Hôtel Onitsuka Tiger
Image by: FASHIONSNAP
フランス・パリのシャンゼリゼ通り25番地。オリンピック会場となっているコンコルド広場と、凱旋門のちょうど中間の地。ここで開催されている「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」の75周年を記念するアニバーサリーイベント「Hôtel Onitsuka Tiger」を現地レポート。
これぞパリのオスマン建築 歴史的建造物が会場に
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100年ぶりのオリンピック開催中! ということで、普段とは違う賑わいを見せているパリ。観光名所でもあるシャンゼリゼ通りは大混雑……かと思いきや、意外にも人が少なく静かな様子。交通規制で車も少なく、さらにオリンピックのために整備されていて、普段は気づかない"パリ本来の美しさ"を感じることができます。東を見渡せば、アーバンスポーツの舞台として熱戦が繰り広げられているコンコルド広場が。オリンピックの熱量を肌で感じながら、イベント会場へと向かいます。
「Hôtel Onitsuka Tiger」に到着し、まず驚いたのはファサードと装飾。これぞパリのオスマン建築! という外観に、オニツカタイガーのロゴ、そして最新コレクションがディスプレイされています。会場は、19世紀に完成し、歴史的建造物としても著名な元・侯爵夫人の邸宅。通常は一般公開されることがないという、特別な空間です。
レッドカーペットならぬ、鮮やかなイエローカーペットの上を歩き入口に到着すると、テーマであるホテルを想起させるバゲージカートとたくさんのルームキーがお出迎え。もちろんオニツカタイガーのモチーフです。最初のサプライズにワクワクしながら扉を開けると、ホテルの受付さながらのレセプションが出現。「ボンジュール!」と挨拶をして、中に入ります。
創業者 鬼塚喜八郎の直筆メッセージとアーカイヴ
最初に訪れたのは「ヘリテージルーム」。75年の進化と挑戦が詰まったアーカイヴシューズの展示、ブランドの軌跡をたどる特別写真展、創業者の鬼塚喜八郎さんがブランドに込めた想いからインスピレーションを受けたインスタレーションが行われていました。フランスらしいクラシックな内装と相まって、独特な雰囲気を醸し出しています。鬼塚氏直筆のメッセージ色紙なども飾ってありましたが、意外にもオスマン建築に馴染んでいて驚きました。19世紀後半に流行したジャポニズムは、ひょっとしたらこんな雰囲気だったのかもしれないな、などと、当時の建築の中でタイムスリップしたかのような感覚に陥るのでした。
続いて 「コンテンポラリールーム」へ。ゆったりとしたゲストルームは、さながらパリの五つ星ホテルのロビーかティーサロンといった豪華な設え。家具やクッションなど、内装のディテールにいたるまでブランドのアイコニックなイエローで彩られています。ここでは、最新コレクションや近年のコレクションアーカイヴが展示され、ランウェイショーのムービーが流れていました。
参加アーティストたちのロッカーをイメージした展示などもあり、クラシックとコンテンポラリーが融合したユニークな空間です。
音楽、食、アートを堪能
期間中、毎日13時と15時にはコンサートが行われています。この日のゲストミュージシャンは、フランス在住のマルチミュージシャン、ネリラ(Nellyla)さん。パーカッション、ウクレレ、ピアノにボーカルをミックスした、即興的な音楽を奏でます。観客はゆったりとソファに座り、「YELLOW TIGER CAFÉ」のお茶やお菓子とともに生演奏を楽しんでいました。音楽をナビゲートするのは、東京生まれパリ育ちのマルチミュージシャン マイア・バルー(Maïa Barouh)さん。彼女がキュレーションした、たくさんのローカルアーティストが日替わりでゲスト出演しています。
衣食住の「食」を提供する「YELLOW TIGER CAFÉ」では、ユニークな日本のフードカルチャーを体験することができます。監修は、ミラノで日本人初のミシュランの星を獲得した徳吉洋二さん。メニューは、おにぎり、日本風のスフレチーズケーキ、抹茶もちアイスや黒ごまのマドレーヌといった、最近ヨーロッパで流行っている日本のメニューがオンリストされています。飲み物も、柚子レモネードやほうじ茶などなど、どれにしようかと迷ってしまいます。
この日は、おすすめメニューからおにぎりとチーズケーキ、柚子レモネードをチョイス。焼印が押されたケーキも包装紙も、カフェテラスの椅子やパラソルまでイエロー尽くし。オニツカタイガーの世界観に包まれながら、お腹が満たされました。
チーズケーキ
カフェで休憩した後は「アートルーム」へ。アーティストのYutaro Inagakiさんによるライブペインティングが行われています。タイミングが良ければ実際に描いている様子を見ることができますが、制作のプロセスを垣間見るだけでも充分に楽しめます。ここで創作された作品は、2025年、この地にオープンするオニツカタイガーの旗艦店に飾られる予定だそう。
泊まれるオニツカタイガー
最後に案内されたのは「ホテルルーム」。イエローオニキスの螺旋階段を昇り、部屋に通されると、タオル、バスローブ、アイマスクなど、アメニティがすべてオニツカタイガーのモチーフ。実際に、ブランドが招待したセレブリティやゲストが宿泊できるようになっているそうです。泊まってみたい!
「業界を越えて文化人が集い、自由な感性で誰もがアイデアを交換し発信できる空間づくりを目指しています」というだけあって、衣食住から音楽、アートまでさまざまな実験的エンターテインメントを発信していたこのイベント。
「ホテル」というコンセプト通り、落ち着いた雰囲気の中でブランドの世界観を余すことなく堪能できました。普段は公開されていない、フランスの歴史的建築という特別な空間。しかも、1日100名限定の完全予約制という贅沢さも、この世界観をぐっと引き立てています。他では体験できない日本ならではのおもてなしは、全世界から訪れたゲストたちの心を掴んでいたようでした。
2025年7月、この場所に「Onitsuka Tigerパリ・シャンゼリゼ通り旗艦店」が新たにオープン予定です。
◾️Onitsuka Tiger 75th Anniversary「Hôtel Onitsuka Tiger」
会期:~ 8月17日(土)
所在地:25 avenue des Champs-Élysées 75008 Paris, France
営業時間:11:00~15:00
入場:無料(完全予約制)
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