オーガニックコスメを中心としたオリジナルのライフスタイルブランド「ラブ ギブス ラブ(LOVE GIVES LOVE)」からアパレルを発表し、サステナブルなティーブランド「ナチュレ ティー ラボ(NATURE TEA LAB)」をスタートするなど、タレント RIKACOさんの新たな活動に注目が集まっている。15年以上前から地球環境の悪化に懸念を感じ始め、自分自身をいたわるという意味も含め、アロマライフスタイリストの資格を取得し、オーガニックを学び、そしてオリジナルブランドを通じて地球へ“投資”し、サステナビリティに真摯に向き合っている。「70歳がキーワード」というRIKACOさんの想いを聞いた。
■RIKACO
13歳でスカウトされモデルデビュー。数々の人気雑誌のモデルとしてのキャリアをスタートさせ、ファッションアイコンとして支持を集める。2人の子どもの育児をきっかけに、子どもたちのために安心で安全な地球を残したい…というフィロソフィーでオーガニックに特化。2016年秋にオーガニックアドバイザー、2017年11月にビューティースーパーフードマイスターの資格を取得。「ニールズヤード レメディーズ(NEAL’S YARD REMEDIES)」が主催するアロマスクールでアロマライフスタイリストの資格も取得し、フードやアロマを通しメッセージを発信する。2020年にオーガニックコスメを中心とするオリジナルライフスタイルブランド「ラブ ギブス ラブ(LOVE GIVES LOVE)」を立ち上げ、2023年には同ブランドからアパレル「ラブ ギブス ラブ エクリュ(LOVE GIVES LOVE écru)」をローンチ。静岡を拠点とする世界の健康茶を企画販売するティーライフの新ブランド「ナチュレ ティー ラボ(NATURE TEA LAB)」をプロデュースする。
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ーRIKACOさんは20代後半で出産して子育て中心の生活から、サステナブルな活動もしています。10代〜20代前半まではサステナブルについてどう感じていたのでしょうか?
はっきりとは覚えていないんですけど、1990年代かな。そのころの日本って本当に遅れていて、アメリカやイギリスなどは当時からエコに対して意識が高く、オーガニック認証もすでにありましたよね。私自身も、そして多くの日本人がそういうことを全く意識できていなかったと思います。
ーその中で、いつごろからサステナブルを意識するようになったのでしょうか?
結婚するまでは全く考えてなかったかもしれないですね。その思いが強くなっていったのは30代に入ってから、30代後半からでしょうか。
ー妊娠がきっかけだった?
妊娠は20代後半だったので、ちょっと違うのだけど、でも妊娠を機にふと、「体に良い物ってなんだろう?」と考え始めてはいたと思います。実際に生活の中に取り入れてもいましたが、学びという意味では30代後半だったように記憶しています。
ー私自身も子どもができて、より子どものために良いものをという思いが強くなった反面、忙しい毎日に流されて、行動に移すことができないということもあります。
そうですよね。子どもがいるとかいないとかではなく、視野を広げてみると、人々はみんなさまざまな悩みを抱えていると思うんです。たとえば生理のPMSがひどいとか、ストレスを抱えて心身に影響が出てしまっているとか、いろんな状況がありますよね。だから若い人たちに言いたいのは、まずは自分の身体について考え、そして地球の未来についてしっかりと考えられる人になれたら素敵だよね、ってことなんですよね。
ー今の若い世代は、40代、50代の世代よりも、サステナビリティに真剣に向き合っている人が多い印象です。
次男が24歳になりますが、オーガニックというワードや、自分の身体について、さらには食べ物を含めて環境問題を熱心に考えていて。20代前半の世代はより強く意識している傾向にあるように思います。若者はいろんな新しいアイデアもあるだろうし、期待したいですね。やっと時代が追いついてきて、私たちが引っ張っていかなくても、20代がどんどん引っ張っていってくれたら、なんだか素敵な世の中になっていきそうで、逆について行きたいですよね。
そんな若者につなげられるよう、私は先がけとして何年もかけて、こういったテーマを追いかけ、そして発信してきたところはあります。
ーその発信のひとつが、2020年にオーガニックコスメを中心としたライフスタイルブランド「ラブ ギブス ラブ(LOVE GIVES LOVE)」でもあるのですね?
未来の人たちの社会、生活環境を維持するため自然環境に配慮したモノづくりにこだわっています。すべての商品の成分に関しても、肌、そして地球にもやさしくてより良いものを選んでいます。地球に負担がかかるものは作りたくない、そう心掛けています。こういった商品を買ってもらうことで、地球に投資しているということを伝えたいですね。
LOVE GIVES LOVE
これからの将来がよりよい社会、自然環境を保ち続けることを目指し取り組むサステナビリティ(sustainability)=持続可能性。本来環境と開発は対立するものではなく、共存できるものと捉えて、後先を考えずに開発をするのではなく、節度ある開発が大切と考えられるようになっています。LOVE GIVES LOVEは「取って、作って、捨てる」という一方通行型ではなく、既存のものを上手く循環的に再利用するということをコンセプトにしたライフスタイル提案型ブランド。
ー時代が追いつき、若い世代のSDGsへの関心が高まる一方で、「何かをしたいけど、どうすれば良いわからない」「分かってもらえない」という思いもあるようです。RIKACOさんはどう発信しているのでしょうか?
私自身、大勢の人に分かってもらいたい、というよりも、自分が良いと思うから、人に勧めてみる。それを受け入れてくれる人が、自分と同じ考えを持っている人なんだろうなあ、という感覚でいるんです。だから商品を販売したり、私が発信したりしていることで、「多くの人の意識を変えてるのよ」とか、「地球は変わっていくのよ」、なんて大げさなことではなくて…。自分が良いと思って信じたことを、軸をブラさず、人に伝えていくことで、少しでも同じ考えの人が増えたり、商品を使って良さを実感してくれたり、これをきっかけにアロマにも興味をもってくれたり。そしたら、その奥にあるオーガニックという背景に興味を持ってくれて…。少しずつ感じて、少しずつ変わっていったら、そんな素敵なことはないよねって感じなんですよね。
ー確かに、そうですよね。
だから若い人だけではないかもしれないけど、地球環境について感じていることが素敵なことだし、そのままでもいいと思うですよね。その思いが強いのであれば、自分たちで何かをやり始めることも一つの方法だと思う。興味を持ったことに対して学ぶことも大事で、いろいろ試してみる、経験してみる。そして人に伝えていくこともいいですよね。
ー40、50代の方が遅れていますよね。
大人世代が遅れているのは仕方ないかも…。一気にムーブメントを起こすのではなく、コツコツと地球環境が今、どういう状況であるか、何が大切か、何をしていけば良いか、を伝えていくことですよね。私自身、最初は全然聞いてもらえなかったけど、ずっと伝えてきたことで「何かやってる、話を聞いてみよう」と思ってくれる人がいて、少しずつ耳を傾けてくれる人が増えて…。そうなるとやれることも変わってくると思います。
ーコツコツ伝えてきたとおっしゃいましたが、その中で、なかなか伝わらないという苦労もあったのではないでしょうか?
実は15年ぐらい前にオーガニックブランドを立ち上げた経緯があるのですが…。私の中ではすでにオーガニックが生活に定着していて、だからさまざまなアイテムを作ったんですね。でもそういうことに関心を持つ時代ではなく支持されなかった…。でも難しいと思いながら、先ほども言いましたが諦めはしなかったんです。100人いたら、100人のすべての人に理解してもらうのは難しいと思います。最初から、大勢の人に理解してもらいたい、支持してもらうと考えは持たないほうがいいですよね。
だから、それでももっと大事なのは、「自分が好きなことをやっている」ことだと思うんですよね。そこで少しずつでも共感してくれる人が増えていけば、地球のためにも役に立つと考えたいですね。
ービジネスのスタンスも同じような考えでしょうか?
そうですね。誰かから資金提供をしてもらっているわけではありません。だから、いい意味でプライドを持って商品を作って、自分のできる限りのこと、できる範囲のことを、商品に注ぎ込んでいる状況ですね。ただ、売れなくてもいいというのではなく、自分で資金を出している以上、売ることも真剣に考えます。最低限のビジネスにするためには、どれぐらい販売することが良いのか。地球に還元できるモノ作りでありながら、それを叶えられる方法を真剣に考えていますね。
ー叶えられる方法とは?
コツコツですよね。売れたら、次のステップ…。階段をしっかり登っていく感じでしょうか。最終を見据えているというよりは、1つクリアできたら、次に行く、とういうスタンスですね。
ー次のステップは決まっているのでしょうか?
先のプランは立てられていないのですが、ただラブ ギブス ラブは、スキンケアブランドではなくライフスタイル全体を表現できたらと思って作ったブランドです。スキンケアに関しては利益も出ていますし、そこはしっかり堅実に発信し、新しい挑戦としてラブ ギブス ラブからアパレルブランド「ラブ ギブス ラブ エクリュ(LOVE GIVES LOVE écru)」をローンチしました。
ーラブ ギブス ラブ エクリュはどんなブランドでしょうか?
ラブ ギブス ラブ エクリュは、生活と切り離すことのできないファッションで“ Self Love” の概念を少しでも多くの女性にシェアできたらという思いがあります。受注生産でロスがないモノ作りや簡易包装にもこだわっています。今後、海外の団体へのドネーションや、イベントに参加することを視野に入れ、また食と身体をつなげるプライベートレッスンやワークショップを開催することも考えています。こうやって人と人とのつながりの中で生まれていく、地球に対する思いが伝わっていけば良いと思っています。
ーそのほか、何か構想はありますか?
そうですね…。興味があることに種まきをしている状態です。これまでも同様ですが、最終的には地球や人に貢献できることをやりたい。実は以前から、売上の一部を環境問題に役立てたい、という思いがあるのですが、単純に寄付するだけではその先が見えづらく…。だからどうやったら可視化でき、もっと多くの人に伝わるようにできるか。その中で、さまざま企業ともタッグを組んでいきたいと思っています。
ほかには、ボランティアが楽しんでできる場所やリトリートできる場所が作れたらという構想もあります。リトリートは、「今週食べすぎたからちょっとデトックスしたいな」と思ったり、「食べ物を気をつけたい」と思ったりしたときに、1人でもふらっと立ち寄れて、瞑想やヨガをしたり、美味しい果物と野菜が食べられたり…。そんな空間があればと。
ーこの先の最終地点を何も考えていないとおっしゃいましたが、でも少しはふんわりとでもこうなりたい、というのはあるのでしょうか?
実は「70歳」をキーワードにしているんですね。今、57歳なので、70歳まであと13年しかないんです。70歳になったときに、どういう自分でいたいか? さすがに現場で仕事をガンガンこなすというよりは、若い人たちに伝え、その人たちが想いを持ってさまざまな活動をしている環境でありたい。だからそれまでに、今はたとえば100人のうち20人に支持されているとしたら、5年後にはそれが80人になっていたら良いよね。そう念頭に置きながら、今を作っていきたい。共感してくれている人が増え、その想いを受け継いでくれる若い人が、新しい何かをはじめてくれればとても素敵だなあという想いはありますね。
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