デイビッド・アレマン
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「装飾ではない」オンのデザイン哲学
—ミニマルなデザインが多い印象ですね。
デザインは機能をサポートするためにあるものだと考えています。装飾ではなく、あくまで何か問題を解決するために存在するべきもの。例えば、小指部分に補強テープを貼っていますが、小指が当たる部分なので、一面全てテープにするのではなく中央部を開けていますし、シューレースに関しても縛る煩わしさを取り除くためにゴム紐の「イージーエントリーシューレス」を作りました。このように必ず機能や使いやすさという点からデザインを考えているんです。製品を作るときは、最適なのかという検証をしながら、何度もプロトタイプを作っていきます。荒削りの石が綺麗な小石になるような感覚です。
—「シューズ界のアップル」や「シューズ界のダイソン」と呼ばれています。ジョナサン・アンダーソンなどファッション業界にもオンのファンは多いですが、ファッションアイテムとして展開していくという意識は持っていましたか?
意識していませんでしたね。ランニングのために機能が良いシューズを買った、でも格好良いから日常でも履こうという自然な流れで広まっていったんだと思います。これは時代の影響も大きいと考えていて。2012年頃からストリートウェアが流行していますが、それまであったクラシックな考えを覆した一つの大きなトレンドの動きだと思うんです。そして、ストリートウェアが流行する中に快適さや機能、テクノロジーを求める声が多くあった。その影響でオンを見てくれる人が増えたんだと思います。
今後、ストリートウェアのトレンドが続くかどうかはわかりませんが、ただ一つ言えることはパフォーマンスへの追求は終わらないと思うんです。アクティブライフで快適に過ごしたいという現代人の欲求がある中で、仕事着と遊び着、スポーツ着の差がなく融合したものが求められるのは当然で、シーンごとにきっちりと着る服が区切られている時代には戻らないと思います。
【こちらもチェック】パリコレ裏ニュース-売れっ子デザイナーの愛用シューズは?
—パフォーマンスへの追求が求められる中で、今後オンはどのようなシューズを展開していく予定ですか?
ファッションにスポーツを落とし込んだときに見た目だけではダメなんですよね。格好良いデザインで見た目だけ良くても重さが500gだと着用者も満足しないし、履き続けようとしない。快適なものを履きたいという気持ちが人の根底にあると思うので、我々は機能性に重きを置いたシューズ作りを続けていくつもりです。
リオ五輪でニコラ・スピリグがクラウドを着用してトライアスロンの銀メダルを取りました。その一方でクラウドは、ドイツのデザインが優れたスポーツシューズのランキングで、「ナイキ(NIKE)」のエア マックス(AIR MAX)に続く2番目に高い評価を得ています。ハイファッションを扱うラグジュアリーオンラインセレクトショップ「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」では、ハイキングシューズの部門で常にランキングのトップ5に入るんです。オリンピックでメダルを狙える機能的なシューズが、ファッションアイテムとしても評価される。アクティブライフな現代人が求める時代に適したシューズの形ですし、我々だからこそ実現できたことだと思っています。
街履きを意識した初の"スニーカー"に込めた思い
—今回、これまでのシューズとは位置付けが異なるオン初のスニーカーを発表しました。オンのパフォーマンスシューズはすでにファッションアイテムとして使用されていますが、どのような意図で製作されたんでしょうか?
旅行に行ってたくさん歩くときなど、都心でも機能を求める人のために作りました。保護性を高めるためにハイカットにしていて、機能を追求して人を刺激するエッジなスニーカーということで、クラウドハイエッジと命名しました。機能面はランニングシューズと変わりません。スニーカーはもともと走るためのシューズなので、Helion™スーパーフォーム、スピードボード、CloudTec®などランニングシューズに使われている全てのテクノロジーを採用しています。ランニングブランドがスニーカーを作るということで、スニーカーだから機能を妥協して安くするということは絶対にしたくなかったんです。同じテクノロジー、同じ気配り、同じこだわりを持って、より街履きに適したスニーカーを製作しました。
—ランニングシューズを作り始めたときは「ランニングを楽しくする」という目標を掲げブランドをスタートさせました。今回発表したスニーカーの目標は?
新しいことではないかもしれませんが、刺激を求めている人、何かを始めようとしている人、冒険心がある人、好奇心がある人、イノベーションを追求したい人、人間性を向上したい人、ハンティングな精神を持っている人、そういう人たちにリーチしたいと思っています。ブランド名に込めた想いはスニーカーでも変わらず、履くことで自分のスイッチがオンになる靴を目指しています。
ランニングは人間の精神を物語っていると思うんです。人類は誕生してすぐに走り始めましたが、なぜ今もなお走るという行為を続けているのかというと、境界や限界を超えたいという基本的な欲望があるのではないかと考えています。大げさかもしれませんが、今世界中で新しいことに挑戦しようと思って面白いことをしている人はだいたいスニーカーを履いています。体だけでなく思考や精神的にも人が新しい限界を超えようとするプロセスにオンのスニーカーがあれば良いなと思うんです。
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(聞き手:林慎哉)
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