ヨウジヤマモト 2023年秋冬コレクション
Image by: Koji Hirano(FASHIONSNAP)
山本耀司が手掛ける「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」が3月3日、2023年秋冬コレクションをパリで発表した。会場はパリ市庁舎。シャンデリアがきらめく広間に、黒をまとったモデルたちが次々と登場した。
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黒の彫刻
コレクションの主役は、ブランドの代名詞である黒。テーラードを解体し、再構築したドレスは彫刻のように立体的で、いずれもヨウジヤマモトらしい詩的なムードをまとっている。異素材の小片を差し込みながら、断ち切りやパッチワーク、ドレープなどさまざまな手法を取り入れ、ユニークなシルエットを作り上げた。
モデルたちは乱れたヘアスタイルで、顔には斑点がペイントされていた。また、白×黒の手袋や様々なチェーンを組み合わせたアクセサリーが、刺激的なアクセントを加える。
足元は「アディダス(adidas)」とのコラボレーションによるスタンスミスが登場。シュータンには山本耀司の顔がプリントされている。また、アディダスが特別に制作したシューズや、「グイディ(Guidi)」とのコラボレーションによるシューズも発表された。
アヴァンギャルドな赤
後半に登場したのは、目の覚めるような赤と黒のコントラスト。複雑に絡み合うリボンが全身を包み、アヴァンギャルドなムードを演出する。真っ赤なギターをかき鳴らす山本耀司の姿を模った刺繍も見られた。
さらに布を絵画のキャンバスのように見立てたウールコートも、美しい静けさをたたえていた。背中に施されたペイントは、画家の顔も持つ山本耀司らしいアプローチだ。
「ライディーン」で追悼
ショーミュージックとして冒頭とラストに流れていたのはデザイナー本人の歌声。終盤には「ライディーン」の弦楽器アレンジが流れた。こちらは今年1月に逝去したYMOのメンバー、高橋幸宏への追悼メッセージだったのかもしれない。これもファッションと同じく音楽を愛する山本耀司らしい演出だった。フィナーレでは二人のモデルがミニマルな黒のドレスをまとい、裸足でランウェイを歩いた。
フロントロウにはロックプリンセス
フロントロウにはアヴリル・ラヴィーン(Avril Lavigne)と「ヴェトモン(VETEMENTS)」のグラム・ヴァザリア(Guram Gvasalia)の姿も。真っ黒なアイメイクと口紅で来場したアヴリルは、一際ゴシックなムードを漂わせていた。
「ワイスリー・アトリエ」の発表も
また、パリコレ期間中にアディダスとヨウジヤマモトによる新コレクション「ワイスリー・アトリエ(Y-3 Atelier)」も発表。第1弾とされる同コレクションでは、ヨウジヤマモトの過去20年にわたるコレクションルックから厳選し、アディダスの素材を用いて約20点のアイテムを制作。現地で3日間限定のポップアップを開催した。
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