2021年春夏コレクション
Image by: FASHIONSNAP
「東京の新しいエレガンスになりうるのではないか」半澤慶樹による「パーミニット(PERMINUTE)」が10月17日、2021年春夏コレクションのショーを宮下パークで開催した。野外でショーを開催するにあたり半澤は、街の景観とファッションデザインがどう連動してくのかを自分なりに考えたという。
コレクションはシックなブラックのセットアップで始まり、ブルーやグリーン、イエロー、ピンク、パープルといった色鮮やかなカラーパレットを用いたドレスやブラウスなど全23ルックで構成。立体裁断で作るドレープを駆使したシェイプや異素材の組み合わせといったパーミニットが得意とする技法は残しながら、これまで発表してきたコレクションよりもリアルさを感じさせるアイテムが多く、ナイロン製のバックパックやボディバッグはその代表格だ。
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2021年春夏コレクション
半澤は屋外でショーを実施するにあたり、これまで通りエレガントなドレスをただ魅せるのではなく、渋谷の街とどう連動させるかについてを思考。その際に、ナイロン製のアウトドアバッグとドレスに掛け合わせることが"東京の新しいエレガンス"になりうるのではないかと考えたという。アウトドアバッグはバックルなども含め全てオリジナルで製作し、販売も予定している。
また、これまであまり用いなかったボーンをはじめとするオートクチュールのテクニックをゴアテックスやナイロン素材で応用した。半澤はこの技法のことを「エマルジョン(乳化)」という言葉で説明。「一見交わらなさそうに見えるドレスメイキングと高機能素材が混ぜ合わさった瞬間に、新しいスタイルが生まれるのでは」と模索した結果が今回のコレクションに繋がった。今の半澤にとってエレガンスとは、異なる要素が"乳化している状態"のことを指すという。
新型コロナウイルスの影響で心境にも変化があった。4月と5月は特に不安定な時期が続いたという半澤は「仕切り直したいという一心で製作を始めた。また、これまでは関係者からの見え方を気にしていたが、今回は自分の表現したいことだけに焦点を当てることができた」と話した。
フィナーレでは「アンドロメダを西南に」というフレーズが印象的な合唱曲「空駆ける天馬」が流れた。アンドロメダが西南に見えるのは南半球だけ。北半球の東京で敢えてこの曲を流した理由は「東京というフレームワークが揺らいで面白いのでは」という思いからだ。
なお、今後は春夏秋冬といった季節で区切らずに新作を発表していく予定で、気候に適した過ごしやすい服を提案していくという。5〜25度や15〜35度、35〜40度といった気温ごとに服をジャンル分けする予定だ。
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