プラダ 2022年秋冬ウィメンズコレクション
Image by: PRADA
「プラダ(PRADA)」が、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)の共同クリエイティブディレクターによる、2022年秋冬ウィメンズコレクションのフィジカルショーを発表した。会場となったのは、ミラノ・プラダ財団(Fondazione Prada)。ピンクのネオンに照らされたSF風のトンネルが、オリーブグリーンの絨毯が敷かれたランウェイへと続く。音楽に、80年代ニューウェーブを代表するデペッシュ・モード(Depeche Mode)を取り入れていたのも印象的だ。
■女性たちの歴史にフォーカス
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今回のテーマは「AN IDEOLOGY OF PRADA(イデオロギー・オブ・プラダ)」。「人間性への憧憬と省察」という、メゾンの思想体系を表したものだ。ショーの開催前、公式インスタグラムにはモデルたちの幼少期の写真や映像が公開された。これは過去と現在を繋ぎ、女性たちの歴史を構成するというコンセプトによるもの。幼い頃のケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)がスケートを楽しむキュートな姿も映し出された。
■どこまでもシンプルなタンクトップを主役に
コレクションのキーアイテムとなったのは、プラダのトライアングルロゴを胸元にあしらった白いタンクトップ。そこにシアーな膝下のペンシルスカートを合わせ、意外性に満ちたスタイリングを披露した。
また、コートのテーラリングにイヴニングウェアの要素を織り交ぜ、彫刻的なフォルムを演出。フェイクファーやフェザーをあしらったコートや、オーバーサイズのMA-1ジャケットも、斬新なプロポーションを生み出していた。
■削ぎ落とした中に光る、プラダらしい味付け
色味を抑えたメイクアップと、きっちりとまとめ上げたヘアスタイルで、モデルたちはどこかアンドロジナスな雰囲気。だが、透け感のあるレイヤードスタイルや、何層にも連なるチェーンのネックレスなどがプラダ流のフェミニ二ティを体現している。
また、トライアングル型のハンドバッグや幾何学模様のニットなど、プラダらしいアクセントは健在だ。
■歴代のプラダモデルがランウェイに復帰
ランウェイにはリヤ・ケベデ(Liya Kebede)、エリン・オコナー(Erin O'Connor)、ハンネロール・ナッツ(Hannelore Knuts)といった40代のベテラン勢を起用。
リヤ・ケベデ
エリン・オコナー
ハンネロール・ナッツ
カイア・ガーバー
ハンター・シェイファー
オープニングにはカイア・ ガーバー (Kaia Gerber)、クロージングには人気ドラマ『Euphoria(ユーフォリア)』に出演するトランスジェンダーのハンター・シェイファー(Hunter Schafer)が登場するなど、世代を超えたイットガールたちの共演も話題に。メゾンのアーカイヴを未来へと再構築し、すベての女性のヒストリーを祝福する力強いコレクションとなった。
Fuyuko Tsuji
セントラル・セント・マーティンズ出身。モード誌の編集者、通信社のニュース記者を経て、フリーランスのファッションエディター/ライターとして独立。ファッション以外では、現代アートやフィギュアスケートについての記事執筆もこなす。
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