(文・佐藤秀昭)
Hello, goodbye.
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不思議なもので、年齢や環境、その時の心境で、つい口ずさんでしまうThe Beatlesの曲は変わるものだ。
You say yes, I say no,
You say stop and I say go go go.
2021年9月19日、3年ぶりに、マンダリンの楼上、上海の地を踏んだとき、自然とこのメロディーがぼくの頭に浮かんだ。
「宇宙の深遠なテーマだよね、双対性って。人は黒を持つとき、すべからく白も持つ。それは、人生の素晴らしい点なんだ」
今から55年前、『Disc magazine』のインタビューで、The Beatles 16枚目のシングル『Hello, Goodbye』について、ポール・マッカートニーは、そう語ったそうだ。
双対性。
たとえば、The Beatlesのジョンとポール。
たとえば、上海と東京。
中国人と日本人。
仕事と家族。
上司と部下。
蕎麦とうどん。
たとえば、ヒロトとマーシー。
Corneliusとオザケン。
そして、クリエイションとビジネス。
双方が存在することで初めて意味を成し、お互いを輝かせる、オセロの白と黒。
◇ ◇ ◇
右も左も分からぬまま、大学時代の友人と「トウキョウリッパー(TOKYO RIPPER)」を立ち上げ、東コレ参加も含めてクリエイションに情熱を灯した20代。
会社に入り、島耕作のようなサラリーマンに憧れ、好きな仕事で犬のように働いた30代。
家族を持ち、ニッポンのファッションを通じて、世界中の人々に楽しさや感動、豊かさを届けようとしている40代。
これまで、いくつもの出会いと別れの中で、“Yes”と“No”、“Go”と“Stop” を繰り返して、歩んできたこの道。
この度、このような素晴らしい場所に。
琥珀色の街から海を越えて、毎週月曜日、ぼくの足跡を記させて頂けることとなりました。これから綴られるであろう、中国と上海にまつわる冗文、駄文、乱文、衍文、拙文を読んでくださるすべての皆様に心からの感謝を。
你好,再见。
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