カニエ・ウェストのインスタグラムより
カニエ・ウェスト(Kanye West)ことイェ(Ye)と「アディダス(adidas)」が「イージー(YEEZY)」を立ち上げ早9年。2013年に袂を分かったはずの「ナイキ(Nike)」のスニーカーを着用する姿がたびたび目撃されるなどの問題はあれど、イェとアディダスはある程度の良好な関係を築いてきた。しかし、始め有るものは必ず終わり有り。近日中にこのビッグディールが解消されるかもしれない。(文:Internet BoyFriends)
事の発端はいくつかあるのだが、ここ数ヶ月で亀裂を大きく広げたのは、「アディダス」から今年登場した新作サンダル「アディレッタ 22(Adilette 22)」とスニーカー「アディフォーム Q(adiFOM Q)」の存在だ。イェいわく、アディレッタ 22は「イージー スライド(YEEZY SLIDE)」に、アディフォーム Qは「イージー フォーム ランナー(YEEZY Foam Runner)」にデザインが酷似しており、「あからさまなコピー」と激怒。確かにイェの言う通り似ているといえば似ており、彼の古くからの友人である音楽プロデューサーのスウィズ・ビーツ(Swizz Beatz)やピート・ロック(Pete Rock)は投稿を引用する形でアディダスを批判し、ラッパーのディディ(Diddy)は「アディダスの製品を二度と購入しない」とイェにメッセージを送っている。だが実を言うと、アディダスは(ナイキやニューバランスも)以前から人気のデザインを着想源としたモデルをリリースすることが多々あり、今回の件に関していえば個人的には許容範囲内に思える。
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それでもイェの腹の虫はおさまらず、8月に入ると同月に開催されたフットウェアの祭典「イージー デイ 2022(YEEZY Day 2022)」が、「自身の許可を得ずにアディダスが勝手に進めた」と、いくつかのメディアにDMで逆暴露。そのうえ、現在は自らのブランドであるはずのイージーすらもコントロール不可能な状態にあり、ここ最近リリースされたモデルのカラーリングやネーミング、スタッフの雇用などが、彼の承認を得ていないことを明かしたのだ。この真意の程は不明だが、イージーファンの多くは"イェが携わっていること"を前提として購入していたため大混乱。"イェ本人が履いているモデルは本人の確認済み"という認識からネット上では答え合わせが行われ、一部では彼が関わっていないモデルの不買も発生することに。
その後、しばらくイェは落ち着きを見せていたが、ここ1週間でインスタグラムを大量に更新。最近アディダスに参画した上級副社長兼ゼネラル・マネージャーであるダニエル・チェリー3世(Daniel Cherry III)が、全ての元凶のもとだと声高に批判するだけでなく、CEOのカスパー・ローステッド(Kasper Rorsted)が死去したという虚偽のニュース記事を投稿(現在は削除済み)。さらに、同社の幹部たちの顔と名前も次々に投稿し、「アディダスはイージーを10億ドル(約1440億円)で買収しようとした。俺の来年のロイヤリティーだけで5億ドル(約720億円)なのに」と、不当な金額での買収提案があったことをばらしたのだ。続けて、アディダスとの今後の関係性が不明瞭であることから、自身が全ての決定権を持つことができるシューズメーカーや工場を買収したい願望も吐露。すると、これに反応したと思しきテキサス州にある家族経営のシューズメーカー「サンアントニオ シューメーカー(San Antonio Shoemakers)」の「ウィキペディア(Wikipedia)」のページをスクリーンショットし、「: )」とだけ添えた投稿を見せている。
イェとアディダスは、2026年まで契約が残っていると言われるが果たして......。なお、SNSはリアルタイムで更新・削除を繰り返すだけでなく、アディダスのほか、協業先の「ギャップ(GAP)」や、元妻キム・カーダシアン(Kim Kardashian)、メタ(Meta、元Facebook)CEOのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)などにも怒りの矛先を向けており、今後の動向を注視する必要がありそうだ。
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