Image by: Tetsuya Maehara
1990年代初頭に登場した「リプレイ(Replay)」の人気モデルをアップデートし、復刻したコレクション「9zero1」が発売された。ノスタルジックかつタイムレスな魅力を備えたデニムジャケットとデニムパンツから成る同コレクションと、リプレイのインラインアイテムを、元プロサッカー選手の槙野智章とモデルのemmaが纏う。進む道は違えど、日頃からデニムを好んで着用しているという共通点を持つ2人。オーセンティックなデニムルックが、強い個性を放つ二人の魅力を一層引き立てる。二人のデニムとの出会い、そして「デニムを着用することで表現したい自分」とは?
デニムの魅力とは?自分らしいスタイルを作るために
槙野智章
ーデニムとの出会いは?
プロに入ってからなので、18歳か19歳の頃だったと思います。それまでは学校の制服かスポーツウェアしか着ていませんでした。人に見られる職業だったので、いつ見られても恥ずかしくないように雑誌などで勉強をしていたら、デニムパンツを穿いたモデルさんがすごく格好良く見えて。チームの先輩方がデニムパンツを穿いていたこともあって、自然と僕も着用するようになりましたね。
リプレイさんとは昔お仕事でご一緒させていただいたことがきっかけで交流が始まりました。いくつもデニムパンツを購入させていただいていますが、どれも本当に穿き心地が良くてヘビロテしています。
ーデニムの魅力は?
着用を重ねるにつれてどんどん「味」が出てくるところ。お気に入りの一本が時代とともにすり減ったり、色がついたりして変わっていくのを見るのは楽しいです。今の愛車のシートがホワイトなんですが、デニムを穿いて乗ることが多いので、お尻の部分にインディゴの色が移ってきちゃって(笑)。それもまた一興ですね。
ー槙野さんがデニムのスタイリングでこだわっているポイントは?
ほんの少しの遊び心を加えるように心掛けていますね。例えば、上下デニムで合わせて統一感を出すとか、あえてサイズ感をジャストサイズからズラしてアクセントをつけるとか。最近では、デニムのロングコートにハマっています。
emma
ーデニムとの出会いは?
明確にいつとは覚えていないんですが、母がファッションへのこだわりが強くて、幼少期からデニムパンツを穿くことが多く、それが最初の出会いですね。そこから段々とデニムに興味を持って、自分でも買うようになりました。私は買った服を自分好みにリメイクしたりもするんですが、一番最初に挑戦したのもデニムです。自分の中では最も身近なファッションアイテムと言えるかもしれません。
ーデニムの魅力は?
一番は長く着られる点ですね。服のカテゴリーは数多くあれど、ボロボロになっても見栄えが良いアイテムってあまりないと思っていて。お気に入りの1本と人生を共にしていく、この感覚はデニムでしか味わえないと考えています。
あとは、着用する人の個性が分かりやすく反映されるのも魅力です。例えば、デニムパンツに白Tといったシンプルな着こなしでもどんなシルエットを選んでいるか、どんなアクセサリーをつけているか、ネイルを何色にしているかといったポイントに着目するとその人のキャラクターが見えてきます。丈の長さ一つとっても着る人のセンスが問われ、そこが面白いですよね。
ーemmaさんがデニム選びで重視するポイントは?
サイズ感。私は全体的にゆとりのあるサイジングの服が好きなので、デニムを選ぶ際にも「可動域に余裕はあるか」「着用していてストレスがないか」といったポイントを重視して選んでいます。シルエットもスキニーよりもストレート、フレアタイプが好みです。
■槙野智章 着用アイテム
デニムジャケット 4万7300円、デニムパンツ 3万5200円
■emma 着用アイテム
デニムジャケット 4万7300円、デニムパンツ 3万5200円
デニムを着てどんな自分を表現する?
槙野智章
ー槙野さんが自分らしくいられるのはどんな時ですか?
やはりコートの上でボールを蹴っているときですね。サッカーに憧れ、サッカーに生きた人生ですから。プライベートでもずっとサッカーのことを考えて生活していましたし、引退した今でもそれは変わらない。おそらく今後もそうだと思います。
ーサッカー選手として常に高いパフォーマンスを求められてきたなかで、自分らしくいるための秘訣は?
あまり考えたことがないです。コートの上にいる時も、家にいる時も、プライベートで外出する時もいつも等身大の自分なので。どんな時もありのままの槙野智章でいることが自分が歩んできた道ですし、それに対して疲れたりということも全くないですね。
ーデニムを着てどんな自分を表現したい?
正統派の着こなしだけでなく、自由にデニムファッションを楽しむことで変に飾らず、型にはまらない自分を表現したいです!
emma
ーemmaさんが最も自分らしくいられるのはどんな時ですか?
家族といる時ですね。実家が北海道なので頻繁に会えるわけではないですが、いまだに母とは毎日電話をしています。
ーモデルとしての振る舞いが求められるなかで、自分らしくいるための秘訣は?
旅に出ることが自分らしく生きるための支えになっていますね。モデルをしている間は自我を出さないよう意識しているんですが、忙しく仕事して心に余裕がなくなってきた時はパリだったり韓国だったり、東京以外の場所に行くことでリフレッシュしています。フライトの時間も私にとってはすごく大事。他にやることがない分、考え事や読書などに没入できるので助かっています。
ーデニムを着てどんな自分を表現している?
自分の中のカッコいい部分や力強い部分を表現しているつもりです。幼い頃からずっと着用していることもあり、デニムは私にとって「鎧」のようなもの。なんとなく気分が乗らない日に、元気や生きる力を与えてくれるアイテムなんです。
■槙野智章 着用アイテム
ジャケット 5万8300円、ポロニット 2万6400円、Tシャツ 1万2100円、パンツ 2万8600円、スニーカー 2万4200円
■emma 着用アイテム
ジャケット 5万9400円、ニットポロ 2万3100円、デニムパンツ 3万7400円、スニーカー 2万3100円、バッグ 2万8600円(代官山店限定)
※表示価格は全て税込
■Replay
1981年にイタリアのベネチア近郊アゾロで設立した、プレミアムデニムのリーディングブランド。「イタリアンデザイン」「クラフトマンシップ」「革新」「上質」を哲学に、ヴィンテージの風合いとモダンな雰囲気を併せ持った服を作り続けている。
■9ZERO1
1990年代初頭に登場し、リプレイの価値を確かなものにした人気モデルをアップデートして現代の技術で復刻させたコレクション。「BACK TO THE ROOTS(原点に立ち戻る)」「TIMELESS(普遍的)」「FOR EVERY PLACE AND EVERY FACE(どこでも誰でも着られる)」「THE COOL FACTOR(ディテールへのこだわり)」といった4軸を掲げ、当時のシルエットを表現したノスタルジックかつタイムレスなデニムジャケットとデニムパンツをメンズウィメンズ各1型ずつ展開する。共通のディテールとして、ブランドのシグネチャーであるカモメ刺繍をポケットに施しているほか、デニムジャケットではパンツのバックポケットをそのまま胸ポケットに転用している点にも注目。
■槙野智章
1987年5月11日生まれ。小学1年生からサッカーを始め、サンフレッチェ広島のジュニアユース、ユース、トップチームと昇格を重ねてプロデビューを果たす。2010年にJリーグベストイレブン、フェアプレー個人賞を受賞すると、2011年にはドイツに渡り、ブンデスリーガ ケルンでプレー。2012年に浦和レッズに加入してJリーグに復帰し、2022年シーズンをもって現役を引退した。現在は解説を中心にメディア露出を続けながら品川CCで監督を務めている。
■emma
1994年4月1日生まれ。2012年、雑誌の表紙を飾りプロモデルとしてデビュー。25ansをはじめ、さまざまなジャンルの人気ファッション誌のほか、カタログやWEBなど数多くのメディアに毎月登場。テレビやイベントでも活躍しながら、プライベートブランドERのディレクターとしても精力的に活動している。FIGARO.jpでは、カメラを片手に海外や国内を旅する姿が見れる、連載企画「See the World」が好評。
Credits
Photography: Tetsuya Maehara
Styling: Akira Maruyama
Hair & Makeup:Yuuki Yanase(for Tomoaki Makino), Sayoko Yoshizaki(for emma)
Creative Direction: Mina Jokoji , Riko Miyake(FASHIONSNAP)
Edit: Taichi Murata(FASHIONSNAP)
Assign: Takashi Sasai(FASHIONSNAP)
Realizaiton: Shiori Nagaoka(FASHIONSNAP)
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