「ロレッタ(Loretta)」などのヘアケアブランドを展開するb-ex(ビーエックス)が、樗木佑太氏(サロン:THE SLICK)、RYUSEI氏(サロン:PELE)との共同開発で、強烈発色・高濃度設計の新カラーブランド「キラテラ(KIRATERA)」を発売した。発売日の6月4日に、東京・表参道ヒルズでローンチ発表会が行われ、樗木氏、RYUSEI氏が登場。多くの美容師をはじめ、アジア圏を中心に集まった外国人美容師らを前に、開発秘話を含めたトークセッションやカラーのデモンストレーション、モデルによるウォーキングなどさまざまなコンテンツが繰り広げられた。
b-exは、1975年にサロン向けメーカーとして前進であるモルトベーネとして創業、パーマ液からビジネスをスタートした。2016年に、ビューティーエクスペリエンスに社名変更してからは一貫してヘアカラーに注力。2021年に現在のb-exを社名とし、「人生に、新しい美の体験を。」をミッションに掲げ、成長を続けてきた。そして今年、新たなヘアカラーニーズに応えるべく、ワンブランドですべてのヘアカラーが実現するカラー剤・キラテラを立ち上げた。
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社長の福井敏浩氏は、「美容師さんはもちろん、美容室に来られるお客さまにも新しいヘアカラー体験を提供することを目指している。今年は『Year of b-ex color』をテーマに、改めてヘアカラーに注力していきたい」と語った。
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キラテラが生まれた背景には、ヘアカラーのチェンジサイクルが従来よりも活発になった時流にあるという。韓流アイドルの台頭やNetflixの普及などの影響で一般層にもハイトーンカラーが広がり、ヘアカラーのニーズが多様化。以前は同色系カラーでのチェンジが一般的だったが、近年ではアッシュからピンク、ピンクからグリーンなどさまざまな色を楽しむ人が増えるようになった。
マーケティング本部ブランドマネジメントマネージャーの近藤伸昭氏は「こういったニーズの多様化に対応するため、前回のカラーによるアンダーがどのような色であっても左右されない“強烈発色”を叶え、高濃度設計で発色パフォーマンスに特化したカラー剤を開発。残留コントロールにも特化し、カラーの褐色過程にもこだわった」とコメント。ラインナップは、ベーシックライン(アルカリカラー)が41SKU、オンカラーライン(低アルカリカラー)が13SKU、アクセントライン(塩基性カラー)が8SKUの合計64SKUとなっている。
名前の由来は「キラキラ」と「テラバイト」を掛け合わせたもので、「キラキラとしたものを大容量でたくさん生み出していく」という思いが込められている。さらに、「キラテラがあれば、どんなトレンドにも対応できる。また、アシスタントからオーナーまですべての美容師が使いやすい設計で、ヘアサロンのランニングコスト圧縮にも貢献できる価格帯を実現した」(近藤氏)と説明(業務用製品のため価格は非公表)。「ALL CORE(オールコア)」をブランドコンセプトに、カラーラインナップの充実さや機能面だけではなく、サロンワークに関係する全方位のCOREを担う。
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開発に2年半、携わったヘアスタイリストの想いとは?
キラテラの開発には2年半を要したという。樗木氏は、「自分がいいと思ったカラー剤を作るとき、『はたして本当にそれがいいものなのか?』『自分の感覚は本当に多くの美容師さんたちと合っているのか?』を自問自答した。その感覚をすり合わせていく作業が大変だった」と振り返る。RYUSEI氏は、「地域によって美容師の価値観が各々違う中で、それでもキラテラが選ばれるという理由を模索した」とALL COREを実現するための、カラー剤づくりの重みを垣間みせた。
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左から:樗木佑太氏、RYUSEI氏
Imaged by FASHIONSNAP
プロダクトデザインでこだわった点として樗木氏が、「本当にいいものかどうかはプロの領域でしかわからない。カラーの処方や色味に関してはプロであるb-exさんと僕らが考えた。デザインはデザインのプロにまとめ上げてもらったほうがいいと思った」と語ると、RYUSEI氏も「世界観を作るときに口出しせず、完全に“プロに任せ切る”という大切さを感じた」と話した。
今回、パンフレット、ルックブック、デザイン、パッケージのディレクションをそれぞれ分散させ、各方面のプロのクリエーションをひとつに集積。ブランドロゴとパッケージデザインは、ロンドンを拠点に活動するグラフィックデザイナーのエイリーズ・モロス氏(Aries Moross)を起用した。モロス氏は、スパイス・ガールズ(Spice Girls)やワン・ダイレクション(One Direction)、サム・スミス(Sam Smith)などミュージックシーンをはじめ、ナイキ(NIKE)やニューバランス(New Balance)など多方面から依頼を受けるデザイナーだ。
キラテラの可能性について樗木氏は、「メーカーのカラー剤はたくさんあるが、キラテラはそれと比較して作ったわけではなく、必要なものだから作ったという感覚に近い。世界観のよさが伝われば、広がってくれるのでは」と語る。さらに「結局はお客さまがどういった髪型、髪色にしたいか。トレンドにフィットさせるのではなく、自分たちの感度でお客さまのニーズを表現したことがトレンドになる。その可能性を広げるためにキラテラがある」と期待を込める。RYUSEI氏は「不可能を可能にするというのが開発当初のスローガンだった。これさえあれば、できない髪色はないというスタンスで作ったのでどんな髪色でも作れるという手助けを、今後担っていければ」と自信を見せた。なお、同ブランドを盛り上げるために今夏、b-ex主催のフォトコンテストが企画されていることも併せて発表された。
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さらにモデルを使ったデモンストレーションでは、樗木氏、RYUSEI氏がそれぞれ1体ずつキラテラを使ったカラーリングを披露。同時に、Instagramで募集した質問を両氏がその場で回答していく場面もあり、ヘアカラーのプロフェッショナルの具体的な回答に、会場の美容師たちは熱心に耳を傾けていた。
(文:宮本香菜、編集:藤原野乃華)
■KIRATERA:公式Instagram
編集者、ライター
出版社2社を経て独立。書籍の企画・編集、ブックライティング、記事等のインタビューなど活動中。ペンギンが好き。「now&then」の聞き手、文を担当する。
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