末安弘明の手掛ける「キディル(KIDILL)」が、パリ・メンズ・ファッション・ウィークの初日となった1月16日に2024-25年秋冬コレクションを発表した。フロントローを設けた初のパリでのランウェイショーは"WHATEVER HAPPENED TO PUNK!"がテーマ。ルーヴルの逆ピラミッドで知られる地下のショッピング街「カルーゼル・デュ・ルーヴル(Carrousel du Louvre)」を舞台に、音楽プロデューサーのサイケアウツGが担当したショーBGMが爆音で流れる中、愛とリスペクトに満ちたパンクスタイルを披露した。
原点、ジェイミー・リードへ捧げたオマージュ
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セックス・ピストルズ(Sex Pistols)のシングル「God Save the Queen」やアルバム「Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols」のアートワークをはじめ、バンドに数多くのグラフィックを提供するなどして、デザイン面からパンクロックの活況を生んだ英国人アーティスト、ジェイミー・リード(Jamie Reid)。「ジェイミーは、自分の原点そのものだった」と末安デザイナーは振り返り、20-21年秋冬コレクションでは初コラボレーションも成功させていたが、昨年8月に76歳で死去。今シーズンは、そんな彼に捧げるコレクションとなった。
Image by: KIDILL
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パリコレデビューとなった鈴木武蔵マーリンがモデルを務めたファーストルックのセットアップを中心に、異なるカラーやサイズで散見された鹿のグラフィック。これは、セックス・ピストルズのラストシングル「Who Killed Bambi」(1979年)のアートワークで、バンドとリードの最期を重ねながら“Punk never dies”という想いを込めたオマージュだ。「私は私らしいやり方で哀悼の意を込めたい。それは、『彼らは永遠である』という宣言でもある」(末安デザイナー)。
リブートでパンクのムードを放つ
Image by: KIDILL
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そして、「初期のパンクを創造した偉大な先人たちが去ったとしても、現代、あるいは現代人にさまざまな影響をもたらしたパンクの本質を終わらせないことが役目である」と、初期パンクのクラシシズムと現代性の交わりを探求。タータンチェックと迷彩柄を混在させたアイテムをはじめ、過剰なダメージ加工のデニムやニット、ショルダーおよびアーム部分を複数の柄で切り替えたMA-1など、様式化されたスタイルにDIYの考えに基づくリブートを施すことで、“抗議(反抗)の精神”の形で継承されてきたパンクのムードを放つ。
象徴が支えた足元と斬新なパンキッシュヘア
全てのスタイリングの足元は、パンクスたちの象徴である「ドクターマーチン(Dr. Martens)」のブーツで統一。また、パリを拠点に活動する帽子デザイナー 日爪ノブキが手掛ける「ヒヅメ(HIZUME)」とのヘッドピースや、へアスタイリストのKUNIO KOHZAKI(光崎邦生)による斬新なパンキッシュヘアがアクセントを添えた。
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