NTT都市開発が、原宿・表参道エリアを牽引する商業施設「原宿クエスト建替え計画」の新築工事を着工した。10月26日にメディア向け記者会見が開催され、その概要が発表された。新生「原宿クエスト(仮称)」は2025年春の開業を目指す。なお投資額については非公開。
旧原宿クエストは1988年に開業。NTTグループの前身である電電公社の総裁公邸跡地に建設された複合商業施設であり、NTT都市開発が初めて取り組んだ施設でもある。原宿駅から徒歩3分の場所に位置した旧原宿クエストは、「原宿クエストホール」や「GU STYLE STUDIO」「プーマストア(PUMA STORE)」などのテナントが出店していたが、2021年10月10日に33年間の歴史に幕を下ろした。
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新生「原宿クエスト(仮称)」の計画地は、原宿駅から徒歩3分、明治神宮前駅から徒歩1分の場所に位置する原宿・表参道の玄関口にあたり、「ナイキ(NIKE)」の旗艦店「NIKE フラッグシップストア原宿」などが出店している地を予定。休日には7万人の歩行者通行量があり、原宿・表参道・青山エリアの中でも最も人通りが多く、公共性が高い場所としても知られている。
同商業施設は「Re:HARAJUKU CULTURE」をコンセプトに「グローバルブランドの大型旗艦店を担う場」「新興ブランドの積極的な採用」「テラスルーフトップを備えたレストラン」「文化を生み出すクリエイティブオフィス」の4つの軸を用意。
地上6階地下2階塔屋1階の7フロアで構成。敷地面積が約1960平方メートル、延床面積約7800平方メートルを有し、フラッグストアを誘致するほか、上層階ではテラスやルーフトップが設けられる。商業施設としての機能だけではなく、オフィスエリアを設けた狙いについて、開発部担当課長 原田加香里氏は「収益性を目的としているわけではなく、ウィズ原宿などの他商業施設の運営実績を経て、原宿エリアに一定のオフィスニーズがあると判断した」と説明。低層階にはテナント、上層階にはアトリエや事務所としての場所を提供することで、文化の発信地としての機能を目指すという。
また、建築デザインにおいては「二面性(デュアリティ)」を重視。ウィズ原宿と新生原宿クエスト(仮称)に囲まれ、迷路のような街路空間と隠れ家的なお店が密集するエリアを「奥原宿」と称し、敷地内に表参道と奥原宿を繋ぐ"抜け道"(パサージュ)を設けることで、動線と回遊性を高めるという。併せて、店舗に入るための入り口を複数用意。各店舗が独立した路面店として個性豊かな世界観を表現できるデザインとなっている。
建築デザインを手掛けた重松象平氏は「1970年台以降、小さなストリートで新しいファッションや若者文化が培われた原宿というには、一体的かつ面的なエリア発展が必要不可欠。フラッグシップストアが数多く並ぶ表参道への顔と、個性豊かな"ヴィレッジ"が集う奥原宿の顔をどちらも持つ、非常に都市的な建築と言えるだろう」とコメントした。
今回のプロジェクトを推進しているNTT都市開発は、2020年6月に開業した「ウィズ原宿」を運営しており、積極的に原宿のエリア開発に取り組んでいる。同社は現在、奥原宿に6物件を有しており「ウィズ原宿、新生原宿クエスト(仮称)との連携を目指す予定」と長期的な都市開発に意欲を見せた。
■新生「原宿クエスト(仮称)
住所:渋谷区神宮前1-13-14、13-21
敷地面積:約1960㎡
延床面積:約7800㎡
開業予定日:2025年春
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