた時に、「よっしゃ！」 って。これで海苔を守れるぞ、って日本人として誇らしい気持ちになります。（笑）

*正式名称：フレックスディバイダー

　安藤サクラとリモワ。もう一つ、切っても切れないエピソードがある。それは出演作品の役中での関わりだ。「大阪の街でリモワを持つこと」は安藤にとって女優としてこれまで歩んできた道のりにも重なる、ちょっとした運命的な意味合いを含んでいる。

　私にとってすごく大切で思い入れのある主演映画で「かぞくのくに」*という作品があるんですが、そのエンディングでリモワを買いに行くシーンがあるんです。そこから「リモワを持つ」ことが自分にとって特別なことになったんです。

　今日、この場所でリモワを持って撮影することで、これまでの出演作との関わりが思い起こされて、自分のフィルモグラフィを辿るような気持ちになって心が動きましたね。

*ヤン・ヨンヒ監督自身の実体験に基づいた2012年に公開されたフィクション映画。病気治療のため北朝鮮から一時帰国した兄と日本にいる妹、家族の絆を描いた作品。

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photography: Riku Ikeya, styling: Takanohvskaya, hair & makeup: Kanako Hoshino | text & edit: Yuui Imai, edit: Fuyuko Tsuji, casting: Takashi Sasai, project management: Tomoya Sasaki（FASHIONSNAP）