ここ数年で大きな注目を集めている「フェムテック」。フェムテックとして思い浮かぶ吸水ショーツは、小さいブランドから大手企業まで参入し、新たな市場が構築されています。でもそもそもフェムテックって他にどんなアイテムがあるのだろう? もしかしてアイテムだけのことを言うのではなさそう…と疑問が…。
そこでフェムケアの第一人者の森田敦子先生がメインキュレーターを務める、「ウームラボ(WOMB LABO)」の岡本佳央理さん、AMPPフィトテラピストの山本佳奈さん、「フェムテック インスティテュート(Femtech Institute)」代表の南上夕佳さんを先生に、フェムテックの初歩から学ぶ連載をスタート。質問者はジュンとb/beaut BEAMS部、そしてFASHIONSNAPのスタッフたち。第6回は、南上先生に質問。今や“フェムテック”とは女性だけではなく、男性も含めた人が抱える、心と身体の悩みに対応するアイテムなどまでを網羅。男性が抱えながらも聞きずらかった悩みに南上先生が答えてくれました。
■南上夕佳(植物療法士/フェムテック インスティテュート代表)
20代でホルモンバランスを崩したことがきっかけで植物療法の資格を取得後、日本における植物療法の第一人者 森田敦子に師事し、ルボアフィトテラピースクール副代表を経て独立。エビデンスとともにフィトテラピーを学ぶFemtech Instituteを立ち上げる。著書に「自然ぐすり生活」。
■ウーム ラボ(WOMB LABO)センシュアリティケアをサポートするフェムテック・フェムケアメディアと、セレクトオンラインショップ、ウームラボ オンラインストア、体験型ショールームの「WOMB LABO Daikanyama」を展開する。自分自身の身体を知り、向き合うための知識や情報の発信を通じて、「うるおうからだ」づくりをサポートする。店舗では、女性の健康課題に寄り添う吸水ショーツや月経カップ、腟トレグッズ等のフェムケアアイテム、約60ブランド200SKUを取り揃える。公式サイト
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これまでの5回では、PMS、生理、サニタリーグッズなど女性ならではの悩みを取り上げてきましたが、近年はオムテックやメンテックといった言葉も聞くようになってきました。男性だってなかなか人には言えないいろんな悩みを抱えているんですよね。そこで今回は、男性の悩みにフォーカス。ジュンとFASHIONSNAPの男性社員の質問に南條先生が答えてくれました。
ジュン スタッフ
血圧が高く、頭のかすみを感じることがあります。何か良い対処法はありますか?
ホーソンというハーブが血圧調整におすすめです。高血圧でも低血圧でも使えるので、幅広い方に使いやすいと思います。
南上先生
ジュン スタッフ
なるほど。やはりハーブって万能なんですね。加齢臭や口臭も気になる時があるのですが、そういった悩みもハーブで対応できるのでしょうか。
はい、そういった悩みもハーブで対応できますよ。口臭にはティーツリーやタイム、クローブの精油を水に垂らして口をすすいでみてください。抗菌作用があるのでスッキリして臭いも気にならなくなると思います。
南上先生
ブレンドタイプのCosme Kitchen HERBORISTERIE「ティザンヌ エテ」税込3240円
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睡眠の質が年々悪くなっているように思います。いきなり睡眠薬に手を出すのも怖いんですよね...。
バレリアンやパッションフラワーのエキスを飲んでみてはいかがでしょうか?自然の鎮静薬として古くから使われていて、脳の中枢神経を緩めてくれます。使い方は、寝る1時間前を目安に飲んでゆったり過ごすと、まぶたが重くなって眠たい感覚になると思います。翌朝もすっきり目覚められる点も使いやすいですよ!
南上先生
ジュン スタッフ
薄毛が気になるんですが効果的な生活習慣などありますか?
少し難しい話になるのですが、まずAGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが頭皮の酵素「5αリダクターゼ」と結合して生成されるジヒドロテストステロン(DHT)によって引き起こされます。DHTは髪の成長を促す毛乳頭細胞を萎縮させ、抜け毛を促進する働きがあります。ビタミンEやビタミンB6がDHTを抑制してくれるので、食事などで意識的に摂取してみてください。
フィトテラピーケアでは、毛髪や爪の成長に必要なミネラルが豊富に含まれているスギナ(ホーステール)を摂ることがおすすめです。
栄養素で言うと、タンパク質、ビタミンE、ビタミンB6に加え、亜鉛も摂ってほしいです。タンパク質は髪の毛の材料となる栄養素、亜鉛は髪の毛の主成分であるケラチンの生成に必要な栄養素です。また、5αリダクターゼの働きを抑制する働きもあるため、AGAの進行を遅らせる効果が期待できます。
食材では、卵、ナッツ類、ブロッコリー、パプリカ、バナナ、カツオ、マグロ、カキ、豚レバーなどですね。
南上先生
FASHIONSNAP
なんとなく倦怠感が続き体調が万全ではない日が続くのですが、それは男性でもあるという更年期症状なのでしょうか?
男性の更年期は特に何歳からと女性ほど決められていません。テストステロンの分泌量が低下すると起こることが多く、食生活、生活習慣、加齢などさまざまな要素が絡み合って更年期症状として出てきます。筋肉量の低下を考えると、年齢でいうと40代から50代ということになりますが、早くに症状を訴える人もいます。
南上先生
FASHIONSNAP
そうねんですね。年齢があまり関係しないことは驚きました。予防策や症状を緩和できるものはありますか?
予防策は、薄毛対策でお伝えしたような栄養素を意識的に摂ることや筋トレが効果的です。またホルモン値を測ることも更年期症状による体の不調かを判断できる指標になりますよ!
緩和策は、男性ホルモン生成の元になるDHEAを摂ることです。サプリでも良いですし、食材だと山芋や里芋、菊芋がおすすめです。活力不足と感じる場合は、マカやシベリアンジンセン、ロディオラですと疲れにくく、活力が湧いてきますよ。
南上先生
FASHIONSNAP
やはり生活習慣を整えることも大事なんですね。どうしても症状が辛い場合は、何科に通うのが良いのでしょうか?
幅広い健康問題に対応する総合診療科、EDなどの症状も悩んでいる場合は泌尿器科へ行ってみてください。テストステロン数値を見て診療してくれる病院を選んだ方が良さそうです。
南上先生
FASHIONSNAP
なるほどです。ここからは、より踏み込んだ質問になるのですが、きっと男性の悩みの上位に入るのではと思います…。
ジュン スタッフ
EDに悩んでいます。薬や治療法ではなく生活習慣の改善という面で効果的なものを知りたいです。
更年期のお悩みでもお伝えしましたが、テストステロンの分泌量を上げることが重要です。そのためには、筋肉量を増やすことが絶対条件とも言われています。筋トレはテストステロンとその受容体のアンドロゲンが増えることがわかっていますよ。また、1日15〜20分程度の日光浴でもテストステロンの分泌が2割程度上昇するとの結果もあります。ストレスも関係してきますので、睡眠環境を整えて、しっかり眠ることも大切です。
南上先生
FASHIONSNAP
不妊にならないために意識した方が良いことはありますか?
この5点をぜひ意識して欲しいです。
・添加物を控える
・加工食品を控える
・タバコは吸わない
・睾丸を温めすぎない(サウナや長風呂など)
・抗酸化食品(緑黄色野菜など)を毎日摂取する
南上先生
FASHIONSNAP
サウナもやりすぎは良くないんですね...。不妊とわかった場合は、妊娠につながりやすいケアなどありますか?
病院で治療を受けるのが良いかと思います。精子の動きや精管が詰まるなど、要因に合わせた治療がありますよ。ただ、はっきりとした原因が不明で妊娠に至らない場合も多いです。その場合は規則正しい生活、アルコールやタバコを控える、バランスの良い食事、十分な睡眠、フィトテラピーといったことで改善することも妊娠につながる可能性としては大きいです!
南上先生
FASHIONSNAP
そうなんですね。ちなみに、昔と比べて男性不妊は増えているのでしょうか?
昔から男性不妊はありましたが、今ほど認知されていなかったんです。ただ、コンビニが増え生活環境や食生活が欧米化したことによって確実に増えていて、不妊に悩むカップルの半分は男性による不妊ということが明らかになっています。
南上先生
FASHIONSNAP
半分も! どちらかというと女性に問題がある方が多いと思っていましたが…。認識を改めないとですね。
今回もいろいろお答えいただき、ありがとうございました。
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