ブランドコンセプトに「リミナル・ウェア」を掲げ、東京ブランドの中でいち早くファッションとテクノロジーの関係性に着目してきたユニセックスブランド「ハトラ(HATRA)」。実験的なコンセプトですが、単純にファッションアイテムとしても楽しめるギャップがあるのも特徴の一つ。近年はホームウェアレーベル「トワイ ハトラ(TWI HATRA)」やアイウェアレーベル「ハトラ オプティカル(HATRA Optical)」を立ち上げるなど、アイテムのカテゴリーも拡充し、ファッション業界内外から幅広く支持されています。
FASHIONSNAP編集部では、インスタグラム上でハトラのアカウントをタグ付け投稿している一般ユーザーをリサーチ。企画の参加に了承してくださった6人の方々にアンケートを実施し、着用スナップと併せてブランドの魅力を紐解いてもらいました。
矢島光(漫画家)
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―お気に入りのアイテムとその理由は?
袴のようなパンツ「HAK PLEATS PANTS」とモコモコのアウター「POLA GOWN」を購入しました。HAK PLEATS PANTSは着ていると気が引き締まり、心なしか良い仕事ができるような気がします。丁寧な縫製と選び抜かれた生地が作るプリーツが美しく、ここぞというときに身につけています。POLA GOWNは幅広い系統とのコーディネートが可能なので、日々雰囲気が違う服を着る私にはありがたいアイテムです。また、モノによってはオーバーサイズの服は大柄に見える体型なのですが、このアイテムはそうならならず、作りの良さを感じます。
―ハトラのことは何で知った?
ファッション研究をしている友人の藤嶋陽子さんが展示会に誘ってくれたことがきっかけです。
―ハトラの魅力とは?
一つは作りの美しさです。目を凝らせば凝らすほど「職人技とはこういうことか」と丁寧な作業が浮かび上がってきます。 もう一つは、佇まいの上品さです。前衛的な要素と、ごく自然に日々にフィットしてくれる要素、それぞれを絶妙なバランスで保持していることが、それを実現させているように思えます。また、歳を重ねても着ている自分の姿が想像できるあたり、その人の性質に応じた良い所を引き出してくれる、着る人を選ばない服なのだと思います。 たまーに「けっこー細くないと着られんね!」と思うのはありますが、時折現れるそういったトガりも、ハトラの醸しだすカッコよさの一つなのかもしれません。
インスタグラム:@hikarujoe
花摘モモエ(会社員/PRESS)
―お気に入りのアイテムとその理由は?
21AWは「INK SCAPE ROBE / GLACIER」を購入。アーティスト中山晃子さんとのコラボレーションによる1着で、インクで「HATRA」という文字が浮かぶものを選びました。
溺愛する20AW「架空の鳥」のニットの余韻を感じさせながら、ハトラの現在の探究心が象徴されている1着。実験的なデザインとは裏腹に、柔らかな肌触りが身に寛ぎを与えてくれます。私は勝手に、常日頃からHATRAを世に知らせたいので(!)、会話の契機になってくれるのもありがたいです。着るたびに「探究する歓び」をリマインドしてくれる、着るタイプのリマインダーです。
―ハトラのことは何で知った?
8年程前、まだ私が学生の時分、尊敬する同世代のエディター/ファッションジャーナリストのYoshiko Kurataさんに教わったのがきっかけでした。当時はちょうどハトラが着られるこたつ「kotatsu parka」を発表したぐらいのタイミングで、「パーカー」を「空間」として捉えていることに感激しました。いつも実験的で、着る人に新たな視点や視座を与えてくれる存在です。
―ハトラの魅力とは?
ハトラの服作りは社会実験のよう。デザイナーの長見さんは常に思考とプロトタイプを重ねていて、着る側も巻き込んでもらっているようで楽しいです。SynfluxによるGAN(敵対的生成ネットワーク/機械学習の一種)から200万枚の画像をもとに生成された「架空の鳥」シリーズ、3D CADなどのテクノロジーも活用しながら、人の知性や、知覚の輪郭を見つけている感じに目が離せません。着心地の良さや合わせやすさ、唯一無二なデザインなどのバランス感覚も好きです。先日、私が所属するスマイルズ生活価値拡充研究所の「不便益的な研究コート」もデザインしていただきました。最近では「移動」や「リミナル」について注目されているとのこと。これからも変わらず推していきたいです。
インスタグラム:@good_book_
Yoshiko Kurata(編集・ライター)
―お気に入りのアイテムとその理由は?
21AWは「HAK PLEATS PANTS」の購入を迷いましたが、直近では22SSのコルセット、21AWのパンツを購入しました。過去には、21SSでシンフラックス(Synflux)との共同制作アイテム「Syn Feather Robe - SWALLOW」、20SSでトップス、19SSでフリンジベルトなどを購入しています。
直近で購入したアイテム以外にもトップスを2点持っているのですが、どれも身体のシルエットを綺麗に見せてくれるのでシーズンに限らず重宝しています。個人的にレイヤーを重ねるスタイリングが好みなので、タイトめなトップスの上にビスチェやコルセット、19SSのフリンジベルトなどを合わせています。またパンツは比較的丈感が長いので、ディティールで個性を出しつつも少しフォーマルな場所にも着ていきやすいです。
―ハトラのことは何で知った?
2010年初期にジップアップパーカーを皮切りに知ったように記憶してます。当時coromozaで「kotatsu parka」に登壇者が入って開催していたトークイベントで、初めてデザイナーの方のお話を聞いて、服以外にもインスタレーションやコンセプトに惹かれていったように思います。
―ハトラの魅力とは?
毎回コレクション発表を、まるでデザイナー長見さんが率いるラボの研究発表のように感じています。服単体の強度やアップデートはもちろんのことですが、その真髄にある影響を受けた書籍や現象含むハトラのコンセプトも楽しみです。そこから出てくる独自の好奇心、解釈、言語やスタイルがファッション以外の分野との接点としてさまざまな広がりを持ってるのではないでしょうか。例えば、21FWコレクションからは「リミナル・ウェア」を掲げていて。インスピレーション源は文化人類学からきていますが、個人的には、ここ数年一般的に使われている言葉「ユニセックス」を更新するような動きとして、とてもファッションだと感じました。
インスタグラム:@yoshiko_kurata
竹澤幸佑(美容室代表)
―お気に入りのアイテムとその理由は?
21AWはスタディグローブを購入。実用性と品質で選びました。指先が出るデザインなので脱着せずスマホを操作できる点が良い。手袋には珍しくインナーがついてるので洗濯しやすいのも助かります。モノを捨てずに長く使いたいので、職人がこだわって作る香川手袋とコラボしたのが決め手のポイントでした。
―ハトラのことは何で知った?
いつも通っているセレクトショップ「ミキリハッシン」で勧めてもらいました。
―ハトラの魅力とは?
色使いがとても綺麗。鮮やか過ぎない彩度なので身体に馴染みやすく季節問わず使用できる。ヘアスタイルを変えても合わない印象はなく、いつも個性を活かしてくれる。 今季のグローブも、前季のニットも、よく見ると1色ではない色の重なりにデザイナーのこだわりを感じます。 ハトラを着てから「それどこの?」と聞かれる頻度が格段に増え、どのジャンルの人がみても素敵と感じてもらえる潜在的なセンスの良さがあるんだと思います。
インスタグラム:@kousuketakezawa
hanami(学生)
―お気に入りのアイテムとその理由は?
袴パンツことHak_Pleats_Pantsと、Nor Sweaterです。ハイウエストのワイドパンツは楽なので何着か持っているのですが、袴パンツはかなり重宝しそうなアイテム。プリーツが崩れずとても綺麗に出るので着ていると褒められます。厚めのウエスト部分がきちんとホールドしてくれるため、ウエストが細い方にもおすすめです。実は次シーズンでは色違いや素材違いなど、仲間が沢山増えています。一枚は持っていたいアイテムです。Nor Sweaterは、展示会で袖を通して即決しました。肩のラインがとても綺麗で、色の切り替えがラインを美しく見せてくれるので、女性が好きなデザインだと思います。ぜひ一度袖を通してみて欲しい!
あとはシュンオオクボさんとのHearing Aidの新作が今とても気になっています!
―ハトラのことは何で知った?
伊勢丹のポップアップで知りました。パーカーに始まり、最近はHearing Aidも大人気ですが、ヒットアイテムを沢山生んでいるブランドだなと感じておりました。
―ハトラの魅力とは?
着る人にスッとハマるところです。ハトラにはもちろんブランドイメージはありますが、スタイリングなどによって、どのジャンルが好きな人にもハマるアイテムが本当に多いです。それがヒットアイテムを沢山生むきっかけになっていると思います。着用者に委ねてくれるところが本当に大好き。わたしは元々女の子らしい服装が多いのですが、ハトラの作る曲線がわたしの私物とすごくマッチしてくれます。デザイナーの長見さんの柔らかい雰囲気がブランドによく出ていて神聖で美しいアイテムばかりです。
インスタグラム:@__hqnaaa
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ゴールド | シルバー
村松みな(アーティストマネジメント)
―お気に入りのアイテムとその理由は?
21AWのシャツコートがとても気に入り、自分にはネイビーを、夫の誕生日プレゼントにグレーを購入しました。なめらかで肌触りのよい生地と、シンプルで品のよいデザインが気に入り購入しました。この生地が本当に優秀で、座ったり動いたりしてもシワがほとんどつかず、手入れがとても楽で助かっています。また、後ろをギャザーで絞ることが出来るので、気分によってシルエットを変えながら着用でき、いろんなスタイルで楽しんでいます。ウール地ですが、薄くて軽いので、春先には羽織として活躍してくれる一着になりそうです。
―ハトラのことは何で知った?
デザイナーの長見さんが元々知り合いで、展示会も毎回行っています。
―ハトラの魅力とは?
服の美しさはもちろん魅力なのですが、服だけではなく、下げ札や服を届ける梱包などにも長見さんの美意識が反映されていて、そういう細かな部分も抜かりなくハトラの世界観を表現しているところが素敵だなと思います。
インスタグラム:@mina_j_1011
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