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カジュアルスタイルに欠かせないファッションアイテムであるジーンズ。ヴィンテージからファストファッション、ラグジュアリーまで、さまざまありますが、何が自分に合うのかわからずなかなか手を出せないという人も多いのではないでしょうか?今回は、ジーンズを買う前に知っておきたいポイントを、20年以上にわたってジーンズ作りを続けている「シンチ(CINCH)」代表の染谷真太郎さんに話を聞きました。ジーンズ選びにおすすめのショップも紹介します。
目次
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【シルエット別】実はこんなに違うジーンズの種類
まずは、ジーンズのシルエットの種類をおさらい。ストレートやテーパード、スキニーなど、5種類の形の特徴を解説します。
そもそもジーンズとデニムの違いは?
「デニム」は生地のことを指し、「ジーンズ」はデニムで作られたパンツのことを指します。混同されがちですが、ボトムスとして着用するものは「デニムパンツ」や「ジーンズ」が正式名称となります。
全ての基準はリーバイス「501」?
ジーンズのシルエットを語る上で無視できないのが、「リーバイス(Levi’s)」の定番「501」の存在。ストレートシルエットとして名高い型ですが、実は完全なストレートではなく、太ももから裾にかけて少し細くなっているテーパードシルエットなんです。染谷さん曰く、「501」は全てのシルエットの基軸になる一番ベーシックな形だそう。
ストレート
ストレートは、膝幅と裾幅が変わらないまっすぐなシルエットのことを指します。ストレートには「ボーイフレンド」と呼ばれる形がありますが、こちらはメンズサイズのジーンズをあえて腰履きしているようなシルエットが特徴。「カレント・エリオット(CURRENT/ELLIOTT)」が2000年代後半に発表して、当時人気を集めました。
スキニー
スキニーは、体のラインに沿ったタイトなシルエットを指します。ストレートジーンズよりもフェミニンな印象に仕上がります。
テーパード
テーパードは、膝の渡り幅よりも裾幅が細くなっているシルエットのこと。バレエシューズや「コンバース(CONVERSE)」のオールスターのようなフラットなシューズと相性が良く、足首が細くなっていることから、足を綺麗に長く見せることができます。
フレア
膝の幅から裾幅の方が広くなるフレアシルエット。フレアには「ブーツカット」や「ベルボトム」といった呼び方がありますが、「ブーツカット」は、ウエスタンブーツを履いたときに裾の形が綺麗に出ることを意識して作られたもので、「ベルボトム」は裾が楽器のベルのように大きく広がっているもののことを指します。
ハイライズ(ハイウエスト)
「ハイウエスト」とも呼ばれるハイライズは、文字通り、ウエスト位置が高く股上が深いシルエットです。股上が深い分、足長効果があるのが特徴です。
「オンス」とは?
デニムを選ぶときによく目にする「オンス」という単位。このオンスは、デニム生地を1メートル四方に切り取って測った時の重さを指します。ライトオンスと呼ばれる軽いもので10オンス、ヘビーオンスに括られるもので14オンスほど。染谷さんによると、ジーンズを購入するときにオンスの数字を細かく気にする必要はないそう。
染谷さん
実は、デニムを作るときにオンスを気にしたことがないんです。生地屋さんでも、実は細かい数字を把握していなかったりします。ジーンズは、重さそのものよりも厚みや触り心地で着心地やシルエットの出方が大きく異なることから、僕は重要視していません。
チェックするべきは「耳」?
オンスはあまり重要ではないとのことですが、それではデニムを買うときには何をチェックしたら良いのでしょうか?
染谷さん
チェックしてほしいのは、ズバリ「耳」です。
1980年代頃までに生産されたリーバイスのヴィンテージジーンズの裾を裏返すと、脇の縫い代に赤い糸が通っていることがありますが、この部分を「赤耳」と呼びます。耳は、生地の端と端を認識するための印で、古い織機で作られていた証拠になります。
古い織機で織られたジーンズは、糸にストレスがかからずにゆっくりと織られているので、コットン100%の生地でもナチュラルなストレッチ感を感じることができます。今でも、古い織機を使って作られているジーンズには、耳を見つけることができるので、ぜひ探してみてください。
自分の体型に合った型を選ぶには?
自分に合うジーンズを見つけるためには、何をチェックするべきなのでしょうか?ここからは、ジーンズを買う前に押さえておくべき2つのポイントを紹介します。
大切なのは渡り幅!
自分の体型に合うデニムを知るためにまず知っておきたいのが「渡り幅」。渡り幅とは、腿の付け根から裾部分の幅の長さのことを指しますが、基本的にどんなシルエットを選んでも、渡り幅のサイズは変わらないのが特徴です。もし履いていて心地が良いと感じるジーンズがあったら、そのジーンズの渡り幅を測って、マイサイズとして知っておくことがおすすめ。オンラインで買い物をするときにも、渡り幅のサイズをチェックすれば、体型に合うサイズを見つけることができます。
どんなシューズに合わせる?
ジーンズを選ぶ際に最も大切とも言えるのが、ジーンズと靴のバランスと、自分のライフスタイルにフィットするかどうかです。
染谷さん
ジーンズを買ってから靴を合わせるというよりは、履きたい靴に合わせてジーンズを選ぶのがおすすめ。コンバースのローテクのスニーカーと合わせたいのか、それともヒールと合わせたいのか。その靴をどういうスタイルで履きたいのかをはっきりさせることで、普段の自分のライフスタイルに合うジーンズを見つけることができます。
女性におすすめしたい、デニムの品揃えが豊富なショップ
ジーンズ選びにおすすめの豊富な品揃えを揃えるショップをピックアップ。多数のブランドを揃えるセレクトショップから日本製のデニムにこだわったブランドまで、厳選した7つのショップを紹介します。
シンチ(CINCH)
今回、監修に協力してくれた染谷さんが代々木八幡に構えるショップ「シンチ(CINCH)」。ヴィンテージデニム好きの染谷さんならではのこだわりのディテールを取り入れたジーンズを見つけることができます。
所在地:東京都渋谷区上原1-3-5 SK代々木ビル 2階
定休日:水
■公式サイト
タナカ(TANAKA)
「タナカ(TANAKA)」は、ヨウジヤマモトとユニクロで経験を積んだデザイナーのタナカサヨリがスタートしたブランド。「これまでの100年とこれからの100年を紡ぐ衣服。 時代、性別を超えて永く愛される衣服。」をテーマに掲げ、環境に配慮したモノづくりや日本の伝統的な技術を取り入れたジャパンデニムを展開しています。今年5月には、初のコンセプトストア「TANAKA AOYAMA」を南青山にオープンしました。
■TANAKA AOYAMA
所在地:東京都港区南青山 6-1-6 パレス青山#205
営業日:金曜日、土曜日、日曜日
■公式サイト
■F/STORE
ジャパンデニム(JAPANDENIM)
備中備後ジャパンデニムプロジェクトによるデニムブランド「ジャパンデニム(JAPANDENIM)」。備中備後の産地PRを目的に、「クルニ(CULLNI)」や「チノ(CINOH)」「エズミ(EZUMi)」「パリゴ(PARIGOT)」「ヤヌーク(YANUK)」「レッドカード(RED CARD)」「ヨシオクボ(yoshiokubo)」といったブランドと備中備後地域のデニム関連事業者が共同で製作したデニムアイテムを展開しています。
■ジャパンデニム 銀座店
所在地:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 4階
■公式サイト
デニムスタイルラボ(高島屋)
高島屋では、日本橋店と新宿店、横浜店、大阪店、京都店の5店舗でジーンズ専用の売り場「デニムスタイルラボ」を展開しています。30以上のブランドのジーンズを取り揃えているので、豊富な種類の中から自分に合うものに出会うことができます。
■展開店舗:日本橋店、新宿店、横浜店、大阪店、京都店
■公式サイト
クロ(KURO)
デニムアイテムをユニセックスで展開する「クロ(KURO)」。「本物を着る。文化を着る。妥協なき現代の日常着。」をコンセプトにしたメイドインジャパンにこだわったジーンズを揃えています。現在はオンラインストアと卸のみで展開していますが、富ヶ谷に実店舗「KURO TOKYO」を出店予定。(※出店時期は未定)
トゥ エ モン トレゾア(Tu es mon Tresor)
東京発のデニムブランド「トゥ エ モン トレゾア(Tu es mon Tresor)」は、ヴィンテージデニムの美学を反映した日本製のジーンズを種類豊富にラインナップ。実店舗はなく、公式オンラインストアのみでの展開ですが、サイズが細かく掲載されているので、安心して購入することができます。
シンゾーン(Shinzone)
染谷さんが2021年までクリエイティブディレクターを務めたセレクトショップ「シンゾーン(Shinzone)」。「デニムに合う上品なカジュアル」をコンセプトに掲げ、ジーンズだけでなくジーンズと相性の良いアパレルアイテムを豊富に用意しています。店舗は、関東に4店舗と札幌に1店舗を展開。
番外編:ジーンズのお手入れ方法
ジーンズのお手入れで悩むのが、洗濯の頻度です。ジーンズは、よほど汗をかいたり汚さない限りは、毎回洗濯する必要はありませんが、定期的に洗わないと、生地についた皮脂がバクテリアになって生地を食べてしまい、繊維が痩せてしまいます。洗濯のタイミングは、ウエストが自分の体型に馴染んできた頃。ジーンズは履いていくうちにその人の体型に馴染んでいくものですが、洗濯をすることで糸が縮み、購入した時のような状態に戻ります。
ちなみに、染谷さんによると、古着のような色落ちを楽しみたい場合には天日干しではなく洗濯乾燥機にかけることがおすすめなんだとか。
染谷さん
リーバイス発祥の地であるアメリカには、日本のように洗濯物を干す文化がないですよね。ヴィンテージデニムは、高温の乾燥機にかけられてきたことで、「アタリ」と呼ばれる程よい色落ちが出ています。なので、ヴィンテージデニムのような色落ちを出したい場合には、ぜひお近くのコインランドリーで気にせずガシガシ洗濯をして、乾燥にかけることをお勧めします。
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