吉田朱里
Image by: FASHIONSNAP
「可愛くなりたい気持ちがあったからこそ、ここまで走ってこれたんだなと思います」ーー2020年11月末をもって10年在籍したNMB48から卒業した吉田朱里。自他共に認めるコスメ好きで、"リアルに使える"メイクテクニックを紹介する美容系YouTuberとして活動。2019年から手掛けているコスメブランド「ビーアイドル(B IDOL)」では「#アカリップ」(つやぷるリップ)や「#ぴえんアイ」(グリッターライナー)といったキャッチーな愛称がバズり、コスメフリークからの支持を伸ばしている。アイドル人生から新たな一歩を踏み出した今、心境の変化やビューティの世界で実現したいことを聞いた。
ー吉田さんがYoutubeチャンネルを開設した2016年当時はAKB48や系列グループのメンバーのチャンネルはほとんどありませんでしたが、なぜYouTubeをやってみようと思ったんですか?
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もっと皆に私のことを知って欲しいというのが最初の理由でした。元々グループ内でもコスメに詳しい方で、Twitterにヘアアレンジの短い動画を投稿したらバズった経験もあったので、美容をメインにしたYouTubeをやってみたいなと。
ーチャンネル開設にあたり、影響を受けた美容系YouTuberの方はいますか?
美容系YouTuberについては当時、海外のメーキャップアーティストのようにスタイリッシュなイメージがあったんです。でも「美希ぽんチャンネル」(元Popteenモデル 河西美希によるチャンネル※現在のチャンネル名は「かわにしみき」)を見て、「素の自分でメイクを発信してもいいんだな」と思うようになり、自然体の私で発信するきっかけになりました。
ーメイクを紹介する時に気をつけていることはありますか?
私はメイクのプロではないので、ひとりの消費者として「欲しい・気になる」と思ったものをレビューするようにしています。プチプラコスメもデパートコスメもでも、実際に使ってみて、自分の視点でどこが良かったのかを伝えるのがポイント。動画をあげていくうちに見てくださる方々から、「(プチプラだから)実際に試しやすいのが嬉しい」とか、「リアルに参考になる」といったコメントをいただけるようになり、自分がコスメに求めていることと皆さんの感覚って同じなんだなと実感しました。
ーアイドル活動と並行してYouTubeを続けていたので多忙だったかと思いますが、コスメの情報はいつもどうやってキャッチしていたのでしょう。
一番は店舗で実際に見てみることですね。撮影の合間だったり、現場に早めに着いた時に少しでも時間があればショップに行って、新しい商品やまだ使ったことがないもの、気になったものをチェックしていました。ネットで記事も見ますし、コスメをチェックするためのSNSアカウントも持っています。
ー2019年から手掛けているコスメブランド「ビーアイドル」は、美容雑誌のベストコスメの常連になるまでに成長しています。
YouTuberとしての活動で自分の感覚がコスメが好きな人たちと一致していると自信がついたので、ビーアイドルでも「コスメ好きな私が使いたいと思えるかどうか」を基準にして商品を開発しています。例えば「このアイシャドウだったら別のブランドのものでいいや」となってしまうレベルでは、私が作る必要はないですよね。そこを突き詰めていったら色々な人に手に取ってもらえるようになったので、素直に嬉しいです。
ービーアイドルのアイテムのカラー名は「告白PINK」や「あざとORANGE」「こなれBEIGE」などユニークなものが多いですね。
初めは英語だけの色名も候補だったんですけど、毎日のメイクで色を選ぶ時って「今日はこんな気分だからこの色」とか「こういう雰囲気になりたいからこの色を使ってみよう」という風に、ストーリーがあると思うんですよ。だから「皆が王道のピンクのリップを塗っている中でオレンジのリップを塗っている子が一番あざとい」だったり、「沢山のリップカラーがある中でベージュを選ぶ人はこなれている」とか。ストーリーを落とし込んだ色名にしたら、そのリップを使っている姿が想像できそうだなということで採用しました。
ーカラー名以外に、「#アカリップ」や「#ぴえんアイ」といったキャッチコピーもSNSでバズっています。
「#アカリップ」(つやぷるリップ)は自分で考えたんです。「#ぴえんアイ」(グリッターライナー)はライブ配信で商品を「絵文字の"ぴえん"みたいなアイメイクをしたくて作りました」と紹介したら、ファンの子が「ぴえんアイですね」とコメントをくれて、それがぴったりだなと思ったので使わせてもらっています(笑)。
ーファンとの交流がブランドに活かされているんですね。
NMB48時代は選抜総選挙の時に、ファンの方と一丸となって自分のことをアピールして、嬉しいことにビーアイドルでもそれが引き継がれています。新作の感想をくれたり、拡散してくれるので、励みになりますね。秋の新作で出した無色のリップ「すっぴんクリア」は、元々コロナでマスクに色移りしないクリアカラーがあったら良いなと思っていたところ、ファンの男性から「男でもアカリンのリップ持ちたい」というコメントがあったので、じゃあ作ろうと商品化したものなんです。
ー10月24日に行った卒業コンサートでは、リップカラーにちなんだメドレーを披露したこともファンの間で話題になっていました。
卒業コンサートは集大成なので、私にしか出来ないことをしたいと思い、スタッフさんに自分で提案しました。今ではお陰様で「アカリンと言えばコスメ」と思ってもらえるようになったので、最後まで私らしさ全開でいきたいなと。
ー吉田さんにとってメイクとはどんなものですか?
やればやるだけ返ってきて、裏切らないもの。アイドル活動の初期は、皆と並んだ写真を見るといつも自分のコンプレックスに目がいってしまっていたんです。でもメイクをしたらどんどん可愛くなれて、自信がつきました。今振り返ると、可愛くなりたい気持ちがあったからこそ、ここまで走ってこれたんだなと思います。
ー卒業後の活動は美容関連がメインになるでしょうか。
そうしたいと思っています。これからは自分の時間が増えるので、美容やコスメについて、もっと色々な角度から知識を吸収するつもりです。
ー今挑戦してみたいメイクはありますか?
アイドル時代は崩れにくいマットなベースメイクにラメを効かせたアイメイク、ぷるっとしたリップメイクが多かったので、艶肌とマットリップの組み合わせとかにトライしてみたいですね。今までとは違った"大人なアカリンメイク"にも期待していただきたいと思います。
ービーアイドルではどんなことに挑戦したいですか?
将来的にはフルメイク、スキンケアまでアイテムを揃えたいと構想しています。ただ、なんでも作るということではなく、私が本当にときめいて欲しいと思えるものという軸は変わりません。それから、私もどんどん年を重ねますから、その時の肌状態だったり欲しいものの変化を楽しみながら、一番使いたいものを届けていきたいです。色々と現在進行中で、まだ話せないことが沢山あるのですが...楽しみにしていてください!
(聞き手:平原麻菜実)
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