バーバリーのアンバサダー、池田エライザさん
Image by: Koji Hirano(FASHIONSNAP)
「バーバリー」が、新チーフ・クリエイティブ・オフィサーのダニエル・リー(Daniel Lee)による2023年秋冬のデビューコレクションを2月20日に発表しました。この注目のショーに、バーバリーの日本初となる公式アンバサダーを務める池田エライザさんが駆けつけ、ブランドが刷新される瞬間を体験しました。
ダニエル・リーの意思表明に期待
2021年にアンバサダーに就任して以来、英国に根ざしたブランドならではのクリエイションに触れてきたエライザさん。ロンドンでショーを体験するのは今回が初めて。仕度中の彼女に今夜の見どころを尋ねると「バーバリーはつねに先端を行くブランドとして、環境への配慮など様々な取り組みをしてきました。ダニエルが就任して、そういった部分がどう受け継がれていくのか、どういう意思表明があるのか。ファッションはもちろん、ブランドの新たな方向性も楽しみですね」と語ってくれました。
トレンチコートのエライザ流アレンジ
曇天の多いイギリスですが、今日はめずらしく晴れ間が広がります。エライザさんはさっそくバーバリーのトレンチコートをまとって、街へ繰り出しました。この日はセルフスタイリングで、シェイプの効いたビスチェとデニムを合わせた彼女らしい装いです。
「今、色々なところで『多様性』という言葉を聞くけれど、それを体現する人はまだまだ少ないですよね。体型の多様性についてもそう。だから今日のような場で、少しの発信力を持っている私たちが、自分のコンプレックスをかっこよく表現できたらと思ったんです。私はグラマーなのがコンプレックスなんですが、今日はあえて体の線が出るようなアイテムでそれを楽しもうかな、と」
トレンチコートといえばバーバリーの代名詞。悪天候に対応できる機能性はもちろん、上質な生地や伝統的なテーラード技術により、100年以上にわたり人々を魅了してきました。エライザさんがテムズ川河畔を歩いていると、コートの裾が風を受けるたびに裏地のバーバリーチェックが覗き、クラシカルなムードを醸し出します。
「私がバーバリーを好きなのは、伝統がありながらも開拓し続けているから。矢面に立つことを恐れない力があると思います。私も矢面に立つのは怖いけど、『なんだ、エライザがチャレンジしてるなら自分にもできるかも』と皆さんに思ってもらえたら嬉しいですね」
新たなエンブレムが新章を予感させる
次に彼女が向かったのは、ロンドン最大級のショッピングエリアであるリージェントストリート。ここにはバーバリー最大規模の旗艦店があります。今月発表されたキャンペーン第1弾では、新しいロゴやブランドのエンブレム「馬上の騎士(Equestrian Knight Design、EKD)」が話題に。この店舗にもエレクトリックブルーで彩られたエンブレムが大きく飾られていました。
騎士の持つ盾にはイニシャルの「B」が刻まれ、旗にはラテン語で“前進”を意味する「プローサム(PRORSUM)」の文字が躍ります。このスタイリッシュな新ヴィジュアルがコレクションにどう反映されるのか、期待に胸が膨らみます。
バーバリーチェックの湯たんぽに癒されて
ホテルでメイクのタッチアップを済ませて、ついにショー会場へ向かうエライザさん。今回の舞台は、ロンドン南部のケニントン・パーク。19世紀末から20世紀初頭のバーバリーのテントから着想を得たという三角屋根の仮設テントが建てられ、中にはスモークが立ち込めていて、霧の都・ロンドンらしい演出となっていました。
エライザさんはフォトコールに応え、タイの人気俳優ブライトことワチラウィット・チワアリー(Vachirawit Chiva-aree)など、世界中から集まったセレブリティたちと言葉を交わします。そのほか、ロージー・ハンティントン・ホワイトリー(Rosie Huntington Whiteley)と夫のジェイソン・ステイサム(Jason Statham)、モデルのナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)やリバティ・ロス(Liberty Ross)、女優のチョン・ジヒョン(Jun Ji Hyun)、韓国サッカー界のスターであるソン・フンミン(Son Heung-min)など、会場には豪華な顔ぶれが揃います。座席にはブランケットと湯たんぽが用意されており、バーバリーとアウトドアの探検との歴史的なつながりを感じさせました。
ブライトと池田エライザ
いよいよショーがスタート。ファーストルックは、襟元にフェイクファーをあしらったトレンチコートにラバーレインブーツを合わせたスタイル。湯たんぽはクラッチのように小脇に抱えられ、プレイフルなアクセサリーに。
また、「馬上の騎士」のエンブレムはブランケットコートに、イニシャルの「b」はバッグの留め具に取り入れられていました。ドレススタイルにもスウェードの乗馬ブーツやラバーレインブーツを合わせ、モダンなブリティッシュスタイルがカラフルに展開されていきます。しっぽのついた帽子やバッグ、鴨の顔をあしらったニット帽、チェック柄のダウンブーツなどアクセサリーも多彩なラインナップ。英国らしい要素が随所に感じられます。
Image by: © Courtesy of Burberry
Image by: © Courtesy of Burberry
英国らしさあふれるショーに大興奮
フェイクファーやシアリングが生み出すボリューム感、イングリッシュローズのモチーフ、そしてオーバーサイズにアレンジされたトレンチコートなど、ブランドイメージを刷新した今回のコレクション。エライザさんが特に気になったルックは、チェック柄のセットアップ。「赤のチェックっていうのが最高。メンズとウィメンズの垣根なく、かわいかったですね!」。そして後半に登場したイエロー×ブルーで彩られたワンショルダードレスも、自身が着てみたい一着だそう。「ちゃんと上品で、ちゃんとパンク。ダニエル・リーにしかできない世界観ですよね。シンプルだけど、実際に見た時の立体感や布の流れが本当に美しくてキュンとしました」。
ELAIZA's Favorite Looks
ショーを見終わったエライザさんは「イギリスの持つロックな部分やカラフルな部分、シックな部分が全部詰まっていて最高のショーでした。幸せ!」と、興奮を隠しきれない様子です。
今回のイギリス滞在はわずか1泊。それでもエライザさんにとって大きな収穫のある体験になったよう。「バーバリーの新たな門出を目撃することができて、この上なく幸せでした。今年の秋冬シーズンが楽しみでしょうがないです」。そのビッグスマイルが、新生バーバリーへの満足度を物語っていました。彼女がロンドンに再び舞い戻る日も、そう遠くはなさそうです。
photo: Koji Hirano
composition & text: Fuyuko Tsuji(FASHIONSNAP)
Elaiza Ikeda/池田エライザ
1996年生まれ。福岡県出身。2009年に雑誌「ニコラ」専属モデルとしてデビュー。2011年、映画出演をきっかけに女優として注目を集め、映画、ドラマと活躍の場を広げる。Netflix「FOLLOWERS」(2020年春配信)で演技の幅を広げ、2020年には、映画「夏、至るころ」で映画監督も務めた。2022年は映画「真夜中乙女戦争」、ドラマ「祈りのカルテ~研修医の謎解き診察記録」に出演、WOWOWオリジナルドラマ「DORONJO」では主演を務めた。
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