バリア機能の要といえる「セラミド」は、敏感肌だけでなくオイリー肌の人にとっても必要な成分です。今回は肌タイプに合ったアイテムや、化粧品に配合されるセラミドについて、花王の稲葉さやか研究員に取材。アドバイスをもとに、編集部が5つのアイテムを厳選しました。
慶応義塾大学理工学部大学院卒業後、花王入社。スキンケア研究所において、「キュレル」のさまざまなスキンケアの処方開発を担当する。自身も揺らぎやすい肌に悩みながら、敏感肌やエイジングケア領域の研究に携わることで、「セラミド」の重要性を熟知するプロフェッショナル。
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セラミドにも色々な種類がある 公式で情報を確認して
セラミドは、角質細胞の隙間を満たす「細胞間脂質」の約半分を占める重要な成分です。油と水の層が規則正しく重なる「ラメラ構造」を形成することで、肌表面に強固なバリア機能を形成します。現在化粧品に配合されているセラミドは、大きく分けて3種類。天然セラミド、ヒト型セラミド(合成セラミド)、疑似セラミド(セラミド機能成分)です。
【化粧品に配合されているセラミドの種類と特徴】
どのようなセラミドを配合し、どんな働きを持つかは、各社の公式ホームページ等の情報が参考になるでしょう。また、セラミドそのものではありませんが、ユーカリエキスなど「肌がセラミドを生み出す力」をサポートする成分もあります。このような成分を組み合わせたスキンケアは、肌のバリア機能に多面的にアプローチすると考えられます。
肌タイプごとに、どんなアイテムを選ぶべき?
セラミドは油の仲間なので、クリームや乳液には比較的配合しやすい性質があります。乾燥が気になる方や、肌が敏感に傾きやすい方は、乳液やクリームをぜひ取り入れて。オイリー肌の場合、過剰な皮脂によりバリア機能が乱れているケースがあります。ニキビができやすく、同時に肌も不安定に揺らぎやすい方は、化粧水のようなアイテムでセラミドを補給するのがおすすめです。
花王の研究では、化粧水、美容液、クリームというように、セラミド配合のアイテムを重ねることで、バリア機能が向上することも判明しています。年齢や肌質に関係なく、ぜひセラミドケアを日常の生活に取り入れて頂けたらと思います。
「セラミド」コスメ5品をピックアップ!
全身に使える「セラミド機能成分」配合のスプレー
花王が長年培った、セラミド研究から誕生した「キュレル(Curél)」。スプレータイプの化粧水には、セラミド機能成分を微細化する技術を搭載し、シュッとひと吹きで肌にセラミドをたっぷり補給できる。消炎剤を組み合わせた処方により、乾燥性敏感肌特有の肌荒れや乾燥にアプローチ。顔はもちろん、背中や腰など乾燥が気になる全身に使える点が嬉しい。
独自のナノ化技術で、ヒト型セラミドを洗顔後の肌へ!
ぷるんとした感触が印象的な、「アスタリフト(ASTALIFT)」の美容ジェリー。肌との親和性に優れたヒト型セラミドを、富士フイルムが誇る独自のナノ化技術によって極小サイズ化。洗顔後の角層に速やかに送り届けてくれる。抗酸化作用に優れたアスタキサンチンと、肌の透明感をサポートするアルブチンの働きで、肌本来の明るさを引き出すベストセラー。
悪玉セラミドに注目! 3代目に進化した保湿美容液
みずみずしい感触で、肌に吸い込まれるように浸透していく「ワン バイ コーセー(ONE BY KOSÉ)」の保湿美容液。細胞間脂質に隙間を生じさせる「悪玉セラミド」に注目し、この秋3代目に進化。新配合のアセチルアミノ酸と、セラミドの産生を促すライスパワー No.11の力で、肌のバリア機能を多角的にサポートし、うるおいで満たされた状態へと導く。
角層に似たうるおいのベールを形成し、バリア機能をサポート
敏感肌に寄り添い続ける「ディセンシア(DECENCIA)」のつつむシリーズが、長年支持される処方はそのままに、よりサステナブルなパッケージへ。ナノ化したヒト型セラミドをリポソームに閉じ込めた「セラミドナノスフィア」と、板状粉体の「有機変性ベントナイト」の力で、肌の上に角層に似た潤いのベールを形成。まろやかな感触で、バリア機能をサポートする。
コメヌカ由来の植物セラミド配合 精油の香りにホッと安らぐ
国産の植物成分を積極的に採用する、「チャントアチャーム(chant a charm)」。この秋誕生した美容液には、保湿力に優れた淡路島産イチジク果実エキスを新配合。さらにコメヌカ由来の植物性セラミドと、植物性のヒト型セラミドを2種類配合し、肌全体をしっとり満たしてくれる。スパイクラベンダーやクローブが重なり合う香りにリラックスできるはず。
(編集:福崎明子)
日本大学芸術学部卒業後、女性誌の美容班アシスタントを経て独立。雑誌、広告、WEBなどで美容記事を執筆している。担当分野はスキンケア、メイク、ヘアケア、フレグランス、美容医療など幅広く、丹念な取材をもとにしたわかりやすい記事に定評がある。温泉や銭湯をこよなく愛する入浴Lover。
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