東急プラザ表参道原宿の新フロア「LOCUL」が目指す新しい商業のカタチ

1日1平米から出店可、仕掛け人に聞く開発の裏側

 サブスク制でメンバーなら“一日1平米”から出店可能──東急プラザ表参道原宿5階にこれまでにない商業フロアが誕生した。その名は「ローカル(LOCUL)」。サブスク型ポップアップスペース、オフィス、カフェ、ギャラリーから構成され、区画が存在しない1フロアの空間にはファッションからビューティ、フード、カルチャーまで多種多様なブランドの売り場が入り交じるように立ち並ぶ。

 ここで打ち出しているのは、従来の定借契約ではなく全く新しい事業モデル「シェア型リテールコミュニティ」だ。仕掛け人であるリアルゲイトの渡邊学氏、Project Oの栃澤克次氏、DDAAの元木大輔氏がLOCULで目指す「新しい商業のカタチ」とは?

◆ローカル(LOCUL)とは?
東急プラザ表参道原宿5階、約1000平方メートルの1フロアを活用し、多様な個性や文化をもったヒト・モノ・コトが自然と集まり繋がる「シェア型リテールコミュニティ」を打ち出した新しいかたちの商業施設。名称はコンセプトである「Lo-Fi Culture Collective」と、街に開かれたコミュニティを示す「LOCAL」に由来。ポップアップスペース、オフィス、カフェ、ギャラリーから構成され、ポップアップスペースはサブスクリプション型のメンバーシップに登録すれば1日1平方メートルから出店することができる。トータルディレクション&オペレーションマネジメントはリアルゲイト、トータルクリエイティブディレクションはProject O、フロア全体のインテリアディレクション・デザインはDDAAが担当。

着想源は商店街

―LOCULで打ち出す「シェア型リテールコミュニティ」とはどのようなものでしょうか。

リアルゲイト 渡邊学(以下、渡邊):シェアオフィスのビジネスをずっとやってきた中で、リテールにも「シェア」の概念を取り入れたいと思い、販売スペースから什器、ノウハウ、それぞれのコミュニティまでもシェアできるコミュニケーションの場をイメージしています。シェアオフィスに入居している人たちが空間を作っていく部分があるように、リテールもコンセプトにまず共感してくださったメンバーたちと一緒に考え、物怖じせず変化していく空間にしたいと考えています。

―事業モデルの着想源は?

渡邊:僕の中ではまず「商店街」のイメージがあって。商店街って、魚屋さんの隣に八百屋さんがあったりして、たとえば魚屋さんがちょっと不在にする間、八百屋さんに店番を頼んだり、というコミュニケーションが生まれているじゃないですか。お客さんも大根を買う時に「あのおじちゃんのとこで買うか」みたいな、そういうお互い応援し合えるような空間を作りたいなと思って、コミュニケーションを重視できる運営スタイルを考えました。元々、(Project Oの)栃澤さんによりコンセプトはある程度作られていたので、そこに対して内容を膨らませていったかたちです。

男性のインタビューカット

リアルゲイト 渡邊学取締役

Image by: FASHIONSNAP

Project O 栃澤克次(以下、栃澤):3年ほど前に東急さんから、当初はこの5階だけではなく「商業施設の事業モデルを変えたい」というご相談をいただいていました。そこで、どんな商業施設なら出店したいと思うか、半年〜1年ほどかけてD2Cブランドから大手企業までいろいろな方にヒアリングをしていったのですが、そこで見えてきた課題が「小規模のブランドでも出店しやすい仕組みを作ること」でした。ブランドはお客さんとのつながりを求めていますが、賃料やリースライン、初期投資といった部分が足枷になっていて、表現者は増えていても出店するプレーヤーはどんどん減っている。その状況を変えていきたいと考えました。企画が固まる前にチームで取り組みたいと考えて、リアルゲイトさんとDDAAさんの2社にお声がけしました。

―空間デザインは元木さんが手掛けていますね。イメージソースはありますか?

DDAA 元木大輔代表(以下、元木):お話をいただいた時点で「商店街みたいな」という話はすでに出ていました。僕たちの事務所がある中目黒に何軒かモデルにしたお店があるんです。その人たちがどんな風に街を使いこなしているかというと、9時-5時で仕事して帰宅、というオンオフが区別されているような感じではなくて、例えばお昼休みに子どもを自転車の後ろに乗せてどこかに行っちゃったり、商品を並べた横で夕方ぐらいから七輪を出してきてどんどん食べ始めちゃう、みたいな(笑)。ここはオフィス、ここは住宅といったように機能で区分けしてデザインされることが多いですが、実際の生活ってもっと“ジワっ”とつながっている。それと同じように境界を溶かしていくことを考えられないかと思ったんです。

―具体的にどういったところに“商店街”の要素を落とし込まれたのでしょうか。

元木:商店街に並ぶお店は手前が商いの場で奥が生活する場所になっているように、オフィスの手前にはコミュニケーションをとれるような軒先エリアが準備されています。例えば、オフィスに入居するゲームの制作会社が軒先に誰でもゲームを体験できるスペースをつくったり、家具ブランドが家具製品を実際に使える空間にしてみたり、物販をしてみてもいいと思う。つまり、「ここからはオフィスで、ここからは商業施設」と分けるのでなく、オフィス空間と商業空間がグラデーションで滲み出ているような状態にしたかったんです。オフィスエリアの中心も掘りごたつをつくって、その周りに縁側状のベンチが取り囲むレイアウトとすることで、入居者が団らんできる場所をつくりました。

掘りごたつ
売り場の様子

掘りごたつのスペース

Image by: FASHIONSNAP

―オフィスっぽくない空間が新鮮でいいですね。この5階のフロアにはもともと何があったのでしょうか。

栃澤:元々は「ヴィレッジヴァンガード(Village Vanguard)」や雑貨、コスメのお店が並んでいました。東急プラザ表参道原宿は開業して10年以上が経ちますが、商業施設は開業当初にフロアごとをコンセプトに沿って作っていても、テナントの入れ替えで結果的に「コンセプトが崩れた」と捉えられがちです。ならば、最初から“ぐちゃぐちゃ”の状態が魅力に見えるようにしていけばいいのではないかと考えました。

―目指したのは「新しい商業施設」ではなく「新しい商業モデル」。

栃澤:「新しい商業施設」をつくるとなるとプロトタイプが決まってしまうので、あまり面白くないのかなと。従来のリースラインを採用すると、誘致するブランドは大抵、有名ブランドや新ブランド、海外初・日本初といった話題のブランドになりがちです。一方で、D2Cブランドがイベントやポップアップに出店しても「儲からない」「お客さんが来ない」といったケースもよくあって、そういった課題を解決するために「一日1平米」という短期間かつ小規模スペースでも、必要な分だけ投資することで出店できるような仕組みを作りました。

元木:キーワードとして、特に「若い世代が入りやすいようにする」ことは意識したんですよね。床に1メートルのグリットを引いて、1平米ごとに貸せるような仕組みも考えましたが、最終的に行き着いたのは「本当にリースラインって必要なの?」ということ。小さい規模でも良いから、とにかく枠にとらわれずに軽やかに出店できる状態が必要なんじゃないかと、壁一枚から借りられるギャラリーや、ハンガーラック一個から出店できるポップアップといったように、什器ごとに貸し出すアイデアを取り入れました。

3人のインタビューカット

取材も掘りごたつのスペースで実施された

Image by: FASHIONSNAP

均質化するまちづくりに警鐘

―原宿エリアはファッションを中心にさまざまなトレンドが生まれた街ですが、皆さんは原宿に馴染みはありますか?

渡邊:僕はあまり通っていなかったですが、流行っていましたよね。裏原とか。

元木:僕たちの世代(1981年生)は、例えば裏原宿のような、表参道と明治通りから一本入ったところに並ぶ面白い店によく行っていたと思います。渋谷側のキャットストリートのところも大きな建物がなくて、「裏なんとか」「奥なんとか」といわれている走りとなった場所としては面白かったですね。渋谷〜原宿〜表参道は歩いていけるぐらい近いのに、それぞれの「らしさ」があって、それが表参道の交差点に向かって交錯し合っています。20年ぐらい前のホコ天があった時の印象はいまだに強く残っていて、その時代と比べると裏に人が集まりすぎて“表化”しちゃっていると思うんですよね。その表をどうやって面白くしていけるのか、というのは考えています。

男性のインタビューカット

DDAAの元木大輔代表

Image by: FASHIONSNAP

渡邊:原宿は観光地化しちゃいましたよね。味気ないというか、味があるようで味がないような。そこは最近、街として面白くないなと見ていて思います。

―近年は街の再開発が活発に進む一方で、「街の個性」が失われているという意見も聞こえてきます。

元木:街が駅前から面白くなることってほとんどないんですよね。人が集まるから結果的に家賃が高くなって、家賃が払える大きな会社しか入れなくなり、どんどん均質化してしまうというのが都市開発や街の常なんです。そうではなく、また新しかったり若かったりする組織がもっと軽やかに使える状態を生み出したい。そこがこのプロジェクトの面白いところだと思います。

栃澤:本来、街は「個人や仲間で活躍できる舞台」なんですよね。それが街が主役になると個人が埋もれて、街にスポットライトが当たっていってしまう。どの街にも文化とか面白い人はいるけれど、街の方だけがどんどん大きくなってしまったことで、そこにある文化や面白い人の存在が見えなくなったというのはあると思うんですよね。まちづくりには商業施設が深く絡むことが多いですが、街にこんなにもたくさんの人がいるのに、その人たちが商業施設の中に入ってこない。それはすごい寂しいことだなと思います。でもみんな商業施設が嫌いなわけではなくて、ただ、中に入りたいと思わせる何かがない。なんとなくふらっと入って、上のフロアに行く途中にも足を止めてぐるっと回る、ということがまた実現できれば、それぞれの街の良さはまた戻ってくるんじゃないかと思いますね。

従来の商業施設にはない出店のメリット

―テーマには「PROCESS」「FREEDOM」「LO-FI」「CREATION」「ORGANIC」「DICOVERY」の6つを掲げています。

栃澤:それは結構思いつきで言っています(笑)。一個のパワーワードを決めて、それにそぐわないものは全部排除してしまうのは違うなと思っていて。その言葉に共感する人もいればそうじゃない人もいるので、「私これ好きかも」とか「なんかこれ良いよね」という温度感で関わっていけるような緩い感じにしたいと思っています。それに今後、発信していく言葉はどんどん変わっていくと思うんですよ。そこに意味がある。

男性のインタビューカット

Project Oの栃澤克次取締役

Image by: FASHIONSNAP

―常にリニューアルが起こっている状態?

栃澤:そうですね。典型的な商業施設はオープンした時がピークで、そこから少しずつ風化していってしまうつくり方が多いですが、スタートがピークであってはいけないと思います。できれば成長してもっと面白い状態になって、変化していくこと自体に価値を持って集まってくれるコミュニケーションがここで生まれたらいいですね。

―オープン時の出店ブランドはファッションからビューティ、雑貨、フード、カルチャーまで幅広いですね。

渡邊:ジャンルやカテゴリーは制限していません。いろいろなものが入っていて良いと思うんですよね。売り場も一般的なMDだとモード系ならモード系で固まっていたりしますけど、もうぐちゃぐちゃでいい(笑)。でもメンバー同士で世界観を合わせたいな、といった意見があれば話し合いの上でフレキシブルに対応します。場所も今はこの形ですけど、来週になったら変わっている、そんな空間になると思います。

■8月1日オープン時の出店ブランド
・PLAY - フラワーデザインスタジオ「MUNSELL」が手掛けるフラワーショップ
・JAZZY SPORT - ミュージック&カルチャースタジオ
・長屋/NAGAYA - 麹甘酒および調味料のブランド
・キュリアスデザイン - アパレルブランド
・muddler - ヴィンテージショップ
・WRECKER & DONUTS - ヴィンテージアイテム
・志津野雷/CINEMA CARAVAN - フォトギャラリー
・CINEMA AMIGO - ミニシアター
・PERMANENTE TOKYO - 京都発祥のコンセプトストア
・AT.1011 - グリーン&ヴィンテージショップ
・inew - アートギャラリー
・JUJUBODY - ウェルネスブランド
・DDAA Inc. - アトリエ兼ギャラリー
・EXplanning&company - カフェ&ダイニング
・TASHIMART - ガトーショコラショップ
・Mi Double - ジュエリー
・CHIEHOSONUMA.JW - ジュエリー

―出店にはメンバーシップ登録が必要とのことですが、具体的なシステムを教えてください。

渡邊:メンバーシップ登録の具体的な条件は特に設けていませんが、あるとすればヴィジュアルで世界観を表現できて、中途半端ではないブランド運営ができている人を対象としています。一番大事なのはLOCULのコンセプトを理解し、共感してくれていることですね。基本的には対面で1ブランドずつ話をさせていただいています。

―仮にコンセプトに共感していても世界観が異なると判断した場合はお断りすることも?

渡邊:そうですね。東急プラザ表参道原宿は原宿の一等地で好立地なので、単純に売り上げを伸ばしたいという目的で登録を希望されるブランドもありましたが、それはお断りさせていただきました。やはり「このフロアをどうやって盛り上げていくか」というベクトルは重要ですね。

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売り場の様子
売り場の様子
売り場の様子
売り場の様子
売り場の様子
売り場の様子
売り場の様子
売り場の様子
売り場の様子
売り場の様子
売り場の様子
カフェの様子

PLAY

Image by: FASHIONSNAP

―メンバーシップではサブスクリプション制度を採用しています。

渡邊:月額料金は3万円で、1個あたりの什器の貸出料金は一日1000円程度。なので、1週間出店する場合は3万7000円で利用できます。従来のポップアップ出店は期間が事前に決められているので長期出店が難しいですが、LOCULはスペースさえあれば長期出店が可能です。なので、このフロアをどう盛り上げていくかという考え方を持っている人に会員になってもらって、自分達のブランドも一緒に盛り上げていくためのサブスクと捉えています。

栃澤:距離感が近い分、“隣人感”があっていいですね。同じマンションとか共同住宅とかって新しい入居者が来るとザワザワするじゃないですか(笑)。

―出店していない期間も月額料金がかかりますが、メリットは?

渡邊:単純に3万円でいつでも出店できる権利が得られることが利点だと考えています。賃料が高い場合、出店者側は売上や利益をいかに確保できるかにフォーカスしなくてはなりません。3万円という金額をどう捉えるかですが、オフィスのフリーデスクは月額3万5000円なので、それと比べると会員費は抑えているんです。

栃澤:リアルゲイトさんのシェアオフィスのフリーデスクの利用料は比較的高い水準ですが、それでもフリーで契約される人がたくさんいるんですよ。結局、自分の暮らしや働き方に合わせて、どうやって場所や時間を決めていくかが大切だと思うんですよね。東京だと特に。そこで感じたのは、例えばアパレルなら販売員はお客さんがいない時でも立ちっぱなしではなく、オフィスに戻ってきて仕事したり休憩したり、という使い方がLOCULならできる。お客さんの価値を一番理解している販売員の働き方が今後変わっていって欲しい、という裏テーマもあったりします。あとは関わりを持つという意味でのグルーヴ感というのも結構大事だと思っていて。フィジカルなスペースをサブスクで借りることによって、商店街的なつながりが生まれると期待しています。コラボするでも良いですし、ノウハウとか生産背景を共有するも良い。お互いがメンターになってビジネスの仕組みをシェアすることができたり、同期を作っていくという感覚が持てるのは良いんじゃないかなと思っています。

―什器は基本的には用意されたものしか使えないのでしょうか?

元木:そうですね。色々な業態やブランドが入るので、ある程度空間の一体感や色味は保ちつつも、窮屈な雰囲気にならないようにしたいと考えています。たとえば、背の高い什器を使いたい場合、ギャラリースペースはリテールの什器にもなるしギャラリーの壁としても作れるという前提で考えています。出店者によってはギャラリーの規模が拡張するかもしれないし、林状に配置されてフロア全体がエキシビションのような空間になるかもしれない。そのように、場所と什器を組み合わせてどう使いこなすかを出店者の皆さんと一緒に考えていきたいですね。持ち込んだ什器との組み合わせをOKにするのかは、今後フレキシブルに検討していくかたちにはなると思います。

什器
什器
什器
什器

Image by: FASHIONSNAP

渡邊:元木さんが提案してくださったテーマで「可変性」があったのですが、まさに裏にある什器にはキャスターがついていたり、一部の什器はラッピングをして表層を変えられるようにしてあったり、可変性がすごくてフレキシブルに使えるのがポイントですね。

―出店の際は、申し込みから審査まではどの程度かかりますか?

渡邊:書面上では1ヶ月前までの申請を前提としていますが、メンバーシップ登録がされていて、かつキャッシュレス決済のみに対応することが条件なので、その端末が用意されていてスペースに空きがあれば、基本的にはすぐにご出店いただけます。

「一生完成しない」商業フロアに

―オープン以降もこのフロアは「完成しない」というお話もありましたが、プロジェクトの短期的・長期的なゴールは何でしょうか。

渡邊:この「シェア型リテールコミュニティ」という形が認められることでしょうか。そのためにまずはメンバーが増えていくことが大事だと思っています。いまメンバー登録者数は15ブランドほどですが、将来的にはメンバー登録待ちの状態を作れたらいいですね。

栃澤:渡邊さんが仰ったように、メンバーの声が一番大事だと思っていて、LOCULに出店したことで自分達の会社や表現が成長したとか、そういった声が聞ける様になると嬉しいです。これは今までデベロッパーがやってきたこととはまた少し違う価値の提案になるのではないでしょうか。

―最後に、どんなお客様に来ていただきたいですか?

元木:どちらかというと「目的を持ってくる」のではなくて、「寄り道を楽しめる」人たちに来ていただけると嬉しいなと思いますね。牛乳を買いに来たはずなのに、牛乳を買わずに違うものを見てそっちを買っちゃう、みたいな(笑)。

3人のインタビューカット

Image by: FASHIONSNAP

栃澤:オンラインだと目的買いが多いと思いますが、LOCULには今まで知らなかったブランドやアイテムを見つけた喜びとか、オンラインショッピングにはない楽しみがあるはずなんですよ。あとは人と会話することも。それが知識や学びになったりしますから。その人の経験を教えてもらえるってすごいことです。さっきの裏表じゃないけど、裏が裏のままであり続けながら、表面にもゆるく浸透していくっていうのができるといいなって思います。

渡邊:コミュニケーションを本当に大事にしたいので、店員同士もそうだし店員と来場したお客さんもそうだし、そのラフなコミュニケーションをどう取るかをこれから考えていきたいですね。

番外編:出店者からみたLOCUL

 LOCULには実際にどういったブランドが、どんな目的に出店しているのか。麹と甘酒と麹調味料のブランド「長屋/NAGAYA」の長屋なぎささんと、コンセプトストア「PERMANENTE TOKYO」の加藤ジョーダニエルさんに、LOCULの魅力を語ってもらった。

長屋/NAGAYA「化学反応が楽しみ」

商品の陳列

Image by: FASHIONSNAP

―出店の決め手を教えてください。

 長屋/NAGAYAは一年半ほど前に立ち上げた麹と甘酒と麹調味料のブランドです。リアル店舗の出店は全く考えてはいなかったのですが、LOCULの仕組み、コンセプトをお伺いしチャレンジしてみたくなりました。私自身はこれとは違うお仕事もさせていただいていたり、スタッフも子どもがいる人が多かったりするので、長期的に毎日店頭に立つことが難しく、通常であれば出店のハードルが高いと感じていました。その点、LOCULはトライしやすいなっていうのがすごくありましたね。

―LOCULの魅力は?

 一番惹かれたのは、人と人とのコミュニケーションの場だったりとか、何か生まれる化学反応がすごく楽しみだと感じました。まずお話を聞いたときに自分の気持ちがワクワクしたというのが正直な気持ちで、そのワクワクを味わってみたいっていうのがすごくあって。LOCULという場所を楽しみたいですし、そこに来るお客様や参加されるメンバーの方とのコミュニケーションだったり、そこから生まれるアイデアをまずは楽しめることを期待しています。それは出店するメンバーになろうと思ったきっかけの一つです。

―売り場を実際に見ていかがですか。

 いろいろなショップがチャレンジできそうな空間だと思いました。什器に関しては、うちのブランドは和テイストなので作り込めば「和」の世界観は体現できると思いますが、LOCULにいるときにどういう表現ができるかというところも楽しみたいですね。

PERMANENTE TOKYO「長期出店が叶うのが魅力」

売り場の様子

Image by: FASHIONSNAP

―出店の決め手を教えてください。

 僕たちは京都に本店を構えていて、関東圏内ではインスタグラムでの発信や短期間のポップアップを転々と出店しています。香りに関連した商品など、実際に手にとってみないとわからない商品も多く、ポップアップ期間内に購入できなかったお客様からは実売にならなかったことがネックでした。LOCULでは長期でポップアップができるということで、将来的には関東圏内での常設店舗の出店を計画していることもあって認知度向上にも期待しています。

―LOCULの魅力は?

 さまざまなブランドが集まっているので、いろんな客層のお客様に知っていただけることがメリットですね。

―今後、LOCULに期待したいことは?

 映画をテーマにした香水ブランドを扱っているのですが、今回同じフロアにシネマキャラバンさんも出店されていたので、映画つながりで交流が生まれました。今後、こういったコミュニケーションをきっかけにコラボの企画が生まれたら嬉しいですね。

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