インサイド

緒方慎一郎が日本文化を伝える「オガタ・パリ」　「HIGASHIYA」や「八雲茶寮」を手がける建築家の緒方慎一郎がプロデュースしたモダンな空間。実は「オガタ・パリ」でファッションショーが開催されるのは、初めてのことだ。フランスという異国の地で日本の文化を正しく伝える「オガタ・パリ」は、黒河内自身のクリエイションと共鳴する場所であり、個人的にも好きな場所だという。ここでブランドの世界観を伝えたいという黒河内の願いから、特別なロケーションでのショー開催が叶った。400年前の初期伊万里の陶片から着想　デザイナーの黒河内が佐賀県有田町を訪ね、17世紀前半の初期伊万里の陶片から感じる物語や、過去と現代の陶工たちのものづくりからイメージを広げて衣服に落とし込んだコレクション。ファーストルックは「陽刻」から着想を得た、エンボス加工のシャツドレス。陽刻とは、紋様入りの型を押し当て、柄を浮かび上がらせる、初期伊万里の特徴的な技術のこと。黒河内が描き下ろした草花モチーフの図案を基にしたこのエンボスは、シャツのみならずデニムやジャケットにも使用されている。釉薬が持つ不均一な美をファブリックに　続いて目を引いたのは、初期伊万里の淡いトーンにインスパイアされた、ニュアンスの異なるホワイト、エクリュ、ミントグリーンのファブリック。今シーズンのキーカラーでもある。柔らかな輝きを放つ陶器の佇まいを、光沢のあるシアーなラメジャージー素材やムラ染めのジャカードなどで表現した。また、手作業による絞り染めが施されたドレスは、釉薬がまだらにかかっているようなテクスチャーが印象的。アシンメトリーなシルエットは、釉薬が持つ「不均一な美」を表現している。陶片を用いた坂本龍一の音楽　さらに、自身が繰り返し訪れた佐賀の景色を投影した、草花モチーフのジャカードが、ドレスやジャンプスーツで登場。シルクのコートやセットアップに織り込まれた唐風の模様も、パーソナルな記憶のかけらの投影だという。　音楽は、伊万里焼の陶片の音を使用した、坂本龍一の作品を用いた。優しい風鈴のような繊細な音色は、焼き物がぶつかる音。デザイナー自身、制作期間中の記憶が回想される音だという。400年前から現代まで、時代を問わず、デザイナーのフィルターを通して美しいもの、物語性があるものを落とし込んだコレクションとなった。デザイナー自身が作るボタンやアクセサリー　なお、今回のコレクションの重要なディテールとなるのが、染付と陽刻、2種類の陶器のボタン。こちらは、有田町の窯元や作家のサポートの下、黒河内自身が形作ったものだ。ドレスやシャツのボタンをはじめ、ネックレスやイヤリングにといったアクセサリーにも使われている。これらは限定的に販売される予定だという。

Mame Kurogouchi

Fashion

伊万里の陶片と不均一な美 「マメ クロゴウチ」2024年春夏パリコレ

Lifestyle

器と“美肌”温泉と、そして人と　山口県・長門湯本温泉に若者が集まる理由

　バスタブに浸かり温まった身体を優しく包む「テクラ（TEKLA）」のバスローブ。毛足が長く吸水性に優れ、柔らかさが持続する生地にはオーガニックコットンテリーを使用。ホワイトの下地にパイングリーンのストライプがクリーン且つモダンな印象の逸品。MATCHESFASHION で購入する　ベーシックなアイテムとして、上質なタオルはセットで揃えておきたい。だったらバスローブ同様、洗練されたホームウエアを提案する「テクラ」のアイボリータオルはいかがでしょう？シンプルながら見た目から"ちょっと違う"が分かるリュクスなタオルをバスルームに。MATCHESFASHION で購入する　リビングや寝室同様バスルームにも花を飾るという新たなライフスタイルのご提案。心身共にリラックスしたいから自分のために花を選ぶ。その為には素敵な花瓶が必要です。黄昏時の空に広がる優しい光にインスピレーションを得たラウンドシルエットのフラワーベースなんてバスルームにぴったりだと思いませんか。MATCHESFASHION で購入する　中国漢方医の子孫であるジャジャ・ジュー（Jia-Jia Zhu）によるブランド、「ジャジャ（JIA JIA）」では、天然クリスタルの持つナチュラルなエネルギーにトリビュート。クリスタルの原石を精製した神秘的なストーンで、ちょっとスピリチュアルなヒーリング体験はいかが。MATCHESFASHION で購入する　湯船に浸かりながら本を読む。なんて贅沢なひと時でしょう。だからこそ、手に届く位置に長風呂用のブックコレクションがあったら良いなと思うんです。「アニッサ・ケルミッシュ（Anissa Kermiche）」の滑らかな陶器のボディスカルプチャーはブックエンドとしてもインテリアとしても優秀です。バスルームにお気に入りの本がある生活を。MATCHESFASHION で購入する　アロマを楽しむバスタイムは贅沢な時間です。でも目まぐるしい毎日だから、今欲しい！香りってコロコロ変わる。そんな人には「ボーイスメルズ（BOY SMELLS）」から出ているキャンドルセットがおすすめ。ターキッシュ ローズ ペタル、アンブレット シード、ヒノキ、ピンクのペッパーコーンの5種のキャンドルをバスルームに常備してその日の気分で香りを選んで。SSENSE で購入する　バスタイムの度に身体から外すアクセサリーを入れておくプレートやジュエリーボックスですが、どうせだったら気分が上がる素敵なものを選びたい。イエローとティール、ブルーのカラーで複雑に描かれたマーブルパターンが上品で美しい「グッチ（GUCCI）」のトリンケットボックスですが、容器底には「Souvenir from Rome」の表記が。ブランドの遊び心が光ります。MATCHESFASHION で購入する　いつもより頑張った日は、至福のバスタイムを自分自身へプレゼント。アーティー且つ革新的なテクニックを融合したライフスタイルを提案する「ロブジェ（L’OBJET）」の打ち出すバスソルトはスペシャルなご褒美にぴったりです。顆粒のソルトにブレンドされるのはエレガントなフローラルな香りを放つドライハーブ。ソルトがお湯に溶け出すとローズ、ホワイトペッパー、モスのアロマが香り立ちます。MATCHESFASHION で購入する　一見おしゃれなインテリアに見えるこちらのキャンドル。ソイワックスとビーズワックスをブレンドして成型する「CARL DURKOW」のキャンドルはまるで前衛芸術です。一日の終わりにのんびりとバスタブから眺める火の揺らめきは奥深い癒しを与えてくれるはず。SSENSE で購入する

INTERIOR

"極上のバスタイム"を完成させるためのちょっと贅沢なアイテム9選

ハサミポーセリン（HASAMI PORCELAIN）　まず最初にご紹介するのは、篠本拓宏氏（tortoise）のディレクションによりミニマムなテーブルウェアを展開する、世界で注目されている日本製のブランド「ハサミポーセリン（HASAMI PORCELAIN）」。陶器と磁器の中間に位置するマットな質感が魅力的な食器シリーズからは、おうち時間の相棒「マグカップ」をチョイス。美しい直線とカーブを描いたカップやディッシュは、すっきりとスタッキングする仕様なので見せる収納にもぴったりです。おしゃれで実用性の高い食器の数々は、コレクター心をくすぐります。■電子レンジ・食洗機対応SSENSE で購入するハサミポーセリン（HASAMI PORCELAIN）　探すとなかなか見つからない、シックな陶磁器のドリンクボトル。「ハサミポーセリン（HASAMI PORCELAIN）」は色移りやにおい移りの心配が少ない素材感と、全てが食洗機対応という仕様も人気が高く嬉しいポイント。ボトル以外にも、ティーセットやタンブラーなど日常に癒しを与えてくれる、ブレイクタイムに必要なアイテムが豊富に揃っています。■食洗機対応SSENSE で購入するトム・ディクソン（TOM DIXON）　おしゃれでムーディなブラックグラスと言えば、「トム・ディクソン（TOM DIXON）」は見逃せない存在。手の届くプライスで統一感のあるテーブルセッティングが叶う、セットアイテムが多く揃っているのも嬉しいポイントです。コップ一杯分の量として丁度いい200mlという容量は、コールドドリンクを飲むのにぴったり。テーブルウェアの一軍として活躍しそうな予感。■電子レンジ・食洗機不可SSENSE で購入するキントー（KINTO）　「キントー（KINTO）」からは、深さのあるプレートセットをチョイス。一人分のメイン料理やワンプレートとしても活躍する、20.5cmというサイズ感は使い勝手抜群。気兼ねなく使用できるタフな仕様で、食卓への登場率も満足度も高くなりそう。アンダー1万円でおしゃれなプレートが3枚揃う、お得感満載のセットアイテムです。■電子レンジ・食洗機対応SSENSE で購入するノーマンコペンハーゲン（normann COPENHAGEN）　エレガントな大理石の模様が、新しいテーブルコーディネートを提案してくれる「ノーマンコペンハーゲン（normann COPENHAGEN）」のプレートボード。フルーツやパンをサーブしたり、チーズやピクルスを盛り付けワインと共に優雅なひと時を過ごしたり。ひとつあるだけでリュクスな空間を堪能できます。■電子レンジ・食洗機不可Farfetch で購入するクリストフル（Christofle）　食器をモノトーンで揃えるのなら、カトラリーも一緒にあわせたいところ。スプーンやフォークはブラックやシルバーのアイテムが豊富に揃いますが、お箸は見落としがちかも。洗練されたテーブルアートに定評がある「クリストフル（Christofle）」の一膳は、日本人に馴染みのある口当たりのよい木製で仕立てられています。愛用できるポイントが多い食卓の定番であるお箸は、贈り物にもおすすめです。■食洗機不可Farfetch で購入するスラッシュ オブジェクツ（Slash Objects）　テーブルをおしゃれにデザインするマットは、「スラッシュ オブジェクツ（Slash Objects）」のエコなハンドメイド作品をチョイス。再生ラバーで構築されたリサイクルマットは、上品なカラーディテールと耐熱性に優れた汚れにくい生地質が魅力的。サーブ用の食器を置いたりドリンクセットを並べたりと、一人分のお料理を楽しむ以外にもたくさんのコーディネート方法があり、スタイリングがよりおしゃれになります。■手洗い可能SSENSE で購入するアレッシィ（ALESSI）　雑然となりがちなカウンターやダイニングスペースをモダンな空間に変えるのが、「アレッシィ（ALESSI）」のバスケット。置くだけで絵になるアートな作品は、実用性も抜群です。フルーツやスナックなどは決まった置き場所があるだけで快適にスペースが整うので、おしゃれな収納アイテムは毎日の"ちょっとしたものを置く場所"としても役立ちます。Farfetch で購入するアレッシィ（ALESSI）　自宅でバルさながらのお料理やドリンクを楽しむ時間が以前よりも増えたという方も少なくないのでは？無機質なキッチンツールをアートに一変させる「アレッシィ（ALESSI）」のボトルオープナーは、ワインやシャンパンを嗜むシーンでより一層気分が盛り上がるキャラクターとして人気者になりそう。Farfetch で購入するジョージ ジェンセン（Georg Jensen）　熟練の銀細工師だった「ジョージ ジェンセン（Georg Jensen）」が手掛けるアーティスティックなステンレスツールは、キッチンに立つのが楽しくなるようなおしゃれなデザインばかり。見せる収納や食卓のお供として登場回数が多い塩とコショウは、調味料というカテゴリから脱却するような美しいアーチを描くモダンなデザインを選んでみてはいかがでしょう？SSENSE で購入するジョナサン・アドラー（Jonathan Adler）　最後にご紹介するのは、ホームインテリアに取り入れたいテーブルウェアが揃う「ジョナサン・アドラー（Jonathan Adler）」のソルト＆ペッパーミル セット。彫刻のようなデザインは、キッチンツールに見えない意匠感のあるフォルムが独創的で心惹かれます。特別感のあるアイテムで、毎日の作業を楽しいライフワークに昇華してみませんか？Farfetch で購入する

お買いモノ

予算1万円で叶える、おしゃれなモノクローム テーブルウェア特集

　JW アンダーソン2021年秋冬ウィメンズのコレクション発表の前日、編集部に巨大な筒状の箱が届いた。今回も「collection in a box」の形式で、中に入っていたのは両面印刷された19枚のB1サイズのポスター。裏面までびっしりと文字が詰まったジョナサンからのパーソナルレターも添えられていた。　手紙には今回のコレクションのインスピレーションとなった2人のコラボレーター、マグダレン・オドゥンド（Dame Magdalene Odundo）とシャワンダ・コーベット（Shawanda Corbett）との出会いが綴られている。 　　陶芸家であるマグダレンとは2017年にジョナサン自身がキュレーターとして携わった展覧会「Disobedient Bodies」をきっかけに親交を深め、体が不自由ながらも独創的な作品を生み出す彫刻家兼パフォーマンスアーティストのシャワンダはコロナ禍でのロックダウンの合間に行われた展覧会でその存在を知ることになった。両者共に体と物質の関係性や、器を物的な媒体とする概念を探究するアーティストという側面に魅かれてコラボレーションが実現したという。　コレクションでは2人との対話や作品を通して体と曲線の関係性を模索。玉ねぎのようなシルエットのボリューミーなニットドレスや、布の重なりがショルダーから前見頃にかけて美しい曲線を描くケープコート、薬玉のように巨大なボンボンのバッグなど実験的なフォルムのピースが並ぶ。それらはユルゲン・テラー（Juergen Teller）によるフォトシューティングによって瞬間的に切り取られ、一つのプロジェクトとして完成する。発表直後、オンラインインタビューに応じたジョナサンは「デザイナーとしてのキャリアの上でも大いに影響を受け、僕自身も収集するほど好きな『陶器』という接点から2人にフォーカスしたかった。ファッションと陶器の関係性を通してボディを語るということを試みたんだ」と話す。　世界的なパンデミックによる行動の制限はジョナサンのようなデザイナーにとって致命的な出来事だった。「僕はこれまで、旅行やレストランやバー、ギャラリーなどの場所を訪れて人に会うことでインスピレーションを得てきた。だから人々の着こなしだったりあらゆる情報源がなくなってしまって、全く違う方法でリサーチしなくてはならなかったのは劇的な変化と言えるだろうね」。　クリエイターとして厳しい状況下でどのようにファッションへの熱を持ち続けていたのかと尋ねると、「新しい人になかなか会う機会がない分、今まで知っている人をより知っていくことであったり、これまで忙しすぎてできなかった読書をしたり。なにせ、ずっと家にいるからね。これまでに知っていたモノやコト、ヒトをさらに研究することで、何かしらの対象に関心を持ち続けていた気がする」と語り、そんな中でジョナサン曰く「最もパーソナルなプロジェクト」となったのが、今回のコレクションだった。　「いつも以上に時間をかけたし、僕だけではなく今はみんながとてもエモーショナルな時間を過ごしていて、日記を見返すようなセルフリフレクションの日々だった。僕が夢中になっていることを形にしたからとても正直なものでもある。もちろん物理的な意味でもコレクションを作るのが難しかったからね。そういった意味でも思い入れが強いパーソナルなコレクションになったんだと思う」。　最後にステイホームでのお気に入りの過ごし方を聞くと「キッチンに座って馬鹿げた突拍子もないリサーチで時間を潰して迷子になることかな（笑）。例えばイギリスのカントリーハウスで、人々がどうやって家の中にステータスを持っているのか、家具職人や煙突職人、大工についてとか......。この数週間で40冊近い本を買っちゃって本のパイルに囲まれて今日も朝を過ごしたよ。何かのクリエイティブに繋がれば良いけど、そうでないかもしれない。過去7年間の僕のスケジュールはクレイジーなほど忙しかったけど、今はまた別の忙しさを経験しているってわけさ。いつもとは違う方法で自分を満たしているよ」と茶目っ気を交えて話してくれた。このキッチンテーブルで生まれたアイデアが形になり、日の目を浴びる日は遠くないかもしれない。

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