Image by: DIET BUTCHER
2002年にデザイナー深民尚が立ち上げたブランド「ダイエットブッチャースリムスキン(DIET BUTCHER SLIM SKIN)」。絶え間ない変化を提案するブランドとして、ゼロ年代に一世を風靡した。その後2021年春夏コレクションで深民はブランドから退き、「アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)」を手掛けるチャヌ(CHANU)が新デザイナーに就任。ブランド名を現在の名前に変更した。
しかし、わずか1年でチャヌの退任が決定。2022年春夏コレクションから、ディレクターを含むクリエイティブチームを一新しての展開がスタートした。素性が明かされていない新ディレクターに、新生ダイエットブッチャーの方向性や今後の目標についてメールインタビューを行った。
ーダイエットブッチャーのディレクターを引き受けるにあたり、どのようなことを考えましたか?
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当たり前のことではありますが、ブランドをどのようにしていこうか、どう成長させるか、そして20年以上の歴史にどう向き合うかについては頭を悩ませました。今までと全く違うブランドにしてしまうことは簡単ですが、ダイエットブッチャーの歴史や思いなどの「体温」をどのように表現していくか。これこそが今後の大きな課題だと考えています。
ーなぜ匿名でコレクションを発表しようと考えたのですか?
理由は2つあります。1つは、20年におよぶ歴史を持つブランドであるダイエットブッチャーの服作りに私達の名前を出す必要がないと判断したからです。もう1つは、名前を出すことでブランドが望んでいない見え方をする可能性があると考えたからです。
ーこれまでのダイエットプッチャーのイメージは?また強みだと感じているポイントは?
正直に言うと、前任者のブランドの解釈だけは私の考えとは合いませんでしたが、兼ねてより素敵なブランドだと思っていました。特に、経年変化を題材にしていたインスタレーション形式の展示会が好きでした。今の若い人たちにはあまり馴染みがないブランドかもしれませんが、あまり詳しく知られていない事が逆に可能性になるかもしれないと考えています。
ークリエイティブチームを一新したことで苦労したことがあれば教えてください。
苦労と感じることは特にありませんね。むしろ良い学びになることが多いです。
ーディレクター名は非公開ですが、クリエイティブチームの他メンバー構成は?
具体的なことは明かせませんが、私の苦手とするグラフィックやカットソーの舵取りを担ってくれる方のほか、ブランドの根幹に理解が深い方、お店とオンラインストア全体を俯瞰で見てくれる方など、ブランドと縁があり面白いメンバーが揃っています。
ー新生「ダイエットブッチャー」のコンセプトは?
曖昧、不完全、グレー、といった言葉が持つ「余白」や「自由度」の探究をコンセプトに設定しています。
ーブランドロゴも刷新しました。
ダイエットブッチャー初代デザイナーの深民さん(深民尚)のモノづくりの姿勢に共感し、当時のロゴに近いテンションのものを採用しました。深民さんに敬意を払いつつ、ブランドを更に成長させていきたいと考えています。
ー中目黒の直営店をリニューアルし、「人と人の交流がうながされるようにバーエリアを設けた」とのことですが、狙いは?
発案には複数のメンバーが関わっているため、それぞれに色々な考えや思いがあると思いますが、私個人としては自分と違ったスタンスの人と交流できる場になれば良いなと考えています。
Image by: DIET BUTCHER
ー2022年秋冬コレクションのルックは画像をぼかすなど、匿名性を意識したものになっていますが、今後もこの方向性は続ける予定ですか?
ルックの表現方法に関しては、固定することはせずにその都度手法を変えるつもりです。匿名性という観点から言えば、今後も自分達の名前を全面に出すことはしないと思います。
ー2022-23秋冬コレクションは、ジャケット、トップス、ボトムスなど。デザイン面で意識したことは?
限られた型数と時間、生地でこれからのブランドのベースになりうるアイテムを一型でも多く作ることを意識しました。クオリティ面に関しては、ここから更に成長させていきたいと考えています。
ーこれからダイエットブッチャーをどのようなブランドにしたいと考えていますか?
具体的な案はこれから長期的に考えていきますが、まずは、長い年月をブランドと一緒に過ごしてきたスタッフや店舗に、より誇りを持ってもらえるブランドにすること。これが今一番私がしなければならない仕事であり、目先の目標です。
■DIET BUTCHER:公式サイト
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