メゾン マルジェラ オモテサンドウ
Image by: Maison Margiela
「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」の表参道店が、GYRE1階にリロケーションオープンした。2007年より同ビルの2階に店舗を構えていたが、売り場面積を390平方メートルの都内最大規模に拡張し、新たなコンセプトで生まれ変わった。レディ・トゥ・ウェアやバッグ、SLGを含むフルラインナップを扱っており、中央には広々としたシューズエリアが設けられている。
以前の店舗は、シグネチャーカラーの白で統一された、ピアノのような什器が特徴的な空間だったが、新店ではニューコンセプトを反映し、ベージュのトラバーチンが基調となった内装でイメージを刷新。外装・内装ともに、メゾンの新しいモダンなデザインコードである「しなやかな曲線」で形作られており、ゆるいカーブを描いた棚やベンチなどが並ぶ。
Image by: Maison Margiela
同店のコンセプトには、クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノ(John Galliano)がメゾンで確立した「視覚的言語(visual language)」を反映。メゾンのクリエイションの核として打ち出すコードを建築に落とし込んだ。特に印象的なのは、服を本質的な部分まで削ぎ落とし、核となる構造をあらわにするテクニック「デコルティケ(décortiqué)」を取り入れた、不完全なフォルムの什器だ。ディスプレイテーブルや椅子は、その歪んだデザインがまるでアート作品のよう。エントランスにある三連の鏡は、メゾンのパリ本社に飾られている鏡にちなんだデザインで、こちらもユニークな形状が目を引く。
最新のCo-edコレクションがディスプレイされるウェルカムエリア
Image by: Maison Margiela
また、本来は上に壁紙を重ね、内側の素材として使用される石膏の壁もディスプレイに取り入れられた。よく見ると布地が貼り付けてあったようなテクスチャーとなっており、こちらも、かつてあった物へのメモリー(記憶)を呼び起こすメゾンのコード「メモリー・オブ(memory of)」を表現している。店舗の奥にはダークグリーンで彩られた4つのフィッティングルームと、専用エントランスを備えたVIPルームが設置され、特別なショッピング体験を提供する。
店内奥のフィッティングルーム。ハンドブラッシングで何層にも塗り重ねられたハイグロスのダークグリーンが、深い光沢を創り出す
Image by: Maison Margiela
オープンを記念して、リミテッド・エディションのアイテムが登場。アメリカンチェックのインターシャニットのカーディガン(26万6200円)とベスト(21万2300円)が、限定カラーのブラウンで販売される。透明のナイロンがベースになっており、作業工程を彷彿とさせるメゾンのコート「ワーク・イン・プログレス(Work in Progress)」を象徴する、むきだしになったカラフルな糸が浮遊感を表現。セットアップで着ても、他のアイテムとのレイヤードで着ても楽しめそうだ。
「ペンドルトン(PENDLETON)」のコラボレーションコート(53万9000円)は同店で先行販売した後、今秋に伊勢丹新宿店でも展開予定。正面から見るとオーソドックスに見えるが、ライニングに「ペンドルトン」のチェックを施し、背中には大きなラベルが縫い付けられた大胆なデザインとなっている。
「ペンドルトン」のコラボレーションコート(53万9000円)
Image by: Maison Margiela
さらに、エコファーとエコシアリングを使用したアイコンバッグ「5AC」が、リミテッド・エディションとして登場。ミディアム(H24×W35×D17cm 43万3400円)、ミニ(H18×W26×D13cm 36万5200円)、マイクロ(H15×W22×D10cm 32万8900円)の3サイズを揃える。また、籐のハットをアップサイクルし、バッグとして再構築した「レチクラ(Recicla)」シリーズのハットバッグ(H34×W15×D13cm 13万900円)は、鮮やかなカラーバリエーションが魅力。もとのピースの原産地と年代、アイテム名を示す「レチクラ」を象徴する白いラベルが施されている。
エコファーの「5AC」ミニ(H18×W26×D13cm 36万5200円)
Image by: FASHIONSNAP
表参道に面するショーウィンドーには、真っ赤なコートを着用したマネキンが登場。こちらは2022年の「アーティザナル」コレクションからの1着で、これと対になったルックは現在、渋谷のパークウェースクエア2で開催中のインスタレーション「シネマ・インフェルノ」で展示されている。「アーティザナル」はオートクチュールにあたるコレクションだが、そのデザインコードや技術は、プレタポルテにあたる「Co-Ed」コレクションとリンクする。渋谷と表参道店の両方に足を運べば、メゾン マルジェラの世界観をより深く堪能できるだろう。
今月22日には「エムエム6 メゾン マルジェラ オモテサンドウ(MM6 Maison Margiela Omotesando)」のリニューアルオープンを控えている。関連ショップが次々と新しくオープンし、表参道エリアがさらに盛り上がりそうだ。
(すべて税込)
■メゾン マルジェラ オモテサンドウ
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE1階
営業時間:月曜~日曜(不定休)
電話番号 :03-5778-0891
■メゾン マルジェラ「シネマ・インフェルノ」で没入体験——もっと楽しむための完全ガイド
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