【ネタバレ注意!】もっと、「ジェントルメン」の話
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ここからは、同い年編集部員である「フルカティ」と「マサミーヌ」による、ネタバレありきのゆるい座談会をお届け。「ジェントルメン」観劇後の余韻に浸りながらゆる〜くどうぞ。(本当にゆるいです!)
フルカティ:普段はアートやカルチャー関連のほか、東京のデザイナーズブランドなど担当。テレビ東京の深夜ドラマ「来世ではちゃんとします」に今更ハマり、人生で初めて塩顔男子に開眼中(松田くん派)。
マサミーヌ:普段はビューティやコスメ関連の記事を担当。オタク気質で、最近はバレエとオーケストラ鑑賞にハマっている(ドラマはいつもバルコニー席から生まれるの♡)。
フルカティ:私は、映画におけるフォント厨みたいなところがあるんだけど。ホアキン・フェニックス主演の映画「ジョーカー」がヒットしたあたりから流行っている、冒頭に大きなタイトルフォントを「ボン」と出す演出に少し飽き始めていたんだよね。だから、「ジェントルメン」が冒頭でわりとしっかりめのオープニングクレジットを演出として入れてきたのはなんか嬉しかった。
マサミーヌ:私もあのオープニングクレジットは「おお〜!」と思ったよ。最近の映画の流行に「リアリティさ」があると思うんだけど、ジェントルメンのオープニングは「さあ、映画がはじまりますよ!」という感じで、フィクションを思いっきり楽しめる下準備があったよね。オープニングクレジットはなんとなく「007」シリーズを彷彿とさせなかった?
フルカティ:「英国紳士」だし意識はしているかもね。ジェントルメンに出てくる登場人物は全然、英国紳士じゃないけど(笑)。
マサミーヌ:ずっと映画「ジェントルメン」の中で、私立探偵のフレッチャーが脚本を務める映画「ブッシュ」を見させられることになるけど、ラストシーンでは「これは映画が大好きなフレッチャーのただの妄想だったのかも……?」と思わせる仕掛けもエンタメ映画としてはたまらない脚本だった。
フルカティ:フレッチャーが書いている脚本の名前も秀逸だったよね。ブッシュ(BUSH)は、マリファナの隠語。そして英語で「未開拓」「藪」という意味もある。マリファナビジネスの「縄張り争い」を描く本作において、フレッチャーの脚本名は作品全体のトーンを端的に表しているな、と。
マサミーヌ:劇中でミッキーを森の中で1番強いと言われている「ライオン」に例えるシーンもあるし、「開拓者」という言葉で形容する台詞もあったもんね。
フルカティ:「マリファナが合法化されると、市場価値が落ちる!」という話が劇中に出てくるけど、どれくらい現実的な話なんだろうね。
マサミーヌ:ニューヨーク州は、ついこの間マリファナ合法化に動き出したよ。時代的にはYouTubeを思わせるような演出もあるし、間違いなく「現代」の話なんだけど、出てくる車が割とヴィンテージカーのような見た目だったりしてて。そこはちょっと気になったかな。一方で、そういう「架空さ」があるからこそ物語的感覚(フィクション)でみれた部分もあるんだけどね。
フルカティ:私も、時代考証がよく分からないなと思う点はあった。例えば、登場人物の今の時代にはそぐわない偏見に凝り固まった台詞とか。大富豪のアラブ人は結構ステレオタイプな「オネエ」動作をするし、わかりやすく白人じゃない人がヒールだったり……。気にしすぎなのかもしれないけどね。
マサミーヌ:「古き良き」を感じさせる映画だからなのかもしれないけど、「今から見るとそれが結構差別っぽくない?」といういやらしさが透けて見えるシーンは確かに結構あった。チャイニーズマフィアの名前が「ファ・アック」である必要はまったくないもんね(笑)。
フルカティ:そうかと思えば、ミッキーの妻がめちゃくちゃ強いじゃん。
マサミーヌ:こういう「ザ・男社会」みたいな映画の中に女性キャストがいると人質にされがちだけど、トゥーマッチなくらい強いよね(笑)
フルカティ:そうそう。「その銃お前が使うんかい!」と思ったもん(笑)。
マサミーヌ:個人的には妻のキャラすごい好きだったな。男にハニートラップを仕掛けるみたいなシーンがなくて、安心してみれたよ。
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