2021年8月から年6回、継続的に実施している「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」と伊勢丹新宿店のコラボレーションプロジェクトが好調だ。マメ クロゴウチと伊勢丹新宿店は、ポップアップ開催や三越伊勢丹オンラインページでの連載など様々な取り組みを実施しており、3月29日にスタートしたポップアップストア「FUN」では入場の事前抽選が行われ、定員数の倍の申し込みが殺到。ブランドとコラボプロジェクトの人気を裏付けている。
「マメ クロゴウチのファンも、まだブランドを認知していない人も、お祭り気分で楽しんで欲しい」というデザイナー黒河内真衣子の想いから名付けられた今回のポップアップストア「FUN」は、2022年春夏コレクション以来、3年ぶりに伊勢丹新宿店の本館1階のザ・ステージで開催。伊勢丹新宿店本館3階 リ・スタイル バイヤーの神谷将太氏は、同館でも最も人通りが多い1階の催事場という立地を踏まえ、伊勢丹新宿店の“顔”とも呼べる同会場を「特別な場所」と形容し、マメ クロゴウチの広報担当者も「弊社に限らず、あらゆるブランドにとってザ・ステージでの催事は特別なイベント」とコメントした。2023年春夏コレクションのテーマである⽵を彷彿とさせる和洋折衷の店頭装飾は、マメ クロゴウチの青山店と今年2月にオープンしたマメ クロゴウチ 伊勢丹新宿店と同じく、デザイナー柳原照弘が手掛けた。
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特別なイベントに対する同ブランドの想いは、ポップアップストアのアイテムラインナップにも反映されている。今回のポップアップに合わせて三越伊勢丹限定で展開されるエクスクルーシブアイテムは、過去のコレクションの中から7点のアイテムを黒河内自身がセレクト。素材やカラー、パターンをアップデートして特別に製作された。中でも、スズラン柄の刺繍が胸元にあしらわれたドレス(23万1000円)は、顧客からの再販のリクエストが多いアイテムで、今回のポップアップに合わせて、刺繍の色と裾丈を再構築するなどして展開されている。また、2023年春夏コレクションのランウェイショーで登場した「履物 関づか」とのコラボレーションによる履物(4万2900円)を、独占先⾏販売。「服をラインナップするだけではなく、服以外のものも何かお客様に持ち帰っていただきたい」という想いから、2023年春夏コレクションテーマ「Bamboo Groove」をイメージした琥珀糖の和菓⼦(4320円/すべて税込)を数量限定で販売している。
2011年秋冬コレクションから取引が始まり、2021年8月から継続的なコラボプロジェクトを実施している両者だが、その反響は年々高まっていると神谷氏は話す。
「毎回、ポップアップイベント開催初日の夜から三越伊勢丹公式オンラインストアで販売される限定アイテムは、定常的に即完、売り切れ必須と大変好評です。顧客からの熱量は通常のコレクションアイテムと比較しても高く、今回のポップアップテーマ『FUN』に合わせて生み出された別コンセプトの限定アイテム7型も反響が大きいのでは、と予測しています」(伊勢丹新宿店本館3階 リ・スタイル バイヤーの神谷将太氏)
伊勢丹新宿店では、2023年2月から伊勢丹新宿本館3階リ・スタイルにも常設店「Mame Kurogouchi Isetan Shinjuku」をオープン。「長期的なヴィジョンの過程の中にある」とした上で「リ・スタイルという共通環境の中で、他のブランドと比較検討するのではなく、マメ クロゴウチというブランドの世界観やバリエーションの中で比較検討したいという顧客のニーズが高まった」とし、商品の買い付け強化とリ・スタイルでは異例の常設店設置の経緯について語った。オープンから1ヶ月弱と、定量的な情報はまだ集まっていないものの、売り上げは順調に推移しているそうだ。
伊勢丹新宿本店では婦人服・洋品カテゴリー全体としても売上は好調で、2月度は前年比50.5%伸長した。神谷氏によると、マメ クロゴウチは「リ・スタイル取り扱っている約70ブランドの中でも上位に食い込む売り上げ実績を残している」とし、同店の婦人服カテゴリーを牽引する存在になっているという。
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