正解は「②」でした!
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選択肢②がLVMHでした。利益率の高い選択肢①を選んだ方も少なくないのではないでしょうか。ここからは両者の事業内容の違いと、どのような理由からコスト構造に差が生まれるのかを解説していきます。
ラグジュアリー事業だけじゃないLVMH
まずはLVMHの事業セグメント別の売上高と営業利益額の内訳を順に見ていきます。
ファッション&レザーグッズ部門が最主力、それに次いでセレクティブ・リテーリング部門が収益力のある事業となっていますが......
営業利益率を見ると、利益率の高い部門と低い部門の差が大きく離れています。コロナの影響をそこまで大きく受けていない「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」を扱うファッション&レザーグッズ部門と、ドンペリを扱うワイン&スピリット部門は高収益率を維持しています。
一方で、免税店を中心とした小売事業を展開しているセレクティブ・リテーリング部門は売上高の30%を占めていますが、唯一の営業赤字を計上してしまっています。コロナの影響で観光客の大幅な減少や、店舗の休業・時短営業の影響により大きく収益力を落としてしまったことが背景にあります。
収益性の高いイメージを持たれることの多いLVMHですが、全社ベースの収益性は様々な事業の業績影響が反映されるので、イメージよりも収益性が高くないと思う方も少なくないはずです。
売上の大半が収益性の高いラグジュアリー事業で占めるケリング
ケリングの売上高の内訳を見ていきましょう。ケリングはLVMHと異なり、収益性の高いラグジュアリー事業が売上高の大半を占めています。
ラグジュアリー事業の中でも特に大きな売上高を生み出しているのが「グッチ」です。グッチのセグメントだけで74億ユーロを計上しており、全体売上高の半分以上を占めています。
そんなグッチは営業利益率も35%と非常に高収益です。グッチだけではなく、どのブランドも非常に高い収益性を維持していることが読み取れますね。
ラグジュアリーファッション事業で比較するとLVMHの方が高収益
両社のセグメントごとの収益性を確認したところで、再度LVMHとケリングの損益計算書を比較してみます。
全体で見るとケリングの方が営業利益率が7%高いので高収益のように見えますが、その差は両社の展開している事業内容の違いが原因となっており、全体の数値のみでは優劣を正確に判断することはできません。
上述した通り、LVMHは利益率がそこまで高くなりにくい免税店を運営する小売事業を展開しています。薄利多売ビジネスになりやすい仕入れ型の小売事業はLVMHの売上高の約30%を占めていることからも、LVMHの損益計算書の数値に大きな影響を与えることになります。
収益性を比べるのであれば、それぞれのセグメント同士を比較することが望ましいです。LVMHのファッション&レザー部門とケリングのラグジュアリーハウス部門を比べると、LVMHのファッション&レザー部門の方が6%も営業利益率は高くなります。従って、全社ベースの連結損益計算書ではケリングの営業利益率の方が高くなりますが、ラグジュアリー事業のみを比較した場合、LVMHの方が高収益ということがわかります。
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