オム プリッセ イッセイ ミヤケ 2024年秋冬メンズコレクション
Image by: Olivier Baco
「オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE)」が、パリで2024年秋冬メンズコレクションを発表した。テーマは「没入。野生溢れる想像力(Immersed in the Wilds of Creativity)」。フランス人デザイナー ロナン・ブルレック(Ronan Bouroullec)とのクリエイティブ・セッションを通して、ファッションの新たな可能性を示した。
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アートギャラリーのような会場
会場はパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)。天井から自然光が差し込み、ゆるやかなカーブを描く壁には服がアート作品のように展示されている。ショー冒頭でモデルたちが着用していたのは、ブルレックのライフワークであるドローイングを定番のプリーツ素材に掛け合わせたシリーズ。白の余白が、鮮やかな色彩と生き生きとしたブラシストロークを引き立てていた。
デザイナーとの刺激的なセッション
今シーズンは、ブルレックの作品群を服に落とし込んだだけでなく「多彩で豊かな素材集として自由に扱い、作品の世界へ飛び込んで遊ぶように創作した」とブランドのデザインチームは説明する。
ブルレックは1971年生まれ。20年以上にわたりデザインに携わり、家具、照明、 空間、建築など幅広い分野でコラボレーションを実現させてきた。今回のクリエイティブ・セッションについては「私自身の作品と彼らがつくる衣服の間に、共感する部分と対照的な部分があることに気付き、さまざまな発見があった」と語る。
ロナン・ブルレックとのクリエイティブ・セッション
Image by: © 2024 ISSEY MIYAKE INC.
彼の手掛けたドローイングは、バリエーション豊かにアイテムに落とし込まれた。複数色の糸で編まれたマフラーとスヌードは所々に穴が空いており、そこに頭や腕を通して布を身体にまとわすように身につける形。まるでアート作品に潜り込むような、自由で遊び心あふれるシリーズとなっている。また、白地のポリエステルにドローイングを施したコートは、作品の躍動感が伝わるシンプルなデザイン。細やかな色の重なりを、色ごとに版を分けたシルクスクリーンプリントで再現してみせた。
また、無数の線でまんべんなく埋め尽くされたブルレックの代表作「ALL OVER」を定番のプリーツ素材に掛け合わせたシリーズや、ボールペンで描かれた「Stylo-Bille」を刺繍で表現したシャツなども登場。クリーンでありながらも激しいエネルギーを内に秘めたような服は、まさにアートへの没入体験を可能にしている。
Image by: Frédérique Dumoulin-Bonnet
クッションを抱いて登場したモデルたち
特にユニークだったのは、クッションとして収められるアウター。前身頃のポケットに付いたカバーにコートを入れ込めるパッカブル仕様になっており、クッションとしても使用することができる。クッションとしては作品の色味が原画のままで再現されており、コートとして着用する際には色味が反転し、異なる配色に変化するのもユニークな仕掛け。
Image by: © 2024 ISSEY MIYAKE INC.
Image by: Frédérique Dumoulin-Bonnet
Image by: Frédérique Dumoulin-Bonnet
プリーツの魅力を最大限に引き出して
平面を美しいフォルムへと変化させるテクニックや、プリーツを多様したクリエイションは「イッセイ ミヤケ」ならでは。身体の動きに合わせて軽やかに変化する生地とアートの要素が、美しいハーモニーを生み出し、会場に集まったゲストたちの心を高揚させた。
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