パリ五輪 メダル
Image by: THOMAS DESCHAMPS
7月26日から「パリ2024夏期オリンピック・パラリンピック競技大会」が開催される。同大会は、ラグジュアリー産業の一大企業「LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン」(以下、LVMHグループ)が協賛。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」をはじめ、傘下のブランドの取り組みをまとめた。
目次
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メダルデザイン:ショーメ
メダルは、ジュエリーブランドの「ショーメ(CHAUMET)」がデザイン。中央にハイジュエリーにも用いられる技法を施した六角形の盾をあしらい、エッフェル塔の改修工事中に保存した本物の鉄片を使用した。もう一方の面には、オリンピックとパラリンピックで異なるデザインとして、オリンピックのメダルにはアクロポリスとエッフェル塔を背景に勝利の女神のニケを、パラリンピックのメダルにはエッフェル塔を下から見上げた様子を描いた。パラリンピックのメダルではフランスの点字発明者であるルイ・ブライユにちなみ、世界共通の点字で「パリ 2024」と刻んだ。
2024パリ五輪メダル
Image by: THOMAS DESCHAMPS
メダル用のトランク:ルイ・ヴィトン
メダル専用のトランクは、ルイ・ヴィトンが同ブランドのトランク「マル・コワフューズ」から着想を得て製作。メダル展示スペースを配した中央のセクションとヒンジ付きの2つのウィングには、全468枚のメダルを個別に収納できる引き出しを備えた。上蓋の内側にはパリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会の両方のロゴがセリグラフィーで施されている。外装をモノグラム・キャンバスで覆い、1850年代から同ブランドのトランクに使用されてきたものと同じ真鍮製の金具をコーナー部品やロック部品に配した豪華なデザインに仕上げた。
聖火リレーのトーチ用トランク:ルイ・ヴィトン
聖火リレーのトーチ専用のトランクもルイ・ヴィトン製。トランクの蓋と底のソケットにトーチをはめ込んで固定できる仕組みを採用し、ソフトなマッドブラックのレザーライニングでトーチを保護する。トランクの扉を開き、ヒンジの付いた蓋のソケットを反転させることで展示仕様に変化させることができる。上蓋内側にはゴールドエンボス加工で「Paris 2024」のロゴを配した。1888年に誕生したダミエ・キャンバスで覆われた外装には、メダルトランクと同様に真鍮製の金具をあしらった。同トランクは、1万1000人以上の聖火ランナーと共にフランスを横断し、その後トーチと共に展示される。
なお聖火トーチは、フランス人デザイナーのマチュー・ルアヌールがデザイン。フランス・パリのセーヌ川をイメージして制作した。
フランス選手団の衣装:ベルルッティ
フランス代表選手団が大会開会式で着用する衣装は、「ベルルッティ(BERLUTI)」が担当。過去大会の式典に参加した選手たちにヒヤリングを行い、快適さと優雅さを両立したデザインを目指したという。男女共通で、白いシャツとフランス国旗の色を配した下襟のついたミッドナイトブルーのタキシードを採用。男性には無地のパンツとスニカーを用意し、女性は巻きスカートスタイル、または男性と同じスタイルを選択できる。また、同じカラーリングのポケットチーフとスカーフも製作した。
パリオリンピック フランス代表衣装
Image by: Berluti
フランス代表のユニフォームデザイン:「ピガール」ステファン・アシュプール
フランス代表選手ユニフォームのデザインは、「ピガール(PIGALLE)」のステファン・アシュプール(Stephane Ashpool)が担当。スポーツウェアブランドの「ルコックスポルティフ(le coq sportif)」と共にユニフォームを制作した。選手たちの多文化主義から着想を得たトリコロールを再解釈し、色合いと言語を混ぜ合わせたデザインを採用。水泳やテニス、スケートボード、体操、テニス、近代五種など30以上の種目の競技中だけではなく、トレーニング中やメディア向けパフォーマンス、メダルセレモニーの際にも着用する。
ステファン・アシュプール
Image by: le coq sportif
オリンピック聖火リレーパートナー:セフォラ
「セフォラ(SEPHORA)」は、オリンピック聖火リレーパートナーとして、リレールート沿いの観覧者に対するアクティベーションを提供。リレールート沿い都市にあるLVMHグループの46店舗で美容アイテムやオリンピック観戦チケットなどを獲得できる巡回イベントを行い、フランスのボルドー、ニース、リール、パリの主要4都市で記念イベントを開催する。
選手とのパートナーシップ締結
LVMHグループは、パリオリンピック・パラリンピックでの活躍が期待されるフランス代表選手とパートナーシップを締結し、ブランドアンバサダーとして選手をサポートしていく。発表された契約選手をブランドごとに紹介する。
ルイ・ヴィトン
ルイ・ヴィトンは、オリンピックで優勝経験のあるフランス代表選手2人とアンバサダー契約。「LVMHファミリー」として、大会までの道のりを共に歩むという。
レオン・マルシャン(水泳、フランス)
レオン・マルシャン(Léon Marchand)は、21歳の競泳選手。世界大会で5度の優勝経験があり、2023年世界水泳選手権で400m個人メドレーの世界記録を樹立した。
エンゾ・ルフォール(フェンシング、フランス)
エンゾ・ルフォール(Enzo Lefort)は、32歳のフェンシング選手で、2020年東京オリンピックの男子フェンシング団体の金メダリスト。パリ大会で4回連続となるオリンピック出場となる。
ディオール
ディオール(DIOR)は、フェンシング日本代表の江村美咲を含む女性選手18人、男性選手9人、計27人のアンバサダーを起用。ディオールの卓越性と独自の価値観で、スポーツとデザインの世界を牽引するとしている。
メラニー・デ・ジェズス・ドス・サントス(体操、フランス)
メラニー・デ・ジェズス・ドス・サントス(Mélanie Johanna de Jesus dos Santos)は、24歳の体操選手。ヨーロッパ選手権で4回の優勝経験があり、2023年世界選手権の団体戦で銅メダルを獲得した。
ポーリン・デロレド(車いすテニス、フランス)
ポーリン・デロレド(Pauline Deroulede)は、33歳の車いすテニス選手。2018年に交通事故によって左足を失い、車いすテニスを始める。2023年には3年連続でフランス選手権チャンピオンになり、世界ランクは13位となっている。
マリー・パトゥイエ(パラサイクリング、フランス)
マリー・パトゥイエ(Marie Patouilet)は、35歳のパラサイクリング選手。2019年のパラサイクリング世界選手権の女子タイムトライアル種目で銀メダルを獲得し、2020年東京パラリンピックの女子個人追い抜きトラック種目で銅メダルを獲得した。
江村美咲(フェンシング、日本)
江村美咲は、25歳のフェンシング選手。小学校3年生の時にフェンシングを始め、2021年に同競技で日本初となるプロに転向した。2018、2019年に全日本選手権を2連覇し、2022年にエジプトで行われた世界選手権では、同大会サプール競技で日本人女子個人として初となる金メダルを獲得した。
サラ・バルツァー(フェンシング、フランス)
サラ・バルツァー(Sara Balzer)は、29歳のフェンシング選手。2020年東京オリンピックで女子サプール団体で2位、2024年にベルギーで行われたワールドカップでは、同競技で金メダルを獲得した。
アリアンナ・エリゴ(フェンシング、イタリア)
アリアンナ・エリゴ(Arianna Errigo)は、35歳のフェンシング選手。6度の団体世界チャンピオン、2度の個人世界チャンピオンに輝いた経験があり、2020年東京オリンピックでは女子団体で銅メダルを獲得した。
ロッセラ・フィアミンゴ(フェンシング、イタリア)
ロッセラ・フィアミンゴ(Rossella fiamingo)は、32歳のフェンシング選手。2度の個人世界チャンピオンに輝き、2020年東京オリンピックでは女子団体で銅メダルを獲得した。
アリス・ヴォルピ(フェンシング、イタリア)
アリス・ヴォルピ(Alice Volip)は、イタリアのフェンシング選手。フェンシングワールドカップで9度、世界選手権で2度の金メダル獲得経験があり、2024年パリオリンピック出場を目指している。
ベアトリーチェ・ヴィオ・グランディス(車いすフェンシング、イタリア)
ベアトリーチェ・ヴィオ・グランディス(Beatrice Vio Grandis)は、27歳の車いすフェンシング選手。11歳から同競技を始め、2020年東京パラリンピックでは個人金メダル、団体銀メダルを獲得し、開会式でイタリア選手団の旗手を務めた。
アンドレア・モゴシュ(車いすフェンシング、イタリア)
アンドレア・モゴシュ(Andreea Mogos)は、36歳の車いすフェンシング選手。2016年リオパラリンピックでは女子団体銅メダル、2020年東京パラリンピックでは同競技で銀メダルを獲得した。
レダーナ・トリギリア(車いすフェンシング、イタリア)
レダーナ・トリギリア(Loredana Trigilia)は、48歳の車いすフェンシング選手。2000年シドニー大会から2020年東京大会までの6回のパラリンピックに出場し、2016年リオパラリンピックでは女子団体で銅メダル、2020年東京パラリンピックでは同競技で銀メダルを獲得した。
クラリス・アグベニュ(柔道、フランス)
クラリス・アグベニュ(Clarisse Agbegnenou)は、31歳の柔道家。2016年リオオリンピックで銀メダル、2020年東京オリンピックの女子柔道63キログラム級で金メダルを獲得した。
カリッサ・ムーア(サーフィン、アメリカ)
カリッサ・ムーア(Carissa Moore)は、ハワイ出身の31歳。2020年東京オリンピックから競技に採用されたサーフィン種目において、初めての金メダリストとなった。また、ワールドサーフリーグ「WSL」の2011年、2013年、2015年、2019年、2021年チャンピオンでもある。
アレックス・モーガン(サッカー、アメリカ)
アレックス・モーガン(Alex Morgan)は、34歳のサッカー選手。2012年ロンドンオリンピックでの優勝経験を持つ。現在は、アメリカ女子サッカーリーグ「NWSL」のサンディエゴ ウェーブ FCに所属している。
エステル・モッセリー(ボクシング、フランス)
エステル・モッセリー(Estelle Mossely)は、31歳のボクサー。アマチュア時代に2016年リオオリンピック女子ライト級で金メダルを獲得。2018年からプロボクサーとして活動している。
ルイーズ=アイナ・タブーレ(スケートボード、フランス)
ルイーズ=アイナ・タブーレ(Louise-Aina Taboulet)は、14歳のスケートボード選手。6歳からスケートボードをはじめ、16歳以下におけるフランスチャンピオンである。2024年同大会への出場を目指している。
エレイン・トンプソン=ヘラ(陸上、ジャマイカ)
エレイン・トンプソン=ヘラ(Elaine Thompson-Herah)は、31歳の陸上短距離選手であり、100メートル走の女子世界記録、200メートル走の女子世界2位記録保持者。2016年リオ、2020年東京オリンピックにおいて100メートル走、200メートル走で金メダルを獲得し、2つの短距離走競技でチャンピオンに輝く「スプリント・ダブル」をオリンピック2大会連続で達成した初の女性選手となった。
エルワン・コナテ(陸上、フランス)
エルワン・コナテ(Erwan Konaté)は、21歳の走り幅跳び陸上選手。2021年と2022年の20歳以下の世界陸上選手権で金メダルを獲得している。
アレックス・ポルタル(パラ水泳、フランス)
アレックス・ポルタル(Alex Portal)は、22歳のパラ水泳選手。2020年東京パラリンピックでは、男子自由形400メートルS13種目で銅メダルを獲得した。
キャスパー・ルード(テニス、ノルウェー)
キャスパー・ルード(Casper Ruud)は、25歳のノルウェー出身テニス選手。男子プロテニス協会のATPランキングではシングルス2位が自己最高位となっている。2024年のマスターズ1000大会では準優勝を果たした。
マッテオ・サルトーリ(ボート、イタリア)
マッテオ・サルトーリ(Matteo Sartori)は、22歳のイタリア人ボート選手。2024年のワールドボートカップでは、銀メダルを獲得した。
マッテオ・ズルロニ(クライミング、イタリア)
マッテオ・ズルロニ(Matteo Zurloni)は、22歳のスピードクライミング選手。スイス・ベルンで開催された2023年IFSCクライミング世界選手権のスピード種目でチャンピオンに輝いた。
張家朗(フェンシング、香港)
張家朗(Edwrd Cheung Ka Long)は、27歳のフェンシング選手。2020年東京オリンピックで金メダルを獲得し、フェンシング競技としては初の香港人チャンピオン、オリンピック金メダリストとしては2人目の香港人選手となった。
オーレリアン・ジロー(スケートボード、フランス)
オーレリアン・ジロー(Aurélien Giraud)は、フランスのスケートボード選手。2017年と2019年のスケートボードワールドカップで優勝しており、2020年東京オリンピックでメンズストリート部門で6位を獲得した。
カウリ・バースト(サーフィン、フランス)
カウリ・バースト(Kauli Vaast)は、フランス領タヒチ島出身、22歳のサーファー。2017年、2019年、2020年のサーフィンWSLヨーロピアン大会ジュニア部門で金メダルを獲得した。
サシャ・ゾーヤ(陸上、オーストラリア)
サシャ・ゾーヤ (Sasha Zhoya) は、オーストラリア出身、ハードル走の陸上選手。20歳以下の110メートルハードル走の世界記録を保持している。
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