東京・銀座のセレクトショップ「ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)」が10月29日、オープン10周年を記念したイベント「DSMG 10TH ANNIVERSARY EVENT」を開催した。店舗前には、長蛇の列ができ、午前10時に招待顧客に向けて先行オープン。一般客に向けては12時に営業を開始した。
同イベントには、50人を超える国内外のデザイナーやブランド関係者、アーティストが来店し、特別アイテムを用意したほか、顧客とコミュニケーションを取りながら、接客を行った。また来店客が参加できるワークショップやライブパフォーマンスなども多数催され、文化祭のような賑わいを見せた。その一部様子をリポートする。
1階 ヴァージルが手掛けたルイ・ヴィトンのアーカイヴコレクション
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1階の「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズのスペースでは、メンズ・アーティスティック・デザイナーのヴァージル・アブローが手掛けたアーカイヴコレクションを展示販売。
Image by: FASHIONSNAP
「トムウッド(Tom Wood)」による10周年限定リングもお目見えに。
2階 ウェイバーによるトイ・ストーリーの限定Tシャツなど
古着屋「ウェーバー(weber)」は、映画「トイ・ストーリー」のウッディやバズ・ライトイヤーや、映画「スター・ウォーズ」のパドメ・アミダラ(アミダラ⼥王)のグラフィックTシャツを限定で販売。
「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE)」は、人気の「シャーク フーディ(SHARK HOODIE)」の限定モデルを扱った。
井野将之の「ダブレット(doublet)」の常設スペースは、10周年を祝うディスプレーに。渋谷のハチ公を彷彿とさせる"名犬 ダブ公”や、ギャルのマネキンには、パーティーグッズが装飾された。
3階 オーラリーやトゥ エ モン トレゾアが初出店
イスラエル発のストリートブランド「アディッシュ(ADISH)」と野口真彩子と佐々木拓真による「ノーマ ティーディー(NOMA t.d.)」はコラボレーションしたハンドダイの刺繍入りカットソーを展開。購入客がその場でカスタマイズを楽しめるスタンプのワークショップを行った。
岩井良太による「オーラリー(AURALEE)」はこれまで、「ニューバランス(New Balance)」とのコラボシューズの取り扱いがドーバー ストリート マーケット ギンザであったが、ブランド単体での取り扱いは今回が初めて。10周年のためにベビーキャメルのフラノを使った限定アイテムと「ニューバランス(New Balance)」との新作コラボスニーカーをラインアップ。什器はデザイン・設計事務所の「ダイケイ・ミルズ(DAIKEI MILLS)」によって、オリジナルで制作された。
佐原愛美が手掛けるデニムブランド「トゥ エ モン トレゾア(Tu es mon Tresor)」も10周年のタイミングでドーバー ストリート マーケット ギンザでの取り扱いがスタートした。ブランド初となるユニセックスのジーンズを自然染料によるオーバーダイを施して紹介。スペースは、ブランドが今夏に熱海で開催した吉村順三による邸宅でのサマー・レジデンシー・ショップでの余韻が感じられる空間に。ソニーが80年代に販売したブラウン管のトリニトロンに、写真家のジェナ・ウェストラ(Jenna Westra)が写真、アーティストのジョシュ・ブランド(Josh Brand)が音楽を担当し、熱海で撮影・録音した映像作品を投影した。
フランス発のバッグブランド「リュニフォーム(L/UNIFORM)」は、「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」のコラボバッグを販売。イニシャルを入れることができるスタンピングサービスも行った。また「マッキントッシュ」は限定コートも展開。
東京発のインディペンデントマガジン「TOO MUCH MAGAZINE」は、最新号のIssue 9のローンチを記念したイベントを開催。購入者にロンドン発の「トゥーグッド(toogood)」による特製カバーをプレゼントしたほか、同誌でアーティストの横尾忠則と対談した音楽家の蓮沼執太が店内でパフォーマンスを行った。
4階 ポーター✖️トトロやキコ✖️ヒスなど注目コラボを紹介
「ポーター(PORTER)」はドーバー ストリート マーケット ギンザ限定デザインのバッグを販売。また当日発売になったポーター×「となりのトトロ」第3弾も大きくディスプレー。
シュエ・ジェンファン(Shueh Jen-Fang)が手掛ける「ジェニーファックス(Jennyfax)」のスペースには、ドーバー ストリート マーケット ギンザの10周年を祝したケーキのディスプレーが飾られた。
「キコ・コスタディノフ(Kiko Kostadinov)」は、「ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR)」とコラボレーションしたカプセルコレクションと、「アシックス(ASICS)」とのトリプルコラボによるシューズを販売。ヴィジュアルを撮影したロージー・マークスの写真集「Pretty Hurts(Pretty Hurts)」も一緒に並べられ、同氏によるブックサイニング会も行われた。
「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」は、1980年代に放送された韓国のテレビアニメ「走れハニー(Run Hany)」とコラボしたカプセルコレクションを紹介。
コム デ ギャルソンのレザーグッズブランドの「CDG WALLET」では、イタリア系ナイジェリア人のアーティスト、ダイアナ・エジャイタ(Diana Ejaita)とのコラボアイテムが発売された。
5階 PZ Todayのパフォーマンス
「ヴェトモン(VETEMENTS)」などで経験を積んだアートディレクターのPZ Todayは、自身の新たな書籍「FRIES BOOK」のローンチを記念したTシャツやドレスを販売したほか、パフォーマンス「A ROOM FILLED WITH FRIES」を披露。
スウェーデン発の「アワーレガシー(Our Legacy)」は、コラボラインの「Our Legacy Work Shop」から、アーティストのハンク・グルーナー(Hank Grüner)によるハンドペイントを施した「ディッキーズ(DICKIES®)」とのコラボアイテムや、“DOVER STREET MARKET GINZA”のロゴを背中に配したTシャツやフーディーなどを限定販売。
6階 プラダやグッチも参加!カスタマイズTシャツ
一番の賑わいを見せたのは、カスタマイズTシャツのスペースだ。川久保玲がデザインした10周年記念のTシャツを、ドーバー ストリート マーケット ギンザと所縁のあるブランドがアレンジ。「グッチ(GUCCI)」や「プラダ(PRADA)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」をはじめ、「ロエベ(LOEWE)」「マルニ(MARNI)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「モンクレール(MONCLER)」「トム ブラウン(THOM BROWNE)」「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」「リック・オウエンス(RICK OWENS)」「サカイ(sacai)」「クロムハーツ(Chrome Hearts)」などが10周年を祝して参加した。
「ミヤギヒデタカ(MIYAGIHIDETAKA)」のデザイナー宮城秀貴が来年2月にローンチ予定の新ブランド「ラフ(Rafu)」は、先行してドーバー ストリート マーケット ギンザ限定のアイテムをお披露目。ヴィンテージシャツをドッキングしたオリジナルのネルシャツを販売した。
編集者の佐藤俊がクリエティブディレクターを務めるクリエイティブレーベル兼プラットフォーム「ルーズジョインツ(loosejoints)」は、画家の五木田智央とのコラボアイテムをラインアップ。
日本発のシルバージュエリーの「ナチュラルインスティンクト(NATURAL INSTINCT)」もドーバー ストリート マーケット ギンザ限定のリングを発表した。
7階 アルテックのワークショップ
7階のローズベーカリーでは、フィンランドのインテリアブランド「アルテック(artek)」は、アイコニックな「スツール60」のワークショップを開催。ヴィンテージや異なるカラーのピースを使って、オリジナルのスツールが制作できるもの。
イタリアのブランド「ダニエラ グラジス(Daniela Gregis)」もドーバー ストリート マーケット ギンザの10周年のために制作したアイテムを展開する。
DSMGの歩んだ10年
ドーバー ストリート マーケットは、「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」の川久保玲デザイナーが、夫のエイドリアン・ジョフィ(コム デ ギャルソン インターナショナルCEO)とともに作り上げたセレクトショップ。2004年にロンドンのドーバーストリートに1号店を開き、2号店として2012年3⽉16⽇に銀座店をオープンした。現在はニューヨーク、シンガポール、北京、ロサンゼルス、パリにも広がり、7都市に拠点を構えるほか、オンラインストアも運営している。
オープン以来、デザイナーやアーティスト、企業とのコミュニケーションを通して、エクスクルーシブな企画を打ち出し、数々のコラボレーションを実現してきた。19年にはデザイナーが集まるストアイベント「OPEN HOUSE」をスタート。コロナ禍でフィジカルイベント開催の見送りが余儀なくされたが、半期に1度の新作の入れ替え“立ち上がり”では、ブランドの世界観を表現するディスプレーを継続。1階のエレファント スペースと呼ばれるインスタレーション空間も新装されるごとに話題になる。
今回の10周年イベントでも、国内外のアーティストやファッション関係者が多く集まり、その注目度の高さが伺えた。今後もドーバー ストリート マーケット ギンザの仕掛けに目が離せない。
文化女子大学(現文化学園大学)とニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)でファッションデザインを学び、ファッションブランドやセレクトショップで販売職を経験。「WWD JAPAN」で記者として、海外コレクション、デザイナーズブランド、バッグ&シューズの取材を担当する。2019年にフェムテック分野を開拓し、ブランドや起業家取材を行う。21年8月に独立し、ファッションとフェムテックを軸に執筆、編集、企画に携わる。22年4月に文化学園大学の非常勤講師に就任。
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