「プラダ」2021年秋冬メンズコレクション
Image by: PRADA
― 自分の嗜好と、商業的な価値、トレンドのバランスをどのようにとっていますか? (ソウル 弘益大学でデザインマネジメントを学んでいるムビンさんからの質問)
ADVERTISING
ミウッチャ:これは私達の仕事のコアな部分ですね。私達の仕事は、クリエイティブであると同時にコマーシャルでもあります。クリエイティブでありながら、人々のニーズを満たすものなのです。自分のアイデアに沿ったものでありながら、人々が買うものであるべきなのです。表現の自由とクリエイティビティ、そして現実の融合は、今も昔もファッションデザイナーにとっても肝となる部分ですから。
ラフ:長くこの仕事をしていると、デザインしたいと思うものは時に現実で売るものからはかけ離れたエクストリームなものになってしまう、とわかってきます。私達がこの業界で長くやってきてわかるのは、全てはバランスをとるということ。とはいっても、私は売れないだろうと思いながら何かをデザインしたことは一度もありません。ただ、私が素晴らしいと思ったものが、大多数の人にとってそうではないことがあることも理解しています。そういうときは、より大衆に向けたものも入れてバランスをとったりすることに満足しています。
学生:私はトレンドに従うべきか、自分の嗜好に乗っ取るべきかで戸惑うことがよくあります。
ミウッチャ:あなた自身に従うべきです。みんなそうですよ。私にとってはそれが必要不可欠で、基盤となっています。服はあなたの個性やアイデアを表現するものですから。以前「どうやったらエレガントになれますか?」と聞かれたことがありますが、「自分を知り、あなたらしくいなさい。そうしたら必要なものがわかってきます」と伝えました。私にとっては、それが非常に重要です。自分自身を知るというのは、確かに難しいことです。でも、これは一般的に人間の人生の基盤です。例えば、どんな仕事を選ぶのか、どんな考え方をするのか?自分は何者なのか? これらは自分で選ぶ必要があります。その後で、服を選ぶのは簡単です。でも、あなたが自分自身を何者かを知らずに自分を見失うことがあったら、別のパーソナリティを試してみれば良いのです。間違いなく、服はあなたの人生における「サービス」であるということです。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【インタビュー・対談】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境