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無印良品が、「リーボック(Reebok)」と初めて共同開発したスニーカー「紳士 コートスニーカー」と「婦人 コートスニーカー」を発売した。同シューズはリーボックを代表するコートスニーカー「CLUB C 85」をベースにしており、シンプルかつクリーンな雰囲気が人気を集めている。今回FASHIONSNAPでは、無印良品担当者に直接取材を敢行。シューズ製作の裏側を探るとともに、オリジナルである「CLUB C 85」との違いはどこにあるのか、徹底比較する。
無印良品とリーボック、担当者に聞く共同開発の裏側
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⎯⎯リーボックと共同開発したスニーカーが発売になりました。初動はいかがですか?
おかげさまで大好評をいただいており、オンラインストアや一部店舗では初回納品分が数日でなくなってしまいました。価格が無印良品のスニーカーのプライスレンジよりも高かった(8990円)ので少し不安はあったのですが、まずは一安心です。
⎯⎯リーボックと共同開発に至った経緯を教えてください。
無印良品のシューズカテゴリーでは、10年ほど「疲れにくいスニーカー」というシリーズを定番で展開しているんですが、トレンドでクッション性に富んだスポーツシューズが台頭してきたことで、徐々に売上が落ちてきている現状がありました。「このままではいけない」と我々のウィークポイントである「キレイめシューズ」で次の定番シューズを作ることを課題に掲げていたのですが、なかなか納得いくものが作れていなくて。そんな時にリーボックさんとご縁をいただき、「次の定番品を作る」というヴィジョンが一致したことで共同開発が実現しました。
⎯⎯多くのモデルがある中で、ベースモデルとして「クラブC」を選んだ理由は?
理由は二つあります。一つは、「クラブC」のデザインが我々が強化したい「キレイめ」であることです。元々、テニスプレーヤーはクラブハウスに入る時は正装に着替えるため、靴を履き替えなければならなかったのですが、その煩わしさから「コートとクラブハウス、どちらにも対応できるテニスシューズ」として作られたのが「クラブC」。そのため、クリーンなデザインに仕上がっているんです。
もう一つは、40年間リーボックの定番として愛され続けていること。実際に着用している層の割合を見ても、年配や若年層に偏ることなく幅広い世代に選ばれていることが分かりました。これら二つの理由を鑑みて、「クラブC」に無印良品の物作りの考え方を加えることで、我々が目指す“定番”を作り上げられるのではないかと。リーボックさんと話し合いを重ね、ベースモデルに採用しました。
オリジナル「クラブC」とどう違う?徹底比較
無印良品とリーボックの共同開発スニーカーはベースとなった「CLUB C 85」とどこが違うのか。デザインや素材、価格などあらゆる面から比較する。
価格
まず大きな違いは価格。オリジナルの「CLUB C 85」は品番によって価格が異なるものの、一番リーズナブルなもので1万1000円から。対して無印良品とのモデルは8990円と、オリジナルと比べて手に取りやすいプライスとなっている。
素材
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オリジナル「CLUB C 85」では、基本的に全てレザーを採用。無印良品とのモデルでは、ベースにはレザーを採用しながらも、部分的に人工皮革を使用している。人工皮革を用いているのは踵のループがついている部分や、サイドの部分。レザー部分は、切れ目に青っぽく革の色が残っているため判別できる。
ロゴの有無
他の無印良品の商品と同様、無印良品とリーボックの共同開発モデルには、シュータンやサイドなど、アッパーのあらゆる部分にロゴが入っていない。
踵のループ
無印良品とのモデルには、踵部分にオリジナルにはないループがついている。「無印良品はお客様の日常に寄り添うプロダクトを提案しているので、着用時の煩わしさを軽減する工夫としてループを追加した」(担当者)。指を引っ掛けやすいよう、左足は左に、右足は右にループを傾けている。
ソール
無印良品とのモデルでは、リーボックの独自技術「DMXマイクロバブルテクノロジー」を搭載した、定番モデル「コートアドバンス」などで使われているソールを採用。カップソールの中に気泡を入れることで反発力を高め、高いクッション性を追求したという。基本的にロゴは使わない方針だが、リーボック社のソールをそのまま使っているため裏面のみ「Reebok」のロゴが入っている。
踵内側の生地
同じく着脱時の快適性を向上させるための工夫として、無印良品とのモデルでは踵内側の生地をオリジナルよりも滑りの良い生地に変更。かなりニッチな変更点だが覚えておこう。
シューレース
踵内側の生地と合わせて、シューレースも凹凸のないものに変更している。
以上が、オリジナル「CLUB C 85」からの変更点だ。変更点が多いか少ないか、自分の足元やライフスタイルにマッチするか、捉え方は人それぞれだろうが、購入を迷っている人はぜひ参考にしてみてほしい。
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