マルニ 2025年春夏コレクションの会場にて
Image by: Alejandra Loaiza(FASHIONSNAP)
俳優の上杉柊平さんがイタリアへ。4日間という限られた時間の中で、「マルニ」のショーへの出席など、どれだけのウィッシュリストを叶えられるかに挑戦。好奇心と行動力にあふれる上杉さんならではの弾丸旅が始まります。
目次
最大限のインプットを即興的に楽しむ旅
俳優やヒップホップクルーとしての活動はもちろん、自身のYouTubeでは家具や車好きの一面も公開している上杉さん。「映画も音楽も、それ以外のことも、全部自分の中から生まれることしかやっていないし、どうやっても全てが勝手につながってきます。だからなるべく多くのインプットをするようにしています」。
今回はまずミラノから旅がスタート。旅は計画を立てすぎず、即興的に楽しむタイプだそう。「あまり予定どおりに行かないんですよね。『明日は◯時に起きて、◯◯に行って』と決めていても、夜中の3時まで飲んじゃったりして」と笑います。さて今回は、どんな発見や出会いがあるのでしょうか。
①マルニのファッションショーに出席したい
以前からマルニを愛用しているという上杉さんは、今回スーツケースに詰めた服も全てマルニ。「僕は着ているものによってけっこう気分が左右されるんです。鏡に映る自分を見たときにテンションが下がったりしないように、ふだんから何を着るかは大事にしています。マルニはシンプルだけど、シルエットにちゃんとこだわった服を毎シーズン作っていますよね」。
今回の一番の目標は、ミラノファッションウィークのショーに出席すること。そのために選んだ勝負服は、フロックド加工を施したグラフィックジャケット。「アンダーグラウンドの要素を感じさせるシルエットで、ちょっと悪そうなイメージがあって、これはカルチャーを背負っていないと着こなせない。フロントに立って何かをやるなら、自分に一番フィットしたものを選ぶ責任はあると思うので、こういう機会でもなるべく自分に近いものを着たいなと思っています」。
Video by FASHIONSNAP
ショー会場はマルニのショールーム。真っ白な空間の中に椅子がランダムに置かれ、3台のグランドピアノが配置されています。会場では全米で絶大な人気と影響力を誇るラッパー/プロデューサーのフューチャー(Future)とも会場で出会い、言葉を交わすシーンも。ここでは俳優・上杉柊平ではなく、「KANDYTOWN」のMC・Holly Qとしての表情が垣間見られました。
今シーズンのマルニは、美を「庭を駆け回る白いウサギ」に例え、それを追い掛ける「速度」を表現。華やかなバラのプリントや、本のページを貼り付けたドレスなど、ユニークなルックが次々と登場しました。3人のピアニストがデヴ・ハインズ(Dev Hynes)の曲を奏でる中、客席をジグザグに歩いていくモデルたちは、まるで深い森に迷い込んだかのよう。ウサギの姿を追い掛けているうち、いつしか見知らぬ場所に迷い込んでしまったような不思議な世界観が描かれました。
マルニ 2025年春夏コレクション
Image by: MARNI
ショーの後「このシンプルな空間にものすごく複雑な動線を張り巡らせて、でもその中でちゃんとファッションに目が行くように計算されていて圧巻でした。コレクションの服はレディ・トゥ・ウェアと違って『見せにきている服』がたくさんありますね」と語る上杉さん。バックステージではクリエイティブ・ディレクターのフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)との対面を果たし、「素晴らしいショーに招待してくれてありがとう。今度東京に来るときは一緒に遊びましょう」と話しかける場面も。
Video by FASHIONSNAP
クレヨンフロック コクーンジャケット 68万3100円、コットンサテン カーゴパンツ 15万6200円、“DADA DERBY” ダービーシューズ 12万7600円
②ミラノの高級ブティック街で買い物したい
次なる上杉さんのウィッシュリストはショッピング。ミラノのモンテナポレオーネ通りにあるマルニのブティックは、フランチェスコ・リッソとウィルソン ブラザーズ アンド ブリンクワース(The Wilson Brothers & Brinkworth)によって考案されたもの。マリンブルーのカーペットと鏡面のタイルで覆われた空間に、ブランド独自のガーメントレールが美しい曲線を描きます。
ショッピングするときは直感を大事にするという上杉さん。「ぱっと見て、いい柄、いい素材と思ったものは試着して、シルエットに問題がなければ買います」。店内で様々なアイテムを試着した結果、一番気に入ったカーディガンを購入しました。マルニでは購入アイテムをメンディング(刺しゅう)でパーソナライズできるイベントを不定期で開催しているため、後日それを利用する予定だそう。
Image by: Alejandra Loaiza(FASHIONSNAP)
Video by FASHIONSNAP
ダブルフェイスシャツ 27万2800円、コットンギャバジン チノパンツ 10万6700円、PABLOスニーカー 10万7800円
③おいしいローカルイタリアンが食べたい
今回の旅では、もちろん食事も大事な要素です。旅先では、絶対にローカルのものを食べるという上杉さん。「カツレツも、シンプルなチーズのパスタも美味しかったし、薄くスライスしてズッキーニをマリネしてリコッタチーズとレモンを加えた前菜は、バジリコのペーストが入っていてめっちゃ美味しかった」とグルメトークが止まりません。料理好きの上杉さんにとって、イタリアはやはり特別な国のようです。「僕、お酒はそんなに飲まないんですけど、こっちのワインは保存料が入っていないから、1本飲み切っても全然二日酔いもない。やはり食に強い街ですね」。
トロピカルウール メンディングシャツ 11万6600円
④ヴェネツィア国際映画祭の開催地に行きたい
ミラノでの滞在を満喫した後は、ヴェネツィアまで足を伸ばし、そこから水上バスで離島を巡ります。リド島は、カンヌ、ベルリンと並んで三大映画祭の一つとされるヴェネツィア国際映画祭の開催地。出席者たちが常宿にしているベルモンド ホテル チプリアーニ(Belmond Hotel Cipriani)はレストラン付きのウォーターフロントホテルで、ヴェネツィアの街を対岸から眺めることができます。「ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)監督の映画みたいなパステルカラーがきれいで、すごくかっこいい。いつか泊まってみたいな。やはり俳優としてちゃんと責任を持って映画祭に参加してみたいし、目標の一つにはなった感じがします」。
Image by: Alejandra Loaiza(FASHIONSNAP)
⑤水の都・ヴェネツィアを散策したい
そしてヴェネツィアの風景もしっかりと目に焼き付けます。この街は、かつてナポレオンが「ヨーロッパで最も美しい広場」と称したサン・マルコ広場やサン・マルコ寺院、ドゥカーレ宮、その周辺の老舗カフェなど見どころがたっぷり。また、この街には「バーカロ」と呼ばれるヴェネツィア独特の立ち飲みスタイルもあり、気軽にお酒を楽しみながら様々なおつまみが楽しめます。「欲しかったヴェネツィアンガラスを買って、川沿いでお酒を飲みました。ヴェネツィアはやっぱり景色が美しくて、歩き回れて楽しかったです」と満足そう。
Image by: Alejandra Loaiza(FASHIONSNAP)
デニムジャケット 21万8900円、メンディングヘムデニムパンツ 12万9800円、クルーネックTシャツ 5万9400円、PABLOスニーカー 10万7800円
4日間でファッション観が変わった理由
ミラノからヴェネツィアまで、たくさんのインプットを得た今回の旅。「イタリアは、ファッションをエンタメや商業だけで捉えていない感じが好き。ファッションウィークの存在が、日本でいう『お盆』くらいの感覚で市民に浸透していますよね。この4日間でファッション観もすごく変わりました。日本にいるとバタバタして『スウェットでいいや。どうせ現場に行って着替えるし』という気分になりがちだけど、今回みたいにおしゃれをして外に出ると毎日楽しいなと思って。あと、イタリアでは街を歩く人が『見ろよ、俺の服』というアティテュードで着こなしているのがかっこいい。帰国したら断捨離から始めます。カジュアル過ぎる服は、もう着ないな」。
ダブルフェイス ウールコート 37万700円
叶えたかったウィッシュリストは全てコンプリートできたと思いきや「あ! 叶えたいことがもうひとつ、赤いベスパで街を走りたかった。でもこっちで使える免許がないから、まだ無理か」と笑う上杉さん。次回は国際免許を取得して、有名なイタリア製スクーターに乗って街を巡ることになるかもしれません。
今回の旅の様子はYoutube「上杉柊平の3rdPlace」でも近日公開予定。こちらもお楽しみに。
問い合わせ先
マルニ ジャパン クライアントサービス 0120-374-708(月~金 10:00~19:00)
上杉柊平 | Shuhei Uesugi
東京都出身。高校生活をオーストラリアで過ごした帰国子女。2015年にドラマ「ホテルコンシェルジュ」で俳優デビュー。2016年に「とと姉ちゃん」でNHK連続テレビ小説に初出演。同年「シマウマ」で映画初出演を果たす。映画「八犬伝」は10月25日に公開予定。@shuheiuesugi8
photography: Alejandra Loaiza, styling: Kazu Nagai, hair & makeup: Mio Iguchi | text & edit: Fuyuko Tsuji, project management: Mizuki Okuhata (FASHIONSNAP)
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