国内で活躍するブランドの最新・最鋭アイテムを紹介する連載。今回は番外編として、新鋭ブランド「NTN」のデビューシーズンとなる2023年春夏コレクションにフォーカス。編集部が展示会で実物を見て気になったアイテムを紹介します。アイテムはF/STOREから予約購入できるので、気になったアイテムがあれば是非チェックしてみてください!
目次
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sacai出身者による注目の新星、NTNってどんなブランド?
NTNは、「サカイ(sacai)」メンズ部門の元チーフパタンナー兼ブランドマネージャーの髙橋伸明が立ち上げたユニセックスブランド。様々なカルチャーからインスピレーションを得た伝統的かつ機能的なプロダクトを展開しており、国内外の上質な素材を用いて、卓越したカッティング技術をベースに、時代や人に寄り添いながら変容していくワードローブを提案。ブランド名は、髙橋のイニシャル「NT」にNを付け加えることで、プロダクトの永続性を繰り返す記号として表現しています。
ブランドでは「完成形ではなく、より良いもの作りを目指してエンドレスに試行錯誤していく」としてコレクション名は「ベータ(BETA)」と表現。デビューとなる今シーズンの「BETA 000」は、"Here to There(ここからそこ)"と題して髙橋のライフスタイルやブランドのあり方を体現しており、山登りやアウトドア、そしてクラシックアイテムという髙橋の本人の"好きなもの"を融合し、自然から都市までシームレスに着られるワードローブで構成。アウトドアウェアの機能的なディテールや構造、素材をクラシカルなアイテムに落とし込んだラインナップとなっています。カラーパレットは淡いグリーンやピンク、ブラウン、グレーベージュなどの優しい色味が多く、土や森林、太陽などの自然から着想源を得ているそう。都市の中で見いだす人工的なカラーリングと共存させることで、コレクションテーマを表現しています。
そんなNTNのデビューコレクションの中から、シグネチャーアイテムを含めた全7型を編集部がピックアップ。各アイテムの特徴や、デザインに込められたこだわりについて解説していきます。
#1:クロップド丈が新鮮、ベータジャケット
まずはじめにご紹介するのは、コレクションを制作する上で最初に作ったというベータジャケット(BETA JACKET)。クロップド丈と立体的なフォルムが新鮮なジャケットは、体が動きやすいようゆったりとしたシルエットで表現しており、展示会でも人気を集めたそう。前開きのファスナーは胸あたりから顎にかけて中心から横にカーブさせており、顔への接触を避けることで生活や運動時での着心地を向上。ドットボタンやポケットなどのディテールは、機能的でありながらも審美的にも優れたプロダクトになっており、ブランドならではのこだわりが感じられます。
アウトドアウェアのような雰囲気が感じられますが、高級衣服で使われるファスナーや、メゾンでも使用されているヨーロッパの大手老舗メーカーの生地を採用するなど、タウンユースしやすいディテールを取り入れることでモードに昇華させているのもこだわりの1つ。今後もブランドのシグネチャーとして、継続して展開していくそうです。
#2:ジャケットとセットアップで着用可能、ベータ 2タックショーツ
ベータ 2タックショーツ(BETA 2-TUCK SHORTS)は、前述のベータジャケットとのセットアップで着用可能。素材はジャケットと同様、撥水性に優れたコットンポリエステル素材で、張り感と光沢感がありつつコットンの自然な風合いがあり、体に馴染んでくれます。一見カジュアルな印象ですが、クラシカルな仕立てをスポーティな素材で表現することで絶妙なバランス感が印象的。タックを入れたことでシルエットがふんわりと広がり、軽快な印象を与えてくれます。センタープレスも入っているので、上品カジュアルなルックを実現。足元はブーツなどで重心を下げたスタイルがおすすめです。ウエストベルト先の三角形は「NTN」の「N」の文字を表現しており、さりげないディテールへのこだわりも。
#3:オリジナルのシーズンカラーで展開、 プルオーバースタンドカラーシャツ&クロップドプルオーバーシャツ
爽やかなライトグリーンが印象的なプルオーバースタンドカラーシャツ(PULLOVER STAND COLLAR SHIRT)は、腹部のポケットなどのアノラックのようなディテールがユニークな1着。ブルゾンでも取り入れられている立体的な機能構造をクラシカルなシャツに落とし込んでおり、ゆったりとしたシルエットに仕上げています。スタンドカラーの内側にはドローストリングが通されており、絞ることでシルエットの変化を楽しめます。フロントのボタンはドットボタンを採用したことで、モダンで洗練された雰囲気に。
クロップドプルオーバーシャツ(CROPPED PULLOVER SHIRT)は、前述のプルオーバーシャツの構造はそのままに、クロップド丈で提案したアイテム。優しげなピンクのカラーリングや、ルックのように潔く肌見せをしたヘルシーなスタイルは春夏の装いにぴったりです。いずれも素材は浜松の機屋のシャトル機で織られた80/1 コットンタイプライター生地を採用。手織りのような自然な風合い、張り感、独特なぬめり感が特徴です。
#4:クラシックなシルエットを採用した、ベータシャツ
クラシカルなシルエットのベータシャツ(BETA SHIRT)は、ゆったりとしたシルエットで展開。脇裾マチと左胸のポケットには、ジャケットやパンツのディテールでも見られた三角形でブランド名の「N」を表現しており、さりげないこだわりが感じられます。淡いピンクのシャツが印象的なこちらのルックでは一見、1枚のシャツを着ているように見えますが、実はベータシャツに先ほどのクロップドプルオーバーシャツをレイヤード。同じカラーリングと素材ですが、スタイリング次第で雰囲気がガラリ変わり新鮮な印象を演出してくれます。ちなみに、ルックのスタイリングはデザイナー髙橋本人が担当。「スタイリングのイメージを組み立てながらコレクションを制作しています」と話しており、展示会でもその完成度の高さが評判を呼んだそう。
#5:デザイナーの理想を詰め込んだ、ベータTシャツ&ベータクロップドTシャツ
最後にご紹介するのは、広めの身幅やドロップショルダー、太めの首元のリブなど…デザイナー髙橋が「理想のTシャツのシルエットです」と太鼓判を押すベータTシャツ(BETA T-SHIRT)とベータクロップドTシャツ(BETA CROPPED T-SHIRT)。素材は髙橋が探し求めたという、国内のニッターで織られる上品な風合いで光沢感のあるヘビーウエイト天竺を採用。また、テーラードジャケットやアウトドアウェアに見られるパターンを取り入れ、肩線は後ろに回して、肩に当たらないようにすることで着心地を追求したほか、裾と袖口の始末は通常Tシャツでは使われない三つ折り始末で張りのある素材の特性を活かすなど、"布帛的なパターンメイキング"を意識したんだとか。さりげないブランドロゴの刺繍もワンポイントになっています。1枚でサマになる、上質なデイリーウェアとしてTシャツ好きには特におすすめしたいアイテムです。今後もブランドの定番品として展開していくそう。
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